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ほてりは重症化した冷えのサイン。足刺激テクニックで血流をよくすれば夜もぐっすり眠れる!
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、就寝時に足のほてりが気になって眠りにつきにくく、夜中も何度も覚醒してしまうのが悩みです。じつは『ほてり』は見逃してはいけない体の不調のサインなのだとか。その理由と、不眠を解消するための足刺激テクニックをご紹介します!
Contents 目次
足指がまっすぐの人は感情豊かな性格の持ち主
今回のモニターは、コンシェルジュの仕事をしている50代前半のほっぺさんです。きよみ先生のサロンまで片道20kmの距離を、自転車をこいできたほどのパワーの持ち主ですが、どんな不調でお悩みなのでしょうか。
ほっぺさん:「不眠で悩んでいます。布団に入ると足がほてってしまい、シーツの冷たいところを探しながら眠るような感じで、夜中に何度も起きてしまいます」
さっそくきよみ先生に足相を見ていただきましょう! 先生が最初に注目したのは、ほっぺさんの指の状態です。
きよみ先生:「ほっぺさんは指がまっすぐですね! このような指の人は、素直で豊かな感性をお持ちの方が多いのですよ。ほっぺさんは、見るもの、聞くもの、出会った物事に対して、淡々とというよりは、感情豊かに受け止めるほうではないですか? 映画などを観て、感情移入しやすいとか…」
ほっぺさん:「たしかに友だちにも感情表現が豊かだと言われることが多いな、と思います」
●指がまっすぐにのびている人は感情表現が豊か
指の状態はその人の人柄を表すことが多いのだそう。ほっぺさんと同じように指がまっすぐに伸びている人は、感情表現が豊かな人と言われることが多いのではないでしょうか?
また、足裏についた角質にも意味があるそうです。
きよみ先生:「ほっぺさんの両足裏には、真ん中に角質がついています(下の画像の丸囲みの部分)。これは両足にしっかりと力を入れて立っていることの表れです。精神的にいつもアクセルを踏んでいて、とてもがんばり屋さんの性格のようですね」
ほっぺさん:「歯医者さんにも食いしばりを指摘されて、こんなにがんばっている人は見たことがない、と言われました(笑)」
●左右の足裏についた角質(丸囲みの部分)
角質の状態からも、性格が見えてくるのですね! 左右の足裏の同じ場所に角質がついている人は、がんばり屋さんの傾向があるかもしれません。
冷えが重症化した『ほてり』は不眠の原因にも
きよみ先生:「それから、冷えも気になりますね。ご自身で冷え性だと感じませんか?」
ほっぺさん:「今まで施術を受けに行ったサロンなどでも、冷え性だと言われたのですが、自分では自覚がないのです。寝るときも足がほてって眠れないくらいなので…」
きよみ先生:「ほてっている状態というのは、じつは冷え性の中でもっとも深刻な状態なのですよ。冷えによる血流の悪さがさまざまな不調につながってしまいます」
ほっぺさん:「夜眠れないのが悩みなのですが、それも血流の問題なのでしょうか」
きよみ先生:「冬に、足もとに暖房の入った電車に座っていると眠くなりますよね。人は温かくなると眠くなるのですが、血流が悪いと眠りにつきにくくなってしまうのです。ほっぺさんはほてっているために暑いと感じているかもしれませんが、実際はとても冷えている状態なので、それが睡眠の妨げになっているようですね」
また、親指の先にも気になる足相があるようです。
きよみ先生:「親指の先にしわがたくさんありますね(下の画像の丸囲みの部分)。親指には脳に対応したゾーンがたくさんあります。ここにしわがあるということは、脳が興奮状態にあることを表します。この状態のままでは眠りにくくなってしまうので、こまめに指先のマッサージをして、親指をほぐしてあげるといいですよ。脳をリラックスさせて休ませることができます」
●親指の先のしわ
足相から、ほっぺさんの不眠は、冷えが重症化した『ほてり』と、脳の興奮状態によって起こっていることがわかりました。
ほかにも、ほっぺさんは生理が2週間近くも続くことが気になっているそうです。
きよみ先生:「生殖器のゾーンであるかかとの色を見てください。赤黒い色をしていますね。ほっぺさんの場合、今は更年期真っただ中ですので、子宮がデトックスをしようとしている状態です。今はダラダラと生理が続いているそうですが、20代の頃の生理は、今よりも経血量が少なく軽かったのではないですか?」
ほっぺさん:「はい、そのころは少なかったです」
●かかとの色が赤黒い
きよみ先生:「もちろん生理が重くて気になる場合は、専門機関を受診してほしいのですが、私の長年の臨床例では、若いころに生理が軽かった人は、更年期で生理が重くなるという傾向があります。反対に若いころ生理が重かった人は、更年期で軽くなるといったように、結果的にバランスを取るようになっている人が多いと感じています。生理のトラブルがあるときは、生殖器のゾーンを刺激して子宮の血流をよくし、デトックスする力をサポートしてあげましょう」
血流をよくして、不眠や生理の不調を解消する足刺激テクニック
今回は、血流の悪さによって不眠が起きている人や、生理のトラブルを解消したい人におすすめの足刺激テクニックをご紹介します。
