FYTTE

Healthcare
CATEGORY : ヘルスケア |睡眠

“疲労蓄積が危険状態”を脱出できるか!? スマートウォッチ機能で睡眠改善にチャレンジ!「Garmin睡眠改善体験会~実践編」参加レポート②

Share
睡眠計測

歩数や心拍数以外にも、血中酸素濃度・睡眠データ・ストレス値などさまざまなヘルスケアデータが計測できる最新のスマートウォッチ。近年は計測値の精度も上がり、取得したライフログを管理することで自分の体の状態を“見える化”することもできます。そんなスマートウォッチを使って、睡眠改善を行う「Garmin 睡眠改善体験会」に参加しました。スリープコーチ・角谷リョウさんの講義を受けたあと(レポート①)、実際にスマートウォッチのGarmin「Venu 3S」を2週間装着。今回は、睡眠データやアプリ機能を活用しながら、どのくらい睡眠が改善されたのかを紹介します!

監修 : 角谷 リョウ (スリープコーチ)

スリープコーチ。大手企業をはじめとする160社、14万人以上の睡眠改善のサポートをした上級睡眠健康指導士。睡眠改善によるオリンピック選手や日本代表選手のパフォーマンス向上もサポートする眠りの専門家。

Contents 目次

体験前の疲労度がどのくらい改善するか?

睡眠の変化は疲労度でチェックします。以下は、体験会の講義中に行った厚生労働省の「疲労蓄積度テスト」です。筆者の結果はこんな感じ 。

厚生労働省 疲労度チェックリスト(体験会で使用した資料より)厚生労働省 疲労度チェックリスト(体験会で使用した資料より)

【厚生労働省 疲労蓄積度テスト】
0~2点:疲労はたまっていない
3~7点:疲労がたまっている
8~14点:疲労がかなりたまっている
15点以上:疲労蓄積が危険状態

体験前の点数は、ぶっちぎりの26点! これはなかなかの疲労度でしょう…。スマートウォッチを使った睡眠改善法で、この実感値が2週間後に一体どのくらい変わるのでしょうか。

Garminの「Venu 3S」で睡眠計測にチャレンジ!

Garmin「Venu 3S」を自分仕様にカスタマイズ搭載されている睡眠スコアと睡眠コーチ機能。自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズ設定する

今回使用するのはGarminの「Venu 3S」。スマートウォッチを使った睡眠改善法では、<睡眠の質を可視化><環境・日常生活の改善>という2つのアプローチが必要です。まずは「Venu 3S」に搭載されている「睡眠スコア」機能と「睡眠コーチ」機能で睡眠の質を可視化していきましょう!

〈夜〉
スマートウォッチを装着して眠ると、睡眠時間や眠りの質を計測してくれます。計測データはダウンロードした専用アプリに追加されていきます(※スマートウォッチ上では、昨晩計測したデータのみが確認可能)。

▼アプリの睡眠スコア機能でチェック
見るべきデータは主に3か所。

① 深い睡眠がとれているか
深いノンレム睡眠の時間が、最低でも30分は必要。理想は1時間30分以上とのこと。

②睡眠スコア
最低でも60点以上、理想は80点以上を目指します。

③中途覚醒回数(時間)
中途覚醒していると眠りが浅い証拠なので、覚醒時間があれば減らすために睡眠環境を整えることが大切。

【6月8日と9日の睡眠スコア比較】

▽睡眠スコアのデータをアプリで確認。スコアは9日のほうがよい。

睡眠スコアのデータをアプリで閲覧

▽でも…詳細で見ると 「深い(深い眠り)」は8日のほうがよい!

深い眠りの比較

8日(左画像)と9日(右画像)では、8日は睡眠時間が短くスコアも低いのに「非常によい」の評価で、深い睡眠がとれているという結果に。睡眠時間が長いからといって深い睡眠が長くとれているかというと、じつはそうではないようです。これは数値で計測されないとわからないですね…!

▽睡眠全体の割合もチェック。8日は睡眠時間に対して深く眠れている反面、途中覚醒している時間もあるので(左下画像)、総合的にはスコアが低いようです。

睡眠全体の状況と途中覚醒の時間8日は中途覚醒時間が28分あるが、9日はナシ

 

棒グラフ棒グラフで見ると、中途覚醒回数もわかる。(ピンクのグラフが途中覚醒)

【睡眠コーチによるアドバイスは…?】
▽9日の睡眠については「さらに1時間10分の睡眠が必要」とのアドバイスが…!

