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乾燥によるせきとおさらば! のどを潤すのに最適なお茶とプラスαのアレンジとは?

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乾燥によるせきとおさらば! のどを潤すのに最適なお茶とプラスαのアレンジとは?

Part1では、秋冬に風邪を引きやすい「風寒タイプ」の風邪の特徴とおすすめのお茶について解説しました。続くPart2では、秋冬に不調を抱える人も多い「のど」に注目。乾燥による「のど」の渇きを潤すお茶の種類とその飲み方について、引き続き漢方養生指導士 漢茶マスターのロン毛メガネさんに解説していただきます。乾燥によって体調を崩しやすい今の季節にぴったりのお茶とは?

監修 : ロン毛メガネ

香港出身で、東洋医学を生業とする家系に生まれ育つ。漢方養生指導士、漢茶マスター、漢方養生指導士 薬膳マスター、国際中医専門員、国際中医薬膳管理師など複数の資格を生かし、薬膳や東洋医学の基礎知識をわかりやすく発信している。「皆さんが自分のお医者さんに」をモットーに掲げ開始したYouTubeは、いまや登録者数10万人超える人気チャンネル。2022年には漢方養生ライフスタイルブランド「澄善堂」を立ち上げ、身近で日常的に取り入れやすい商品を開発、プロデューサーとしても手腕を発揮している。スマッシュヒットとなった著書『読むだけ心と体が元気になっちゃう漢方養生の本』(大和書房)の他に、『心と身体の不調がやわらぐ お茶でゆる~りセルフケア大全』(大和出版)など、お茶による養生については漢方界を牽引する存在。
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCdSyQIiN9JOiRlqGfds8O_Q
澄善堂:https://www.chozendo.jp/

Contents 目次

のどに違和感アリ? 乾燥から体の不調を引き起こす「乾燥タイプ」とは

「気温が下がると空気中の水蒸気が減ってしまうため、朝晩に冷え込めば冷え込むほど空気は乾燥します。さらに秋冬は湿度も低下。室内も暖房によって乾燥しがちで、体から水分が失われやすい要因ばかり。そもそも“乾燥という邪気”が強い季節なので、氣が弱っていると風邪を引きやすくなってしまうのですが、特にこの時季のどに違和感を覚えやすいタイプは、東洋医学でいう「乾燥タイプ」が多く、以下のような特徴があります」(以下、ロン毛メガネさん)

乾燥タイプは、水分をとっても体が乾いている感じがなくならないことも多いようで、症状が重くなれば、肌や髪の毛まで乾燥することもあるそう。

乾燥タイプが「飲むといいお茶」&「避けたほうがいいお茶」

季節要因も作用することで、さらに乾きやすい状況にある「乾燥タイプ」は、どのようなお茶を飲むとよいのでしょうか。

「秋冬はもちろん、年間を通して乾燥しやすいタイプには、なつめ茶や桑の実茶、西洋人参茶、クコの実茶、いちじくのフルーツティなどがおすすめです。いずれもあまりなじみがないお茶かと思いますので、もし手に入りにくい場合には、ウーロン茶でもOK。体を潤してくれます」

澄善堂の食べるハチミツ「潤うるう」(ナツメ、クコの実、サンザシ、国産ハチミツ)

さらに味が飲みにくい場合やもっとのどを潤したい人は、お茶にハチミツを追加するといいそう。

東洋医学では、ハチミツは肺をうるおしてせきを止める効果があると考えられています。これは、薬用として利用できる植物や動物、鉱物の形態や産地、効能などの研究を行う“本草学”という学問のうち、中国を代表する研究書『本草綱目(ほんぞうこうもく)』の中でも書かれています。ハチミツは“潤燥”なので乾いた状態を改善し、肺を潤してせきを緩和させるほか、大腸にも同様に潤いを与えて、便通をよくするといった効果が実際に記載されています」

