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これって更年期⁉︎ 女性ホルモンの働きから考える「なんとなく不調」の原因と対策
PMSによる不調や更年期による不調。女性はライフステージの変化に伴って女性ホルモン(エストロゲン)が大きく変動し、やがて減少していきます。女性の一生はエストロゲンの影響を受けやすいと言えるのですが、ホルモンと不調の関係を把握することなく、日々ガマンを重ねている方も多いのではないでしょうか。Fan!Fun!FYTTEのオンラインクラスでは、こうした女性の不調に数多く向き合ってきた大塚製薬の小野田敦子さんをお迎えして、女性ホルモンに伴う体調の変化、対処の方法などを教えていただきました。
Contents 目次
女性の一生はエストロゲンの影響を大きく受けている?!
女性のライフステージは、エストロゲンの波と深い関係があります。1か月の単位で見ても、ひと月に一度の生理周期をめぐって、2種類のホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)のゆらぎがあるため、体調が左右される方も多いでしょう。
とくにプロゲステロンの分泌量が増える黄体期は、妊娠に向けて体が栄養や水分などをため込みやすくなります。この月経前の3~10日の間、続く精神的あるいは身体的な不調が「PMS」です。日本では月経のある女性のおよそ7割が、月経前に何らかの症状を感じていると言われています。PMSの症状は個人差が大きいだけでなく、体調や季節変化、日常のストレスなどの影響を受けやすいことが特徴です。
そして、やがて閉経を迎えるわけですが、閉経の前後5年間、約10年が更年期と言われる期間です。平均すると45歳から55歳といわれています。ただし、「閉経」は生理が来なくなって1年経って初めて確定できるものですので、更年期の始まりがいつなのかは、すぐにわかるものではありません。
更年期には、女性ホルモンの低下によるさまざまな不調が出てきます。月経異常、ホットフラッシュ、ほてり・のぼせなどが代表的な症状で、うつ症状・イライラ・不眠が現れる方も多くいらっしゃいます。更年期以降では、粘膜が乾燥してくるので、生殖器や皮膚の萎縮が起きてきますし、出産経験のある方には尿漏れといった泌尿器症状がみられることも多くあります。体内では血圧や脂質が高まり、動脈硬化や生活習慣病、骨粗鬆症といった老年期に出る病気が始まっていく時期です。
更年期の症状は人によって重さが違い、症状も肉体的なものから精神的なものまで、200〜300種類あるともいわれます。日本人の特徴的な症状としては肩こりが挙げられますが、若いときも肩こりがあったという人が更年期にはそれまで以上に肩こりがひどくなるというようなことも起こります。日本の社会は2020年、2人にひとりが50代という状況になりました。更年期の不調を抱える人もますます増えていくと考えられます。
日常的にできる対策は「食べること」「動くこと」「休むこと」から
PMSや更年期対策だけでなく、広く健康を維持するためには、「食べること」「動くこと」「休むこと」の3つの要素が大切です。
食事は主食、副菜、主菜=3、2、1のバランスを重視して、和食を中心にしたメニューがおすすめです。運動はケガ予防のストレッチと、有酸素運動、日常的にできるウエイトトレーニングを行うのが理想的。そしてきちんと休息をとることも大事です。良質な睡眠のために、体内リズムを整えたり、入眠前のリラックスなども心がけるようにしてください。心の栄養となる“ワクワク”や“ときめき”もプラスしていけると一層よいでしょう。
とはいえ、自分の生活を振り返ってみると、社会でも家庭でも周りに気を遣い、自分のことは、あと回しになりがちなのではないでしょうか。だからこそ、不調があったら気軽に相談できる“かかりつけ医”の存在も心の不安を払拭してくれます。
調査によると、不調に対し「セルフケア+医療機関」で対処できている方は生活の満足度が高いという結果が出ています。特定の病気の早期発見と治療のための婦人科検診だけではなく、健康なときから健康状態の正しい把握をするためにアドバイスがもらえる“かかりつけ医”の存在が大切です。
ご自身で知識を得て行動するだけでなく、相談できる専門家がいれば、「食べる」「動く」「休む」を自分にとってふさわしい形でとり入れやすくなります。気持ちにゆとりをもって、女性が自然体で、自分らしさを発揮できる、そんな社会を目指していきたいと考えています。
PMSや更年期症状によいとされる「エクオール」とは?
PMSや更年期など、ホルモンバランスによる不調におすすめの栄養素としては、カルシウム、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンD、ビタミンE、鉄、エクオールなどがあります。なかでも、ビタミンEの一種であるγ(ガンマ)トコフェノールとγ(ガンマ)トコトリエノール、カルシウム、エクオールの4種をとると、むくみの軽減につながることがわかってきました。
「エクオール」とは、大豆や大豆製品に含まれる大豆イソフラボンの一種、「ダイゼイン」が腸内細菌の力で変換され、作られる成分です。「エクオール」は女性ホルモンに似た作用を持つ成分で、PMSによる不調や、更年期に現れる不調を改善する効果があることがわかっています。
自力で「エクオール」を作るためには、腸内にダイゼインからエクオールを産生するための腸内細菌がいる必要があります。しかし、すべての人の腸内にエクオール産生菌がいるわけではありません。アジア圏内では約50%、欧米やオーストラリアでは約30%の人しかエクオールを作れないといわれています。
腸内細菌は小さい頃の食生活が影響していると考えられています。食の欧米化が進む現代では、日本においても若い女性では30%の人しかエクオール産生ができないというデータもあります。もちろん、エクオールを作れる人でも、大豆を毎日食べなければエクオールが産生されませんので、作れる、作れないを問わず、サプリメントなどで補うのも有効な手段だと言えるでしょう。
いかがでしたか。月経前の3~10日の間に起きるPMSや、体が大きく変化していく更年期。自分の体を理解し、ヘルスリテラシーを高めると同時に、自分の健康のことを相談できる婦人科系の病院や、かかりつけ医をもつことの大切さも痛感させられたクラスになりました。忙しい毎日の中でも自分を大事にした日々の過ごし方を見直していきたいですね。
(参考)女性の健康推進プロジェクト
https://www.otsuka.co.jp/woman_healthcare_project/
文/庄司真紀
<プロフィール>
小野田敦子さん
薬剤師、スポーツファーマシスト、女性の健康経営推進員。
大塚製薬㈱ニュートラシューティカルズ事業部・女性の健康推進プロジェクトに所属。大塚製薬の女性向け製品を担当する部署にて、製品プロモーション、ならびに、女性の健康推進・女性活躍に関する啓発活動に従事している。
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