例年よりスギ花粉の飛散量が多いといわれている今年。花粉症の人はもちろん、まだ花粉症になっていない人も発症の可能性が高まるので注意が必要です。そこで医師の村上典子先生におすすめの最新花粉症対策についてくわしく話を聞いてきました。
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まず敵のことを知ろう! そもそも花粉症とは?
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、人間の体が起こすアレルギー反応で、「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれています。体の免疫反応として、くしゃみや鼻水、涙で花粉を外に出そうとして花粉症の症状が出てきます。
「よく人のアレルギーの許容量を『バケツ』、浴びる花粉を『水』にたとえ、バケツの許容量を超えて花粉を浴び、バケツから水があふれだすと花粉症が発症するといわれています。スギ花粉の飛散量が多ければ、入ってくる水の量が多くなってしまうので、今までは大丈夫だったけど、今年に花粉症を発症してしまう人が多くなる可能性は高いです。これまでコロナ禍でリモートワークされていた方人が、外に出て活動を始めるなどの生活スタイルの変化もあいまって、今年は花粉症になる人がかなり増えると思います」(村上先生)。
花粉との接触を控え、室内に持ち込まないのが重要な花粉症対策
花粉症にならないために、花粉症の人はこれ以上ひどくならないために、有効な花粉症対策を教えていただきました。ちょっとした意識と、花粉症対策グッズなどですぐにできるものばかりです。
●外出するときは、マスク・メガネを着用
メガネもいいですが、ゴーグルのほうがさらに効果的です。できれば帽子も。
●花粉を払いやすいサラッとした素材のコートなどを着用する
毛足の長い服は花粉を巻き込んでしまうのでNGです。ポリエステルやナイロンなどの素材を選びましょう。
●室内に入る前に衣服や髪についた花粉をよく払う
とくにコートなどの上着の表面をよく払うこと。ブラッシングブラシを使うとより効果的です。
●玄関先でマスクを捨てる
花粉を持ち込まないためにも、玄関にゴミ箱を用意し、外でつけていたマスクを捨てましょう。
●帰宅後、うがい、手洗い、洗顔をする
花粉は粘膜につくので、うがい、手洗い、洗顔のほか、鼻うがいや目も洗うと効果的です。
●洗濯物や布団は外で干さない
外に干すと花粉がついてしまうので、乾燥機を使ったり、室内干しをしましょう。布団は清潔なシーツやカバーを使い、布団用の掃除機をこまめにかけると最善です。
●こまめに掃除をする
花粉は下に落ちるので、毎日掃除機をかけたほうがよいと思います。
●空気清浄機や加湿器を使用する
花粉は水分があると下に落ちるので、加湿器は有効です。もちろん空気清浄機で花粉を排除するのも大切です。
●化粧品は添加物の少ないものを
肌への刺激が少ない、添加物が入っていない化粧品がおすすめです。また、バリア膜をつくって花粉の侵入を予防してくれる化粧品も効果的。花粉が付着する粘膜を守るためには保湿剤のワセリンも有効です。ワセリンをさらに精製して不純物をとり除いたプロペトは、子どもが口に入れても安全なもの。これを目の周りや鼻の穴の周りに塗っておくと、花粉がブロックされ、粘膜面に入っていかないのでおすすめです。
●腸活で免疫力をアップ
納豆などの発酵食品やヨーグルトなどの乳酸菌を食べて、腸活しましょう。
これらの対策のほか、くしゃみや鼻水などの症状が出てきたら、市販の薬でその場しのぎをするのではなく、早めに耳鼻咽喉科などを受診することが大切です。
「花粉症と風邪や、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症の症状はよく似ているため、医者でも判断は難しいです。早めに花粉症だと特定し、適切な治療を受けてください。採血するアレルギー検査はそれほど敷居が高いものではないので、自分がなんのアレルギーを持っているのか知ることで、敵(花粉症)と戦いやすくなると思います」(村上先生)。
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取材・文/奥沢ナツ