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒や指の関節の角を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【親指全体を刺激】
親指の腹には、脳と対応するゾーンがたくさん集まっています。夜寝る前に親指をよくもむと、脳がリラックスして眠りにつきやすくなります。しっかりと刺激をするなら、指圧棒を使うのがおすすめです。親指にしわがある人は、しわを伸ばすようにしっかりと刺激しましょう。
【指先を刺激】
足の指先には前頭洞のゾーンがあり、ここを刺激すると全身の巡りがよくなります。指の関節の角を当てたり、指圧棒の先を当てたりして、もむように刺激し血流を促しましょう。
●前頭洞のゾーン
●指圧棒の先を指先に当てて、もむように刺激する
【かかと全体を刺激】
かかとには、かかとの真ん中、外側、内側の3か所に生殖器に関連するゾーンがあります。生理のトラブルがある人は、かかとの3か所のゾーンを念入りに刺激しましょう。
足裏のかかとの部分は、生殖腺(卵巣)のゾーンです。この部分に指の関節の角や、指圧棒の先を当てて、ゴシゴシとこするように刺激します。
●生殖腺(卵巣)のゾーン
かかとの外側にも生殖腺(卵巣)のゾーンがあります。また、かかとの内側は子宮のゾーンです。この部分に指の関節の角や、指圧棒の先を当てて、ゴシゴシとこするように刺激します。
●かかとの外側(卵巣)と内側(子宮)のゾーン
●かかとの内側に指の関節の角を当てて刺激
ぐっすり眠るための養生法
きよみ先生:「体が冷えていると眠れなくなってしまいます。ほてっていると体が温かいと勘違いしやすいのですが、じつは体の中はとても冷えている状態です。手のひらで足をさわって、手のほうが温かいと感じたら、体は冷えています。ふだんから体を温めるように心がけてみましょう!」
ほてっていると冷たい飲みものを飲みたくなりますが、なるべく温かい飲みものに変えて体の中を冷やさないようにするといいそうです。
また、お風呂に入るときは、湯船につかって温まるのがおすすめですが、苦手な場合は、足先にしばらく温かいシャワーを当てるというやり方もあります。足の指先を温めるだけで、全身がぽかぽかと温まってきますよ。
きよみ先生:「足刺激を寝る前に行うのも効果的です。足が温かくなると自然と眠たくなってくるはずです。ぜひ試してみてくださいね」
巡りがよくなり指先からかかとまで自然なピンク色に!
足刺激前後の足裏の変化を確認してみましょう。ほっぺさんは自転車で来たこともあり、足刺激前の足は興奮状態を示す赤い色をしていました。また、かかとは巡りの悪さを示す赤紫色でした。一方、足刺激後の足色は指先からかかとまで、とてもきれいなピンク色に変化し、巡りがよくなったことがわかります。
●足刺激前
●足刺激後
ほっぺさん:「指先を刺激してもらったら、体がどんどん温まってくるのがわかりました。足刺激前の足と比べたら、足の肌が別人のようにきれいになっていて驚きました。まるで若いころの足みたいです! 先生の手をすごく温かく感じたので、それだけ冷えていたのだな、と実感しました」
きよみ先生:「血流がよくなったことによる温かさと、ほてりの違いをわかっていただけたようでよかったです」
最後にほっぺさんに、足相診断を受けた感想を聞きました。
ほっぺさん:「足を見るだけでいろいろなことを言い当てられ、とても驚いています! はじめて足刺激を体験しましたが、足裏のほてりが落ち着き、帰宅後もほんわかとした温かさを両足裏で感じています。今日は自転車で往復40km走って足相診断に伺ったのですが、帰宅後は今まで感じたことのない全身の疲労感を感じてお昼寝をしてしまいました。観光地などで100km走ってもここまで疲労感を感じたことはありません。きっと好転反応ですね!」
足刺激後は体のデトックスが促され、たまっていた疲れがどっと出てくることがあります。ほっぺさんの疲労感も、足刺激の効果のようですね!
これから3週間の足刺激体験で、ぐっすり眠れるようになるといいですね! 次回記事では、体調や足相の変化をくわしくお伝えします。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
鈴木きよみ先生の足相学メソッドをまとめた書籍の第2弾、『歩ける寿命を100歳までのばすなら足裏が9割』が刊行されました!
足裏から体も心も健康になることを目指す“足ウェルネス”という考え方を発信し続けている鈴木きよみ先生。先生の考える「健康」の究極たるところが、100歳まで、いや100歳を超えても、とにかく人生最期まで元気に自分らしく生きること。それはつまり”歩ける寿命“をのばすことなのです。
この本には、いくつになっても足裏をケアして、しっかり歩ける足をつくるためのメソッドがつめこまれています。シニア向けの本ではありますが、シニア世代ではなくても、足裏の大切さが改めて感じられ、同時に、足裏のケアを実践できる内容となっています。
3年前に鈴木きよみ先生の足相学のメソッドをまとめ、現在も大好評発売中の『すべての不調は足裏をみればわかる!』と同様、初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身や大切な人の体調管理を足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。