空気が乾燥するこの時期は、肌にいい食材をいただく「食べるスキンケア」を意識したいもの。美肌づくりを助けてくれる栄養素、ビタミンCがたっぷりのみかんは価格も手頃でおやつやデザートにオススメです。さらにみかんにはビタミンCのほかにも肌にいい成分が含まれ、なんと「焼く」ことでその効果がアップするかもしれないのだとか。みかんと「焼きみかん」の美肌パワーについて、管理栄養士の安中千絵先生にお伺いしました。
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「焼く」ことでパワーアップも! みかんの美肌効果とは?
みかんにはビタミンCをはじめ、美肌づくりを助けてくれる栄養素がいくつか含まれています。なかには加熱されることで摂取しやすくなり、そのパワーがアップすると期待できるものも。以下、みかんの美肌パワーをまとめてみました。
美肌パワーその1 ビタミンCでハリのある肌に!
「ビタミンCは美肌効果も高いので、1日あたり2個程度を目安にみかんを食べるようにするとよいでしょう」(安中先生)
ビタミンCは美しい肌を保つ働きをもつ物質、コラーゲンを体内で生成するのにかかせない栄養素です。また、シミのもととなるメラニン色素が生まれるのを防ぐ働きもあります。みかん1個(100g)に含まれるビタミンCは32mg。成人女性が1日で摂取するのが望ましいとされるビタミンCは100mgですから、1日2個のみかんで2/3をクリアできることになります。
美肌パワーその2 β-クリプトキサンチンで肌が元気に!
「みかんの成分で特に注目されているのが、β―クリプトキサンチンです。これは、にんじんに含まれるβ―カロテンと同じカロテノイドの一種で、みかんのだいだい色の色素成分。ビタミンAの原料ともなり、抗酸化力が非常に強いので、たくさん食べると肌や粘膜が正しく機能し、病気にかかりにくくなるといわれています」(安中先生)
β-クリプトキサンチンは、加熱することで体内での利用効率が高くなるという報告があります。「焼きみかん」にすればその作用がアップするかもしれませんね。また、β-クリプトキサンチンは肌の水分量を増やしてくれるという実験データもあり、うるおいのある肌づくりに役立ちそうです。
美肌パワーその3 食物繊維で肌荒れトラブルをストップ!
みかんを食べるときに、内皮(薄い皮や白い筋)は取り除くという方はいませんか? じつはそれ、美肌の素を捨てていることになるのです。
「みかんの内皮や筋は食物繊維が豊富です。食物繊維は腸内環境を改善し、便秘を予防してくれる栄養素。便通がよくなれば体内の老廃物が排出されやすくなり、美しい肌づくりにもつながります」(安中先生)
これまで内皮などを苦手に感じ、むいていた人は、「焼きみかん」をぜひ試してみてはいかがでしょう。加熱され、やわらかくなるため、食べやすくなります。内皮の食物繊維で腸内環境が整い、吹き出ものや肌あれといった肌トラブルが起こりにくくなります。
まるで焼きいも!?な「焼きみかん」って?
「焼きみかん」とは、読んで字のごとく、焼いたみかんです。外皮をつけたままオーブントースターや網焼き器でじっくり加熱し、焦げ目がついたらできあがり。生のみかん同様、外皮をむいて食べます。昔から、みかんの産地ではおやつやかぜをひいたときの民間薬として親しまれていましたが、近年SNSの発達によって全国に知られるところとなったようです。焼き上がりの香りや風味はまるで焼きいも、なのにジューシー! という驚きのおいしさで、人気も広がっています。温められることでみかんのツブツブ感はなめらか、酸味はまろやかになり、甘味も増して感じられます。
みかんに含まれる果糖は、体脂肪になりやすいというデメリットもあります。毎日食べるなら、1日2個、多くても3個を限度にしましょう。また、ほかのお菓子やごはんなどの糖質は控えめにするように心がけてくださいね。
みかん、そして「焼きみかん」のパワーで、乾燥知らずの美肌をめざしましょう!
文/本間美加子