
女性の健康は、ライフステージごとに大きく変化し、特に更年期には多様な症状が現れます。しかし、その症状は人種や生活環境によって異なり、一律の対策では対応しきれません。大塚製薬は、科学的根拠に基づく製品開発や啓発活動を通じ、個々のニーズに合った健康サポートを提供しています。更年期症状の違いや最新の研究、日本と海外の取り組みについてご紹介します。
Contents 目次
女性の健康を支える大塚製薬の挑戦
現代社会において、女性の健康は重要なテーマのひとつです。特に、キャリアと家庭を両立しながら健康を維持することは、多くの女性にとって大きな課題となっています。
大塚製薬は、「トータルヘルスケアカンパニー」として、グローバルでの女性の健康事業の取り組みと今後の展開についてセミナーを開催。
大塚製薬の取り組みとともに、更年期症状に関する最新の知見をご紹介します。
国によって異なる? 更年期症状の意外な違い
女性の健康を考える上で、ライフステージごとの体の変化は無視できません。特に、更年期は女性の人生において大きな転換期であり、ホルモンバランスの変化によって多様な症状が現れます。
しかし、驚くべきことに、更年期の症状は人種や地域によって異なることがわかっています。
「米国で行われた全米女性の健康に関する研究調査(SWAN)によると、黒人やラテン系の女性はホットフラッシュや発汗といった症状を強く感じる傾向があり、一方でアジア人女性は比較的軽度であることが報告されています。これは、遺伝的要因だけでなく、食事・生活習慣・文化的背景が影響を与えていると考えられています」
そう語るのは、大塚グループのボナファイドヘルス社(米国)のチーフメディカルオフィサーで婦人科医のアリッサ・ドウェックさん。
例えば、日本では大豆を多く摂取する食文化が根付いており、大豆イソフラボンがエストロゲン(女性ホルモン)と似た働きをするため、更年期症状を軽減する可能性があると指摘されているそう。
このように、更年期症状の経験は一律ではなく、個々の背景に応じた対策が必要です。大塚製薬は、科学的根拠に基づいた製品開発を進めており、個人差や人種差をふまえた健康ソリューションを提供することを目指しています。
ホットフラッシュだけじゃない。更年期のサインの認知向上へ
更年期症状といえば、「ホットフラッシュ(のぼせや発汗)」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、じつは関節の痛みや手指のこわばりも、更年期の症状のひとつとして認識されています。
特に日本では、更年期に伴う手指の痛みが「年齢によるもの」や「単なる疲れ」として見過ごされがちであり、適切な治療を受ける人が少ない現状があります。
大塚製薬ニュートラシューティカルズ事業部佐賀栄養製品研究所所長の上野友美さんによると、「日本では、更年期に伴う手指の痛みが『年齢によるもの』や『単なる疲れ』として見過ごされがちであり、適切な治療を受ける人が少ない現状にあります」と指摘。
実際、大塚製薬が行った調査によると、日本の更年期女性は、産婦人科よりも整形外科を受診することが多いことがわかっています。しかし、これまでは「更年期症状が関節の痛みに関与している」ことが十分に認識していないケースも多く、結果として診断や治療が遅れることがあったのだそう。
大塚製薬は、こうした問題を解決するために、医療従事者と連携し、更年期症状に関する認知向上のための啓発活動を展開してきました。更年期症状はホットフラッシュだけでないという認知拡大が生活者のQOL向上に寄与しており、日本での成功事例を活かし、米国市場においても更年期の悩みと実態を把握した上でさらなる展開を進めることで、グローバルに女性の健康のサポートを強化していきます。
これからの女性の健康支援—未来への展望
大塚製薬は、女性の健康を支えるためにエクオール含有食品などの製品を開発し、市場を拡大しています。また、ボナファイドヘルス社やユコラ社と連携し、米国市場への展開を加速。科学的根拠に基づいた製品開発を進め、個人差や人種差をふまえた健康ソリューションを提供することを目指しています。
更年期だけでなく、PMS(月経前症候群)などさまざまなライフステージごとに健康ニーズが存在しており、それらの健康課題に対しても、適切なサポートが求められています。個々の違いを理解し、科学的データに基づく製品やサービスを提供することで社会課題解決につなげていきたいと考えています。
女性の健康は、キャリアや家庭の両立にも深く関わる大切なテーマです。自分自身の体の変化を正しく知り、適切な対策をとることが、より充実した人生につながるのではないでしょうか。
大塚製薬のような企業が、女性の健康を包括的にサポートすることで、私たちひとりひとりの未来がより明るくなることを期待したいです。
取材・文/FYTTE編集部