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更年期の不調をケアする栄養たっぷり! 人気料理研究家・藤井恵さんのとっておき『更年期ごはん』レシピ3つ
年齢とともに女性ホルモンが減少し、全体の6割くらいの人でいわゆる更年期症状が現れるとされます。この更年期を、不調がありながらもなんとか乗り切り、アフター更年期症状とも無縁で元気に活躍する人気料理研究家・藤井恵さん。その秘訣は長年、腸活を意識した大豆イソフラボン豊富な食生活にありました。今回は、著書『藤井恵さんの更年期ごはん』より、更年期にとりたい栄養たっぷりのレシピ3選をご紹介します。
Contents 目次
大豆イソフラボンもカルシウムもとれる! 大豆製品のおかず
大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、腸内細菌によって代謝されることでエクオールという成分になり、体内で女性ホルモンのエストロゲンに似た作用をもたらしてくれます。エクオールは産生できる人とできない人がいて、エクオールを産生できる人のほうが、更年期症状が軽いことがわかっています。
大豆製品は高たんぱく・低脂肪で、大豆イソフラボン以外にも、カルシウム、ビタミンK、鉄、ビタミンB群など更年期に必要な栄養素が詰まった優秀食材。腸内環境を整え、免疫力アップやアンチエイジングに役立ちますから、エクオールが作れない人も更年期には毎日バランスよくとるのがオススメです。
栄養面も万全、体にやさしい「豆腐とアサリ缶のチゲ」
豆腐のたんぱく質、アサリ缶の鉄分、乾燥エビのカルシウムと栄養面も万全。辛くない体にやさしい韓国チゲです。
【1人分:205kcal 塩分1.5g たんぱく質26.2g イソフラボン30.5mg】
【材料】(2人分)
寄せ豆腐(絹ごし豆腐でもOK)…1丁(300g)
アサリ水煮缶…1缶(130g)
えのきたけ(ほぐす)…1袋
にんにく(薄切り)…1かけ
長ねぎ(白い部分斜め薄切り・青い部分小口切り)…1/2本
塩…小さじ1/4
(A)水…2カップ、乾燥エビ(小エビでもOK)…10g
【作り方】
(1)鍋に(A)を入れて中火にかけ、煮立ってきたらアサリ缶を缶汁ごと加え、えのきたけ、にんにくも加えて4~5分煮る。
(2)塩を加え、豆腐をカレースプーンなどですくって入れ、長ねぎの白い部分も加えて3~4分煮る。
(3)器に(2)を盛り、長ねぎの青い部分をのせる。
ビタミンB群などで体イキイキ、お肉のおかず!
更年期からは筋肉の維持が大切になってきます。ただ更年期はエストロゲンの減少によって動脈硬化の原因となるLDLコレステロール、中性脂肪などが増えやすくなるため、肉はなるべく脂肪の少ない部位を選び、鶏肉は皮を除いて使うようにすると、良質なたんぱく質を摂取できます。
鶏肉、豚肉、牛肉は必須アミノ酸を多く含み、筋肉の合成のスイッチを入れる働きのあるアミノ酸の一種、ロイシンが豊富です。大豆製品など植物性たんぱく質とバランスよくとることで、効率よく筋肉量が増やせます。更年期の体調を整えるために必要なコラーゲン、ビタミンB群、ビタミンD、鉄といった栄養素もとれますから、良質なたんぱく質が豊富な大豆製品、魚介とバランスよく食事にとり入れましょう。
疲労回復や美肌にも! 「豚ひき肉とひじきのスパニッシュオムレツ」
疲れたときは、豚肉と卵の良質なたんぱく質とビタミンB群を味方につけて。ひじきとの相乗効果で美肌&美髪効果も。
【1人分:201kcal 塩分1.0g たんぱく質13.8g】※作り置きOK。冷蔵保存3日間
【材料】(4人分)
豚ももひき肉…100g
乾燥芽ひじき…10g
サラダほうれん草(ほうれん草でもOK。3㎝の長さに切る)…100g
おろしにんにく…小さじ1
(A)卵…4個、粉チーズ、牛乳…各大さじ3
塩…小さじ1/3
こしょう…少々
オリーブオイル…適量
【作り方】
(1)ひじきは水で戻し、水気をきる。
(2)フライパンにオリーブオイル大さじ1/2を中火で熱し、おろしにんにくを入れて炒め、香りが立ったらひき肉を加えて炒める。パラパラになったら(1)ほうれん草、塩、こしょうを加えてさっと炒める。
(3)ボウルに(A)を入れて溶き混ぜ、(2)を加えて混ぜる。
(4)直径20cmのフライパンにオリーブオイル大さじ1/2を中火で熱し、(3)を流し入れて強火にし、菜箸で大きく混ぜて半熟状にする。中火にしてこんがり焼き色がつくまで焼き、平皿をかぶせてフライパンごと裏返し、皿からすべらせて戻し入れ、こんがりと焼く。
(5)食べやすく切り、器に盛る。
骨粗しょう症対策に役立つ栄養を効率よくとる!
