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胃の不調は「新・国民病」!? 医師が教える、年々増える原因不明の胃の不調の正体と対策

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胃の不調は「新・国民病」!? 医師が教える、年々増える原因不明の胃の不調の正体と対策

寒暖差で胃の働きが低下しやすいこの季節。しかも、これからの年末年始は、飲み会の誘いも増え、ついつい暴飲暴食や不規則な生活をしがちで、胃に不調がでやすいときです。そこで今回は、12月11日(胃にいい)の「胃腸の日」を前に行われた、「新国民病、胃の不調の正体と胃の負担を和らげる方法」メディアセミナーの模様をご紹介します。

監修 : FYTTE 編集部

ダイエット専門誌として1989年に雑誌創刊し、2016年よりWEBメディアに。ダイエットはもちろんのこと、ヘルスケア、ビューティなど体の内側からも外側からも美しくかつ健康でいるための体づくりのノウハウを、専門家への取材とともに紹介。“もっと、ずっと、ヘルシーな私”のキャッチフレーズとともに、編集部員も自らさまざまなヘルシーネタを日々お試し中!

Contents 目次

年々増加傾向にあり! とくに若い女性に多い胃の不調

セミナーに登壇したのは、消化器のスペシャリストで、川西市立総合医療センター総長の三輪洋人先生。消化器内科一般や消化器疾患を専門とする三輪先生が、実際に診察して肌で感じている現代人の胃の不調の現状や対策方法をわかりやすく教えてくださいました。

「2023年11月に発表された、ヒューマン・データ・ラボラトリ株式会社が全国の男女2,000名を対象に行なったアンケート調査『第4回胃の不調実態調査(2023)』で、胃の不調を感じている人は55.9%で、3年連続して前年越えをしていることがわかりました。
しかも、胃の不調を感じている人は、男性49.2%に対して、女性は62.6%と多く、いちばん多かったのは、20代女性の72%。つまり、若い人ほど胃に不調があることがわかっています」(三輪先生:以下同)

覚えておきたい「ディスペプシア」と「機能性ディスペプシア」

胃の不調の原因を知る前に、覚えておきたいキーワードとして、「ディスペプシア」「機能性ディスペプシア」があるとのこと。あまり聞き慣れないワードですが…。

「まず知っていただきたいのは、胃の症状(上腹部症状)を医学用語で『ディスペプシア』と呼ぶことです。もともとは『消化不良』という意味で生まれたギリシャ語で、ディスペプシアを起こす原因としては、胃がんや胃潰瘍、食道炎などさまざまな器質的疾患があります」

一般的になんらかの病気が原因で症状が出てくると考えられていますが、じつは胃に関しては少しちがいます。胃の不調を感じて、病院で内視鏡検査を行っても、受診した患者さんの9割以上はなんでもなかったというデータが出ています。

「こうした、症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないにも関わらず、慢性的に胃もたれや心窩部痛(しんかぶつう)などの胃の不調があれば、『機能性ディスペプシア』という疾患になります。胃の不調を抱えるすべての人が、医療機関を受診するとは限らないため、日本人の10人に1人は機能性ディスペプシアではないかという報告もあります。これが新国民病といわれるゆえんです」

生活に多大な影響を及ぼす胃の不調

たかが胃の不調と侮るなかれ! 胃の不調はふだんの生活はもちろん、社会にも悪い影響を与えるといいます。

「胃の不調があるだけで、QOL(生活の質)が落ちることもデータでわかっています。外国の報告では、機能性ディスペプシアの人と、健康な人の労働生産性を調べたところ、機能性ディスペプシアの人は、医療費や薬剤費がかかることはもちろん、病欠が多くなり、短期あるいは長期の身体障害による損失も多く、労働賃金が少ないという調査結果が出ています。
また、これまでは脳が胃の調子を決めていると言われていましたが、最近の研究では、じつは胃が脳にシグナルを送っていることがわかっています。
このことから、胃の健康というのは、我々が考えているよりもかなり重要である可能性があるといえるのです」

胃の不調の正体とは?