睡眠コーチのアドバイス

「睡眠コーチ」機能では、あとどのくらいの睡眠時間があればベストだったのかをアドバイスしてくれます。このアドバイスも参考にすれば、足りていない睡眠時間は「日中に短い昼寝で補填しよう」と考えたり「体を動かすことで回復を補おう」と1日のスケジュールのなかに「休憩時間」を盛り込んだりして、計画を立てられるようになります。

「ボディバッテリー」と「ブレスワーク」機能を使って日常的に回復を!

ボディバッテリーボディバッテリー機能

<昼間>
続いて日中は、Garmin独自の機能「ボディバッテリー」を活用します。「ボディバッテリー」とは、心拍変動・ストレス・睡眠・消費カロリーの計測データをもとに毎日の活動レベルを分析し、自分のエネルギー残量を教えてくれる機能。数値は5~100 で表示され、そのスコアが大きいほど活動や運動に費やすことのできるエネルギーがあるということです。

▽「ボディバッテリー」のチェック方法

ボディバッテリーのデータはアプリで管理ボディバッテリーのデータはアプリで管理

理想はボディバッテリーの数値が朝「80」以上からのスタートし、夕方の仕事終わりには「20」以上残っている状態を目指します。

筆者の場合、ある日の1日は朝「79」からはじまって、夜寝るときには「17」まで減っています(左画像)。右画像の白い線がボディバッテリーのスコアの流れ、オレンジがストレスレベルです。自分の体力がいまどのくらい残っていて、ストレスがどのくらいかかっているのかを数値やグラフの変化で見ることができ、「思ったより疲れているな」「そろそろ休憩しよう」という目安になります。

ボディバッテリーは何もしなければ減っていきますが、日中に行う回復アクションにより数値が回復します。回復するためには、日常的にブレスワークや昼寝などをすると効果的。

ブレスワーク機能を使えば、リラックスするための呼吸法をアシストしてくれてワークログも残ります(※実際にはスマートウォッチを装着してワークを行います)。

ブレスワーク機能ブレスワーク機能

また、「Venu 3S」には座位1時間の“Moveアラート”の機能が備わっているので、60分以上座りっぱなしの状態が続くと、スマートウォッチが振動して休憩のタイミングを教えてくれます。このタイミングで席を立ってティーブレイクをとるほか、ブレスワークやストレッチをすれば、小まめに回復ができます。

睡眠改善のために取り組みたいアクション

角谷さんによると、睡眠の質を高めるためのアプローチとして、自分に合った枕を使うなど睡眠環境を整えるのはもちろん、質の高い睡眠を得るために、夜はリラックスする時間をつくるなど入眠ルーティンづくりをするのもオススメ。また、睡眠ホルモン「メラトニン」のもとになるセロトニンの分泌をうながすために腸内環境を整えるのも◎。そのほか、特に実践してみたいのが次の2つ。

●朝の目覚め方
眠りの質には睡眠ホルモンのメラトニンが関係。このメラトニンは朝に生成されるセロトンがもとになっています。そのため、朝の目覚めをよくするためには夜の過ごし方も大切ですが、「朝の目覚め方」がより重要に。

●睡眠圧
睡眠圧とは「睡眠を欲している程度」のこと。起きている時間が長くなるほど増加して、睡眠をとると減少します。眠れないときこそ負荷を増やして、アクティブに動くことが大切です。

そこで筆者は、体験中の睡眠改善策として特に次のアクションを実行してみました。

【体験中に実践した睡眠改善アクション】
・7000歩以上歩く(朝の目覚めの改善/睡眠圧の改善)
・朝食を食べる(朝の目覚めの改善)
・空気を入れ替える(朝の目覚めの改善)
・夕方以降うたた寝をしない(睡眠圧の改善)
・夕方以降カフェインを飲まない(睡眠圧の改善)

さらに、ふだん座り仕事で運動することが少なく、夜ぐっすり眠れないのはそもそも体が疲れていないから!ということで、体験期間からウォーキングをしてみることに。スマートウォッチのウォーク機能と万歩計を活用。

ウォーク機能

ウォーク機能とは別に日々の歩数を計る万歩計の機能もあるので、そちらを参考にしてもいいですね。1日の歩数目安は4000~7000歩。意識して歩いてみるだけでも、運動量はかなり変わります!