エストロゲンは健康な骨をつくるために、常に行われている骨代謝を調整する働きがあります。エストロゲンが減少すると骨を壊す働きが進み、骨密度が低下するため、骨粗しょう症が多くみられるようになってきます。骨の材料になるカルシウム、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、カルシウムの骨への沈着を助けるビタミンKをバランスよくとる必要があります。
〜骨粗しょう症予防にとりたい食品〜
カルシウム〈乳製品、大豆製品、小松菜、切り干し大根、鮭サバ缶、乾燥小エビなど〉
ビタミンD〈サケ、サバ、ウナギ、ちりめんじゃこ、卵、きくらげ、干ししいたけ〉
ビタミンK〈納豆、チーズ、海藻類、ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜〉
骨を丈夫にする「鮭缶のヨーグルトポテトサラダ」
たんぱく質不足は骨密度の低下を助長します。骨づくりを助けるビタミンD・Kも豊富な鮭缶、ヨーグルトと合わせて効率よく骨を丈夫に。
【1人分:980kcal 塩分3.5g カルシウム840mg】※作り置きOK。冷蔵保存3~4日間
【材料】(作りやすい分量)
鮭水煮缶…1缶(180g)
じゃがいも(縦4等分に切る)…3個
(A)白ワインビネガー…大さじ1、おろし玉ねぎ…大さじ1/2
オリーブオイル…大さじ1
プレーンヨーグルト(無糖)…400g
(B)白ワインビネガー、オリーブオイル…各大さじ1/2 、ローズマリー(みじん切り)、 タイム(葉を摘む)…各大さじ1/2、塩…小さじ1/3、こしょう…少々
※ローズマリー、タイムはは入れなくてもOK。
【作り方】
(1)ざるにペーパータオルを敷いてヨーグルトを入れて包み、半分の重さになるまで水気をきる(水気をきって出たホエーはスープやジュースに加えて使える)。
(2)鍋にじゃがいもを入れ、かぶるくらいの水と塩少々(各分量外)を入れて火にかけ、やわらかくなるまでゆでる。湯をきって鍋に戻し、再び中火にかけて鍋をゆすり、粉を吹かせる。火からおろしてじゃがいもをつぶし、混ぜ合わせた(A)、オリーブオイルを加えて混ぜ、冷ます。
(3)ボウルに(B)、(1)、缶汁をきった鮭缶を入れて混ぜ、(2)を加えて混ぜる。
更年期から、充実した後半生を過ごすための食事と健康のコツが詰まったレシピ。おいしくて手軽に作れるアイデアがそろっています。忙しくても不調を寄せつけない食生活を身につけていきたいですね。
参考書籍/
『藤井恵さんの更年期ごはん』(世界文化社)
(著)藤井恵
1966年生まれ。料理研究家。管理栄養士。いつもの調味料、シンプルな工程でおいしい&ヘルシーを叶えるアイデアレシピで大人気。心華やぐ再現性の高いレシピにファンは多く、テレビや雑誌などで活躍。『藤井弁当』(学研プラス)、『体が喜ぶ! 藤井恵の豆腐レシピ』(世界文化社)ほか著書多数。
(監修)高尾美穂
産婦人科医。女性のための統合ヘルスケアクリニック イーク表参道 副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガドクター。東京慈恵会医科大学大学院修了。同大学付属病院産婦人科助教を経て、2013年より現職。『いちばん親切な更年期の教科書【閉経完全マニュアル】』(世界文化社)ほか著書多数。
文/庄司真紀