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運動の持続力や疲労回復力のアップへ! 海外研究が注目する「ビタミンB群」のチカラとは?
ビタミンB群は、エネルギーを作ったり食べたものを代謝したりする体内の活動で重要な役割を果たしている大切な栄養素です。このたび海外研究では、アスリートではないふつうの人がビタミンB群のサプリメントを連続してとると、運動の持続力が上がり、運動による疲労が減ることが報告されました。身近なビタミンですが、一層注目されそうです。
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4週間の連続摂取による影響を比較
ビタミンB群にはB1、B2など8種類の水溶性ビタミンがあり、それぞれがエネルギーの産生や代謝に関わっています。
運動をすると大量のエネルギーを消費し、肝臓や筋肉の中にある糖(グリコーゲン)が分解、代謝されることでエネルギーの必要量を満たそうとします。このとき同時に乳酸がたまるため、乳酸は「疲労物質」と呼ばれることもあります。最近の研究では、激しい運動をすると「水素イオン」などが発生し、このために筋肉のpHバランスが酸性に傾いて、疲労を引き起こすこともわかってきています。
エネルギーを作り出す主な原料は食べものですが、ビタミンB群は体のニーズに合わせてエネルギーを効率よく供給する手助けをしています。そのため、エネルギー消費が多い運動の際にはビタミンBを補給することが有益です。
今回、台湾の研究グループは、ビタミンB群、なかでも主にエネルギーの代謝と利用に関わるB1、B2、B6、B12が運動能力を向上させ、疲労を軽くするのかどうかを調べてみました。
健康な男女、各16人(20〜30歳)にビタミンB群を含むサプリメント(ビタミンB1、B2、B6、B12など)もしくはプラセボ(偽薬)を、2週間空けて28日間ずつ服用してもらい運動能力と疲労の程度を比較。服用期間の前後にトレッドミルでの運動と血液検査を行い、疲労については血液中の乳酸とアンモニアの量で評価しました。
運動後の回復が早くなる
こうして研究で確認されたのが、ビタミンB群のサプリメントを服用したあとでは、運動能力が向上し、疲労が軽くなったことです。
具体的には、服用する前やプラセボを服用した場合に比べ、トレッドミルを使った運動持続時間が26%伸びました。また、血液中の乳酸とアンモニアの濃度が減少し、疲労が軽くなったことが考えられました。副作用は見られませんでした。また、今回の研究では運動後に血液検査を数回実施し、疲労回復の速度も見ていますが、ビタミンB群を摂取したときのほうがプラセボを服用した場合よりも回復が速いことがわかりました。
この研究結果を踏まえると、日ごろからビタミンB群をとるよう意識すると、疲れにくくなり、運動しやすくなることが期待されそうです。
<参考文献>
Lee MC, Hsu YJ, Shen SY, Ho CS, Huang CC. A functional evaluation of anti-fatigue and exercise performance improvement following vitamin B complex supplementation in healthy humans, a randomized double-blind trial. Int J Med Sci. 2023 Aug 15;20(10):1272-1281. doi: 10.7150/ijms.86738. PMID: 37786445; PMCID: PMC10542023.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37786445/
乳酸(にゅうさん)(厚生労働省e-ヘルスネット)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-045.html
乳酸とは(健康長寿ネット、公益財団法人長寿科学振興財団)
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/undou-kiso/nyusan.html