睡眠改善体験の2週間が終わった結果はいかに…?

厚生労働省 疲労度チェックリスト(体験会で使用した資料より)厚生労働省疲労度チェックリスト(体験会で使用した資料より)

2週間の体験を終えて再度疲労度チェックを行います。その結果…合計7点(睡眠改善前は15点以上の疲労蓄積が危険状態でした)と大幅に改善!

実際には、体験前と体験後で睡眠時間は変わっていないのですが、よく眠れない感じや昼間の眠気が改善しました。朝起きたときの疲れも軽減したので、各項目では「ほとんどしない」にチェック。憂うつ感が減り、心なしかメンタルの状態にもよい影響になっていると思いました。

筆者がこの2週間で特に意識したことと、日常に追加したアクションのなかで、大きな変化はウォーキングなどの軽い運動と朝食です。

歩数を稼ぐために階段を使ったり、ひと駅分歩いたりと、意識して歩くようになったことで日常的な運動量が増えました。

歩数歩数のグラフ

体が慣れてくるとプラスアルファでもう少し体を動かしたくなり、1週間に1~2回はヨガも行いました。また、朝食の時間を決めてどんなに夜遅くても毎朝同じ時間に起きるようにしたことも改善につながったのかもしれません。そして気づいたのは、コーヒーはただの習慣で、意外と飲まなくても平気だったこと。夕方以降はお茶や水でも、眠気や疲れの感じ方は、コーヒーを飲んでいるときと差はないように思いました。

そのほか、セロトニンのもとになるバナナや卵、ヨーグルトなどの食材は朝食で食べるようにもしてみました。朝食を始めるとお腹が空く時間が前倒しになるのか、夕食の時間が早まり、結果的に夜胃腸が休まる環境も整えられて一石二鳥でした。

睡眠改善のための行動をとろうと思っても、継続できずに3日坊主になりがちですが、スマートウォッチをつけていることで自分の体の状態が“見える化”され、「もう少し続けてみよう」という気持ちにさせてくれます。休憩が必要なタイミングでアラートも出してくれるので、自分で時間の管理をしなくてもよく、負担を軽減しながら日常を過ごすことができるのも魅力でした。

みなさんも、睡眠計測データなどをうまく活用することで、湿気や暑さで寝苦しい夏の睡眠改善にぜひ取り組んでみてはいかがでしょう。

体験会で使用したスマートウォッチ


Garmin「Venu 3S」
https://www.garmin.co.jp/products/wearables/venu-3s-frenchgray/

取材・文/番匠郁

 

連載・関連記事

関連記事

  1. Healthcare“過覚醒”の現代人に必要なのは睡眠&回復! スリープコーチ・角谷リョウさんがレクチャー!「Garmin 睡眠改善体験会」参加レポート①

    “過覚醒”の現代人に必要なのは睡眠&回復! スリープコーチ・角谷リョウさんがレクチャー!「Garmin 睡眠改善体験会」参加レポート①

    0
  2. Healthcareいびきの騒音問題から自分に合う枕まで、睡眠環境の改善にチャレンジ! 1年間試行錯誤したその結果は…? 週末よもやま

    いびきの騒音問題から自分に合う枕まで、睡眠環境の改善にチャレンジ! 1年間試行錯誤したその結果は…? 週末よもやま

    0
  3. Healthcare年々注目度が上がるリカバリー&リフレッシュアイテム! 人気商品3つを編集部がお試し

    年々注目度が上がるリカバリー&リフレッシュアイテム! 人気商品3つを編集部がお試し

    0
  4. Fitness6月6日はロールの日! 疲れた体をすっきりケアするドクターエアのロールアイテム2選 #Omezaトーク

    6月6日はロールの日! 疲れた体をすっきりケアするドクターエアのロールアイテム2選 #Omezaトーク

    0

おすすめの記事PICK UP