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楽しみながら鍛える「フェムテックダンス」とは? 現代人が悩むセックスレス問題と解決策を考える

一般社団法人日本フェムテック協会(以下、日本フェムテック協会)が、フェムテックやフェムテラシーをテーマにした「ランチタイムウェビナー」を毎週火曜12:00~12:30に定例開催中。今回は、そのアーカイブの中から、「フェムテックダンスがもたらすウェルビーイング~骨盤底筋は女性の健康の要~」をピックアップ。日本フェムテック協会の代表理事関口由紀さんを進行役に、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんに、フェムダン(=フェムテックダンス)や夫婦間のリアルな寝室問題についてお話いただきました。その内容を紹介します。
Contents 目次
セックスレスはフェムゾーンの悩みも関係している?
関口:まずは自己紹介をお願いします。
三松:私は恋人・夫婦の相談所という20年以上続く相談所で、恋の悩み、結婚の悩み、夫婦問題の悩みを解決するサポートをしています。
その中でも専門ジャンルは寝室問題です。セックスレスという言葉が最近さわがれていますが、話題になる以前から私なりにスポットを当てて相談所をやっています。セックスレスの原因をちゃんと調べていくうちに、セックスはコミュニケーションの問題だけでなく、実際には“フェムゾーン”のトラブル(男性であればEDなど)も関係していることに気づきました。
たとえば、「尿もれするからセックスをしたくない」「パートナーに気持ちよくないと言われたからセックスしたくない」ということもセックスレスの原因になると思っています。ですので、私はフェムゾーンという言葉が出る前から、骨盤底筋の運動や鼠経部(そけいぶ)や大陰唇のマッサージをアドバイスしていたのですが、最近やっと時代が追いついて、フェムテックというジャンルが出てきたという印象です。
その後フェムテックに特化した会社を立ち上げ、事業の一環として、FemDan(フェムダン)というフェムテックにマッチした骨盤底筋を鍛えるダンスを開発しました。
骨盤底筋を鍛える「フェムダン」3つのポイント 
関口:「フェムダン」とはどのようなダンスなのですか?
三松:「フェムダン」はフェムゾーンを鍛えるダンスです。では、そもそもなぜフェムゾーンを鍛えるのでしょう? それは、先ほども話したように生理痛や性交時に痛みを感じるなど、女性特有の悩みを解決するために、腟周りや骨盤、鼠経部を含め、その辺りを意識してケアをすることが大切だからです。
「フェムダン」は「腟」「ウエスト」「ヒップ」の3つの引き締めPOINTがあります。もちろん腕や脚なども動かしますが、主にここに意識を集中して行うのが特徴です。
尿もれなどの症状で泌尿器科や産婦人科の先生に相談すると、ケイゲル運動をすすめられることもありますが、少し動きが地味で、楽しさを感じられないので毎日続かないということもあります。また、私自身ダンスが好きなので、楽しみながら継続させたい!という思いもあり、骨盤底筋を引き締めるダンスを開発しました。
関口:ジョギングなんかでも10~20分ほど走ったあとにアドレナリンが出ますが、ダンスは比較的気持ちがいいため、アドレナリンも早くから出るのではないかな、と思います。
三松:そうなんです! 看護師や医師がいらっしゃるときはビフォーアフターとして血圧を測ります。モニターの人に2か月数値を測っていただいたところ、なんと全員血圧が上がり、尿もれに悩んでいた女性のほとんどの人の症状が改善しました。
また、不眠の症状もよくなり眠りの質が上がったり、一部の人はフェムダンをすることで自信がついてきて、ウエアの丈がだんだん短くなったりという変化もありました。
関口:日常生活から離れて、自分を解放する感じがいいですね。
三松:ダンスは楽しくて汗もすぐかきますし、本当いいと思いますよ! もちろんダイエットにもいいですしね。
フェムテックブームになってアイテムがすごく増えましたが、実際に腟のマッサージをしても骨盤がそこまで締まるわけではないように、やはり私はケア+運動をしないとダメだと思います。
そういう意味で、フェムケアと運動をうまく組み合わせてこそ、上等な膣ができあがるのではないかと思うのです。
関口:「保湿」と「運動」ですよね。
三松:はい、保湿と運動がフェムケアで大切な2大ケアです。私は由紀先生のクリニックでいつも買っている女性ホルモン入りのLUNAPRIDEシリーズのオイルでケアをして、プラスで運動をしているのですごく調子がいいです。65歳ですが、孫とも元気に遊べますし、毎日ジョギングもしています。フェムテックで「フェムダン」やフェムケアを意識するようになって、ますます元気になったと思いますね。由紀先生も運動をしていらっしゃいますよね?
関口:そうですね。むしろこれからもっと増やそうかと思っているくらいです。結局80歳や90歳になっても、自分で動ける体さえ持っていれば自由ですが、歳をとればとるほど、食事と運動が重要になりますよね。
三松:そうですよね。とくに運動に関しては、テストステロン研究会で由紀先生と一緒に勉強をして、じつは女性にも大事だということを学びましたので、そちらはまた別のセミナーでお話させていただきたいですね!
