6月は梅雨のだるさを感じやすい時期ですが、じつはここ数年、5月病ならぬ“6月病”が増えているとのこと。やる気が起きない、眠りが浅い、集中力の低下といったサイン、出ていませんか? そこで今回は6月病の症状を「ジューン・シック・シンドローム」と名づけ警鐘を鳴らす、心療内科医の姫野友美先生に解説いただきました。
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6月病は自律神経の乱れが大きな要因
夏前のジメジメと蒸す梅雨時は、湿度や気圧の変化で自律神経に負担がかかりやすくなります。姫野先生のクリニックでも6月から7月にかけて「6月病」の患者さんが増える傾向にあるそうです。
「6月に入ると、私のクリニックでも心身の不調を抱える患者さんが急に増えてきます。新生活が始まって2か月、5月まではなんとか乗り切れたものの、その間の小さなガマンが蓄積し、さらに湿気の多い梅雨時期も重なり、6月以降に急速に心身の不調に陥ってしまうのです」(姫野先生)
気をつけたいのは症状が長期間続いてしまうこと。6月病の患者さんは改善と悪化をくり返しながら、やがて慢性的になってしまうこともあることから、「“うつの始まり”ともいえる」と姫野先生。特に新社会人など環境がガラッと変わった人は要注意です。
こうした症状が増えた背景については、スマートフォンなどによる“脳疲労”も一因に。
「スマホの普及で情報過多になっている現代では、情報を処理するために脳は神経ネットワークをフル回転させています。脳疲労を起こし、自律神経がうまく機能しなくなることも6月病の引き金になると考えられます」
あなたは大丈夫? 6月病チェックリスト
心と体に不調が出る6月病。今のあなたの状態をチェックしてみましょう。6個以上、当てはまったら注意が必要です。
〈心の状態 〉
□ やる気が起きない
□ ネガティブ思考になる
□ 集中力が低下し、ぼーっとする
□ イライラしたり不安や焦りを強く感じる
□ 人と会うのがおっくうになった
〈体の状態〉
□ なかなか眠れない、眠りが浅い
□ 頭痛や肩こりがひどい
□ 動悸、息苦しさ、めまいがする
□ 疲れがとれず、体が重く、だるい状態が続く
□ なんとなく胃の調子が悪い
自律神経を整えて生活向上を!
6月病の大きな原因は自律神経の乱れ。自律神経には交感神経と副交感神経の2つがありますが、この自律神経の切り替えがうまくいかなくなると、心身にさまざまな不調が現れます。
「自律神経が乱れると、本来リラックスして休息をとる夜にも緊張状態が続いてしまい、結果、脳も体も十分に休まらないようなことも起こりやすくなります。緊張状態が続くと必要以上に栄養素を消費してエネルギーが不足し、気分の落ち込みや不安感が強くなるため、うつ病にもつながりかねません」
6〜7月はできるだけストレスを減らして過ごすとよさそうです。症状の慢性化を防ぐには自律神経を整えることもカギに。そのためには睡眠、適度な運動、バランスのよい食事が大切。次回は自律神経を整える食事のポイントについて見ていきましょう。
文/庄司真紀