美容と健康のためには、十分な睡眠をとることが大切です。睡眠をとることで、脳が回復し、健康全般によい影響を与えます。短時間の昼寝が効果的だとする研究もありますが、最近の海外研究から、睡眠時間が6時間未満の大学生は期末試験の成績が低いことが判明しています。さらに、睡眠時間が短いほど、成績は悪くなるそうです。
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眠ると記憶が固定される?
これまでの動物の研究から、睡眠は学習や記憶に不可欠であることが示されています。日中に作られた記憶は睡眠中に固定されると考えられ、睡眠が妨げられると、これらの記憶が失われる可能性があると考えられているのです。この結果を人間に当てはめることはできるのでしょうか? 睡眠不足や睡眠の乱れは学業成績に影響し、成績に現れるのでしょうか?
そんな疑問をもった米国の研究グループは今回、3つの大学の大学1年生600人以上を対象に、一連の研究を行いました。学生たちには学期の最初の1か月間、睡眠パターンを記録する装置を手首に装着してもらいました。そのうえで睡眠と最終的な成績の関係を調べたのです。
パフォーマンスを高める睡眠の重要性
こうして研究で確認されたのが、睡眠時間が6時間未満の学生は最終的な成績が低いことです。研究参加者の平均の睡眠時間は6.5時間でしたが、6時間より1時間少なくなるごとに、全科目の評価点数の平均値が下がっていました。前学期の成績や昼寝、人種および民族、性別などを考慮して分析しても、結果は変わりませんでした。
研究グループは、大学1年生がよい成績をとるためには、夜間に十分な睡眠をとることが重要な要素だと発見したわけです。大学生活は忙しくても、しっかり睡眠をとることが大切であり、それが将来に大きな違いをもたらすとアドバイスしています。なお、米国睡眠財団は、18歳から64歳までの成人に7時間から9時間の睡眠を推奨しているとのこと。
この研究により、学生にとっても社会人にとっても、十分な睡眠をとることが重要であることが明らかになりました。睡眠不足は学業や仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。忙しいとつい睡眠時間を削りたくなりますが、最高のパフォーマンスを発揮するためには、十分な睡眠時間を確保することを優先させることが大切。忙しい毎日を送っている人こそ、気をつけておくとよいのかもしれません。
<参考文献>
Dietrich College of Humanities and Social Sciences
https://www.cmu.edu/dietrich/news/news-stories/2023/february/creswell-sleep.html
Creswell JD, Tumminia MJ, Price S, Sefidgar Y, Cohen S, Ren Y, Brown J, Dey AK, Dutcher JM, Villalba D, Mankoff J, Xu X, Creswell K, Doryab A, Mattingly S, Striegel A, Hachen D, Martinez G, Lovett MC. Nightly sleep duration predicts grade point average in the first year of college. Proc Natl Acad Sci U S A. 2023 Feb 21;120(8):e2209123120. doi: 10.1073/pnas.2209123120. Epub 2023 Feb 13. PMID: 36780521.
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2209123120
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