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その胃の不調、慢性化してない? 東洋医学では胃は生命力の源…酷使しがちな人は原因を知って“胃活”にチャレンジ!

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胃痛

新しい生活をスタートさせる人も多い新年度。歓迎会やお花見などの豪勢な食事や飲酒で胃を酷使してしまいやすいシーズンですが、胃もたれや痛みだけでなく、「お腹が空く感覚がない」「不快感がある」といった症状を放置している人は意外と多いのではないでしょうか。今回は、六本木・寺林治療院の寺林陽介先生の『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』から、胃の不調の原因について見ていきます。

Contents 目次

胃の不調の大きな原因とは?

ストレス

胃の機能低下は主に加齢によって引き起こされることが多いですが、それ以外にも大きな原因になるのがストレス。

「生きものの体は、ストレスを感じると、消化機能などの働きを抑え、その分、脳や心臓、肺、筋肉などに、いつもより多くの血液、糖分、酸素などを送り込むようにできています。ストレスを受けたとき、胃腸の調子が悪くなりやすいのはそのためです」(寺林先生)

通常はストレスを感じて交感神経が優位になっても、その後、徐々に治まっていき、体がリラックスモードになると、全身の血流がよくなり、再度、消化器官が活発に動くようになります。

ところが、「非常に強いストレスを受けたり、ストレスを受け続けたりすると、交感神経への切り替えがうまくいかず、交感神経優位の状態が続いてしまいます。そうなると、心身がいつまでもリラックスできず、胃腸も十分に働くことができないのです」

これがいわゆる自律神経のバランスが乱れた状態です。
過度なストレス以外に現代的な不規則な生活習慣も自律神経のバランスを乱す要因となり、不規則な生活をしている人は胃の不調を抱えやすくなってしまいます。

更年期の症状として、胃もたれが起こることもある

更年期

なお、女性の場合は、女性ホルモンのひとつである黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で胃もたれが起こることもあります。特に45歳から55歳くらいの年齢の人は更年期の症状である可能性も否定できません。

「更年期になると、卵巣機能が低下し、女性ホルモンのひとつである卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少します。出産や妊娠に関わるホルモンとして知られる卵胞ホルモンには、筋肉や骨の健康を維持したり、自律神経のバランスを適切に保ったりする働きがあります。そのため、卵胞ホルモンが減少すると、自律神経のバランスが乱れ、消化力が弱まって胃もたれが起こりやすくなるのです」

50歳前後で慢性的な胃のもたれを感じるようになった人は、ほてりやのぼせ、多汗、冷え、動悸など更年期のほかの症状が出ていないか考えてみるとよいでしょう。

胃が整うと生命力もアップ!?

胃

それでは胃の機能が低下すると、どのようなことが起こるのでしょうか。

「口からとった食べものは胃で分解され、消化・吸収されやすい状態になります。つまり、胃の機能が低下し、食べものが十分に消化されないまま腸に運ばれると、体に必要な栄養素の吸収率が悪くなったり、腸の負担が大きくなったりしてしまうのです」

たとえば、食べものから摂取されたたんぱく質は、胃などの働きによってアミノ酸へと分解されます。アミノ酸は、体内で筋肉や骨、皮ふ、爪、髪、血液、内臓などの材料となったり、神経伝達物質の材料となったりします。またエネルギー源、免疫抗体、ホルモンなど、人間の成長や発育、生命活動の維持に欠かせない働きをしています。

ところが、胃が十分に働かず、アミノ酸の吸収率が低下すると、栄養不足により、筋肉量が減る、肌や爪が荒れる、気力が低下する、疲れやすくなる、貧血や冷えが起こりやすくなる、内臓の働きの低下や免疫力の低下などさまざまなトラブルが起こるようになります。

「胃の不調を改善することは、全身の健康につながり、生きる力をアップさせます。東洋医学においては胃こそが生命力を生み出す源であると捉とらえられており、消化力、基礎代謝を上げることで、免疫力も高まります」

腸は健康の要といわれますが、その腸にも胃の消化力が大きく関わっています。不調が感じられる人は腸活とともに“胃活”も意識して生活することが大切になってきます。

次回は、胃の不調に役立つツボをご紹介します!

文/庄司真紀

参考書籍/

書影
『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』(アスコム)

著者/寺林陽介

著者

てらばやし・ようすけ 六本木・寺林治療院院長。1996年にあんまマッサージ指圧師、鍼師、灸師の国家資格を取得し、父の治療院で本格的に修行を開始。24歳のときから1人で治療院を運営。2014年4月、東京都港区六本木に移転し現在に至る。どこに行ってもラクにならなかったという患者ほど違いを実感する「疲れとりマッサージ」を行い、多くの著名人から評判を得ている。著書『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』(アスコム刊)は35万部のベストセラーになり、テレビ、雑誌など多数のメディアで注目を集めている。

監修/内野勝行

監修

うちの・かつゆき 帝京大学医学部医学科卒業。都内病院の神経内科外来や千葉県の療養型病院副院長を経て現在金町駅前脳神経内科院長。日本神経学会会員。日本内科学会認定医。鍼伮や漢方といった東洋医学も取り入れ、患者さんの体全体の調和がとれるようアドバイスを行っている。著書『記憶力アップ×集中力アップ×認知症予防1日1杯脳のおそうじスープ』は14万部のベストセラー。テレビ出演多数で、さまざまな医療情報番組の医療監修も務める。

 

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