本格的な花粉症シーズンはまだ先と油断していませんか? ピーク時のつらい症状を少しでも緩和させるには、早い時期からの対策が大切です。そこで今回は、花粉症を和らげるとして注目されているミツバチ産品のプロポリスと花粉荷(ビーポーレン)をご紹介。山田養蜂場 健康科学研究所 学術情報担当の福島 忍さんにインタビューした過去記事を再掲します。ぜひ、いまからセルフケアにとり入れてみはいかがでしょう。(初公開日 2023年2月22日)
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「プロポリス」で鼻づまりの緩和や花粉症の発症を遅らせる!
ミツバチが作り出すミツバチ産品といえば、代表格の「はちみつ」をはじめ、ほかにもローヤルゼリーやプロポリス、花粉荷(ビーポーレン)、といった天然素材があります。
なかでも、最近、花粉症対策として注目されているのが「プロポリス」。よく耳にする名前ですが、実際にどのようなものなのでしょう。
「プロポリスはミツバチが巣を清潔に保つために作り出す素材で、樹木の新芽や樹脂、樹液、花粉、ミツバチの唾液とミツロウなどからできたもの。近年、プロポリスには、抗菌・抗炎症をはじめとする多様な機能があることがわかってきており、花粉症の症状を緩和するという研究結果も示されています」(福島さん)
【グラフ1】
【グラフ2】
※出典:みつばち健康科学研究所NEWS(https://www.bee-lab.jp/onayami/muzumuzu/)
福島さんによると、軽度のスギ花粉症患者80名を対象にした実験では、ブラジル産プロポリスを含む錠剤とプロポリスを含まないプラセボ錠剤(偽薬)をスギ花粉飛散前から12週間摂取。プロポリスを摂取したグループは、プラセボのグループと比較して、スギ花粉飛散期間における花粉症の発症を遅らせることができました【グラフ1】。また、もっとも多くプロポリスを摂取した群(450ml/日)では、鼻づまりの発症率が低下【グラフ2】。そのメカニズムとして、プロポリスがアレルギーの原因となる炎症性物質(cys-ロイコトリエンなど)の放出を抑える作用があることも明らかになったそうです。
「花粉荷」(ビーポーレン)+プロポリスも症状緩和に貢献!
そしてもうひとつ、花粉症対策のポイントとなるミツバチ産品が「花粉荷(ビーポーレン)」です。
「花粉荷はミツバチが花から集めた花粉を蜜などでかためたもので、花粉症の原因となる花粉とは異なります。巣に持ち帰られた花粉荷はミツバチの食料やローヤルゼリーの原材料として利用されているのですが、タンパク質・アミノ酸・ビタミン・ミネラルをはじめ、栄養素をバランスよく含有しているため、中国やヨーロッパなどでは昔から日常的に食べられています。その花粉荷、じつはプロポリスと合わせて飲むことで花粉症による症状を抑えてくれる働きがあることがわかっています」(福島さん)
実際に、軽度のスギ花粉症患者を対象に花粉荷を含んだプロポリス錠を花粉飛散前に摂取した実験では、プラセボ錠を摂取したグループに比べ、花粉症治療薬の使用頻度や強度が低減していることが確認されています。
サプリメントなどで気軽にとり入れよう
花粉症対策として効果を発揮させるには、花粉が飛び始める前から、早めにとり入れるのがポイント。習慣化することで毎年の備えにつなげましょう。花粉荷はサプリメントやそのままの粒でも販売されており、粒の場合は料理や飲み物に混ぜるなど、食事と一緒に食べるのもオススメ。プロポリスは錠剤やソフトカプセル、スプレータイプ、キャンディーなどさまざまな形状の商品が登場しているので、自分がとり入れすいものを選ぶとよいでしょう。
ちなみに、プロポリスと花粉荷には花粉症の症状を抑える以外にもさまざまな効果が期待できるといい、「完全栄養食品ともいわれる花粉荷には抗酸化成分が含まれているため、北欧や中国では古くからアンチエイジングや美肌にもよいとされてきました。また、プロポリスは天然の防衛物質といわれていて、認知症や糖尿病・高血圧などをはじめとする生活習慣病や、免疫機能の低下・改善にも効果を有しています。風邪の症状もプロポリスを飲むことで治りを早めて体のだるさを軽減できることが実験でもわかっています」と福島さん。
プロポリスも花粉荷もさまざまな健康効果が期待できるパワーフード。
まずは花粉症対策としてとり入れつつ、日ごろの健康ケアの一環として習慣化していくのもよさそうですね!
お話をうかがったのは…
山田養蜂場 健康科学研究所 学術情報担当 福島 忍さん
取材・文/番匠 郁