機能性ディスペプシアは、悪いところがないのに症状だけがあるため、精神的なものと思われがちですが、それはちがいます。胃の症状は、胃の機能の変調を感じることで起こることがわかっているといいます。
胃の機能とは、
・胃酸の分泌
・胃の運動
・胃の知覚(感じ方)
の3つ。これらのどれかが変調をきたすと体は不調を感じるのです。

「自分の手足は自由に動かせますが、胃腸は自分自身でコントロールして動かすことができません。内臓(胃腸)をコントロールしているのは自律神経です。自律神経は自分を守り、生命を維持する神経で、活発モードの交感神経とリラックスモードの副交感神経の2つがバランスをとりながら調整しています」

自律神経はストレスの影響を受けやすいので、ストレスを感じると胃腸にも不調が出てきやすいのはそのため。医師331人に行ったアンケート調査(出典:日本生活習慣病予防協会)によると、胃の不調の原因の3位は「食生活の乱れ」、2位は「仕事や家計のストレス」、第1位は「人間関係のストレス」という結果に。みなさんも思い当たるところがあるかもしれません。

機能性ディスペプシアを改善する治療や生活習慣

では、機能性ディスペプシアの場合、どんな治療をしていくのでしょう?

「機能性ディスペプシアの患者さんには、まず、よく説明することが大きな治療です。どうしてこの症状が出てくるのか、それが命に関わるものではないこと、またよくなる可能性も高いことを説明してあげることが重要です。そのため、どんな先生に巡り合うかも非常に大きなポイントになります。
そして、次に自律神経を整えること。生活習慣の改善や食事などで自律神経を安定させることが極めて大事なのです。睡眠時間を十分とり、適度な運動を行い、決まった時間に起きて、同じ時間に食事をとること。食事は、食物繊維や発酵食品、乳酸菌など、腸内細菌にいい効果のある食べものを中心に、胃腸を活発にする食事をすることが大切です」

こんなデータもあるといいます。
「胃の不調を感じていながら治療を受けていない健常成人男女のうち、食欲旺盛および全般的な消化管運動不全が疑われる人を除いた15名を対象にした研究では、『ヨーグルト』とだけ伝えて『Lactobacillus gasseri OLL2716(LG21乳酸菌)』の入ったヨーグルトを食べる群(10名)と、『Lactobacillus gasseri OLL2716(LG21乳酸菌)』が入っていないヨーグルトを食べる群(5名)に分けて、それぞれ継続して摂取してもらったところ、6週間後、『LG21乳酸菌』のヨーグルトを摂取した群は摂取していない群に比べて、顕著に胃の排出時間(食べものが胃に入ってから出ていくまでの時間)が早くなり、胃もたれなど胃の不調が改善したという結果が出ています。
また、この『LG21乳酸菌』は、一時的な胃の負担をやわらげる機能が報告されています。以上のことから、『LG21乳酸菌』の摂取は毎日の習慣にすることが大事になります」

機能性ディスペプシアは薬物治療の効果が高くない

「機能性ディスペプシアの治療は、説明と食事、生活指導が重要になりますが、それでも治らない場合は、薬物治療があります。ピロリ菌除去の薬や胃酸を抑える薬、胃の運動を高める薬や、漢方薬などいろいろとありますが、じつは機能性ディスペプシアに対して薬物治療の効果はあまりないことがわかっています。
機能性ディスペプシアの患者に、胃薬と効果のない乳糖をカプセルにつめたもの(偽薬・プラセボ)を飲んでいただき、効果を調べたところ、胃薬を飲んでよくなった人は71%、メリケン粉のプラセボでは70%という結果で、胃薬でなくても同等の効果を実感している人が多く、気持ちの効果が大きいことがわかっています。つまり自律神経の働きは薬物ではコントロールできないのです。そのため、機能性ディスペプシアの治療としては、不安やストレスを和らげる心療内科的治療が有効です。その代表が催眠療法ですが、特殊な技術が必要なことや、ひとりの患者さんに半日以上つきっきりで時間がかかるため、一般的な治療ではありません。
おすすめは、自分の行動を自分で見直す、認知行動療法です。
よく患者さんに話すのが、『幽体離脱の術』。これは、自分から抜け出して、俯瞰的に自分を見つめること。すると、自分のストレスってそんなに大きなものじゃないな、クヨクヨしている場合じゃないと思えるようになり、それだけでもかなり改善されるのです。ほかにも、マインドフルネス(瞑想)や、ヨガなどもおすすめです。ストレスからの胃の不調がある方は、ぜひ試してみてください」

体も心も、多かれ少なかれ日々ストレスにさらされているもの。胃の不調を抱えている人は、ぜひ自律神経を整える生活習慣の改善や、胃の負担をやわらげる乳酸菌を摂取すること、自分の行動を見つめ直すことから始めてみてはいかがでしょう。

取材・文/奥沢ナツ

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