自分の欲求を言えない女性が多数! セックスレスのリアルな問題
三松:続いてはセックスレスについてお話させてください。
関口:恋人・夫婦仲相談所の話になりますが、やはり女の人が自分の欲求を言えないのでは?と思います。だからセックスだけではなく、それ以外の夫婦関係が悪くなってしまうのでしょう。
とくに、50歳前後以上の人は、ふだんガマンして自分の欲求を言えずにヒステリックになってしまうというのが、まだまだ日本の場合は多いですよね。
だから、若いときはなかなかできなくても、自分がやりたいことを小出しに旦那さんやパートナーに伝える努力をして、ちょっとずつでも自分の欲求を言わないと、相手もわからないのですよね。
三松:本当にそうですね。また、夫婦間のコミュニケーションは、国民性もあるのかもしれないですね。日本は奥ゆかしさを美徳とする感じがあるため、なかなか女性からは言いにくいですし、逆に男性もそんなに言わないですし。
また、寝室問題の中身そのものについても、「ああしてほしい」「こうしてほしい」「もっと回数を増やしてほしい」というのも、なかなか女性たちが言えないから、こうやって私の相談所に来ることになっているのです。私は、まずはベッドでのコミュニケーションよりも、ふだんの日常の定義のコミュニケーションから改善しないといけないと、ずっとアドバイスをしています。
最近では私たち恋人・夫婦仲相談所のスタッフが寄り添って、マンツーマンでコミュニケーションを教えていくような「オトナのお悩み保健室」を立ち上げました。
関口:それすごくおもしろいですね。私が思うのは、たとえば結婚してから合う人は合うし、50歳ぐらいになったときに「全然性格が違うじゃん!」と思う人もいると思うのです。何か言っても理解力に乏しいパートナーなら、そこで別れるのもありだと思います。じつはコミュニケーションが苦手な男性は、テストステロンが高く、孤独に強いのですよね。
三松:たしかに、テストステロンが高い人は孤独に強いですね。セックスレスの話題に戻ると、フジテレビで「あなたがしてくれなくても」というセックスレスがテーマのドラマが放送されましたが、原作の漫画はなんと1000万部を突破しているのですよね。
内容は恋人・夫婦仲相談所で相談を受けたりメールマガジンで出したりしているような内容がそのまま漫画になっていますが、1000万人の人が買うということは、やはりみなさんセックスレスに興味がある、あるいは悩んでいる。そして、漫画の中の登場人物がこのセックスレスからどう脱していくのだろうみたいなことを考えながら漫画を買って、それが実際にドラマ化されたのかなと思っています。
2024年には、私が監修するセックスレスのショートドラマを制作しましたが、なんとこの4か月で6000万再生の大バズリです。今月は横型ドラマも配信されるので1億再生は目の前です。
実際、私のセックスレスのカウンセリングにとっては追い風ですし、私はこういうことを書こう!って、決心しています。じつは10年以上前に由紀先生と一緒に朝一のテレビでセックスレスの特集をしたときに、“朝からセックスレスを歌うとは何ごとだ”と、少し炎上しました。
関口:現在もあまり変わっていないのでは?
三松:そう、今も変わっていないのですよね。このランチタイムにも、あまり性の話はよくないみたいな風潮もありますよね。だけど、悩んでいる人が多いからこそ、私はお昼時でも取り組んでほしいテーマだと思うのです。
だから、私のアドバイスの中では、「必ずベッドの前でできることがある」と言っています。たとえば、もっと2人のふだんの会話から直したり、旦那さんが何かしてくれたときにお礼を言うときも、目も見ずに「ああ、ありがとー」みたいに言っているようじゃダメだと。
何かしてくれたら、ちゃんと目を見て「ありがとう、助かるわ!」くらい大げさにアクションしていかないと、セックスレスは改善しないと思うのです。もちろんこれは男性も同様です。
関口:たしかに、たとえばイタリア人とか外国人はお礼ひとつにしても日本人から見ると大げさですもんね。
三松:スキンシップもハグやキスと、日本人より全然多いわけで。だから、グローバル化を叫ぶなら夫婦生活も海外をマネするぐらいでいいのではないかと思いますし、日常のコミュニケーションはもちろん、セックスのときもうれしいなら興奮してもいいし、さわいだっていい、とレクチャーしています。
ただ、セックスレスはその人の独自の問題もあるので、その人の性格に寄り添ってカスタマイズすることも大切ですね。
関口:まさにこれからの時代は、多様性に対応していくことが大切になっていきますね。
※本記事の内容は、2023年4月に配信された内容です。一部、新しい情報に更新していますが、最新情報は公式サイトよりご確認お願いします。
「marbleMe」https://www.marbleme.jp/
【登壇者】※2023年4月時点
三松真由美 日本フェムテック協会 顧問 恋人・夫婦仲相談所 所長
「オトナのお悩み保健室」所長
関口由紀 日本フェムテック協会 代表理事 女性医療クリニック・LUNAグループ 理事長 女性泌尿器科医師
【クレジット/協力】
一般社団法人 日本フェムテック協会 スペシャルコンテンツ
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文/FYTTE編集部