自然な甘みで、のどにもよく作用するというハチミツ。そんなハチミツですが、選び方についてロン毛メガネさんは次のように注意喚起します。

「お茶にハチミツを加えるアレンジ自体はおすすめですが、ハチミツを選ぶ際は“純度100%”かどうかを必ずチェックしましょう。成分表を見ると、砂糖や添加物で甘みを加えているものもあり、そういうハチミツを選ぶと砂糖で体を冷やしてしまうかもしれません。甘いばかりで本来の効果を感じにくくなってしまう恐れもあります。また、今回、乾燥タイプにいちじくのフルーツティをおすすめしましたが、いちじくにもハチミツと同じように肺と大腸を潤す効果があるので、乾燥による熱を冷やしてくれる効果があります」

余計なものをとらないためにも、成分表示はしっかりと確認することが重要ですね。ここまでおすすめのお茶と飲み方を教えてもらいましたが、逆に、乾燥タイプの人が避けたほうがよいお茶もあるのでしょうか。

「乾燥タイプは生姜が入ったお茶は避けたほうがいいでしょう。生姜は熱を発して体温を上げてくれますが、体の潤いや水分を消耗させる力があります。そのため、乾燥しやすい人が生姜湯を頻繁に飲むと、のどの炎症が悪化したりニキビなどの肌荒れにつながるかもしれません。適量を少し飲む程度で抑えておきましょう」

「たくさん飲めば潤う」は間違い? 飲むタイミングと摂取量は「乾燥」に関係しているの?

乾燥していると、異様にのどが渇いたり体が水分を欲しやすくなりますが、そもそも1日の間ではどの程度お茶を飲んでもよいのでしょうか。

「お茶にもカフェインは含まれていますが、カフェイン含有量が比較的多いといわれるウーロン茶やプーアル茶でも、1日3~4杯程度なら飲んでもOKです。ウーロン茶の場合は、4~6杯までは許容範囲ですね。ただしカフェインに敏感な人は、お茶だとしても寝る前に飲むことは避けたほうがいいでしょう」

寝る前のお茶はリラックス効果がある一方で、カフェインをとり過ぎないようにしないといけないですね。また、Part1で、胃酸が薄まってしまうなどの理由で「お茶は食事中には飲まない」とロン毛メガネさんは話していましたが、食後以外ではどの時間帯に飲むのがおすすめなのでしょうか。

「東洋医学の考え方に『子午流中』という“体内時計”のような概念があります。臓器時計は体内時計の一種で、“1日のうち2時間ごとに活動が優位になる経路/臓腑がある”という考え方です。そこで、お茶を飲むなら、膀胱の経絡が活発になる15〜17時に意識して水分をとることで代謝され、午前中に溜まった不要なものを出す働きがあると言われています。また、朝5〜7時に白湯を飲むとデトックス効果があるため、まだ寝ている五臓六腑や体をやさしく起こしてくれます。ほかにも、9時〜11時は土属性にあたる“脾”(消化吸収/気血の生成や巡りにかかわる五臓)の経絡が活発になる時間帯。水を飲むことで土が潤うと考えるので、乾燥しやすい人は、これらの時間帯を意識して水分をとってみるのはいかがでしょうか」

お茶を飲むのにベストな時間帯のほか、飲む量についても気になるところ。やはり水分はより多くとったほうがいいのでしょうか。

たくさん飲めばいい、ということはありません! 巷でいわれている“美のために1日3L”の水分は、実際は飲みすぎです。食事でも水分はとれているので、水やお茶でとる水分は概ね1.2L~1.5Lくらいで十分ですよ。飲むときはカブ飲みせずに、胃腸の負担にならないようこまめに飲むことが理想的です」

普段何気なく飲んでいるお茶ですが、飲む量やタイミングも大切だということがわかりました。今後はお茶の効果を最大限受けられるように、意識して飲んでみると変化を感じとれるかもしれませんね。続くPart3では、秋冬にもかかわるアレルギー対策におすすめのお茶の種類や、その飲み方についてお話していきます。お楽しみに!

取材・文/番匠郁 構成/FYTTE編集部

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