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目からウロコ! 歯科医師で歯学博士に聞いた、歯周病の根本的な原因は食事だった!?

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口の中歯周病のイメージイラスト組み合わせ

厚生労働省の『令和4年 歯科疾患実態調査』では、歯周病がある人(15歳以上)は49%。日本人の成人約8割が歯周病、またはその予備軍であるといわれています。年齢が上がるとともに増加する歯周病の患者数ですが、10代からでも歯周病のリスクは存在します。また、毎日の歯磨きや歯科医院での定期的なメンテナンスを行っていても、じつは毎日の食べものが原因で歯周病を悪化させている可能性も…。食事が歯周病の根本原因とはどういうこと!? 
そこで今回は、歯科医師で歯学博士の石川佳和先生に「歯周病の基本。歯周病によくない食事・いい食事」について伺いました。

監修 : FYTTE 編集部

ダイエット専門誌として1989年に雑誌創刊し、2016年よりWEBメディアに。ダイエットはもちろんのこと、ヘルスケア、ビューティなど体の内側からも外側からも美しくかつ健康でいるための体づくりのノウハウを、専門家への取材とともに紹介。“もっと、ずっと、ヘルシーな私”のキャッチフレーズとともに、編集部員も自らさまざまなヘルシーネタを日々お試し中!

Contents 目次

歯周病の基本。どんな病気? どんな症状があるの?

歯周病のイメージ

歯周病…口腔内の病気で体に悪い、多くの人が歯周病の可能性があると知られています。
歯周病についての基本的なこと、どんな病気でどんな症状なのかを石川先生に教えていただきました。

「大学では、原因菌である歯周病菌が歯周囲組織(歯肉、歯根膜、歯槽骨など)に感染することにより起こる感染症であると学びます。また、歯を磨かずに口の中を不衛生にすることで、感染が拡大して歯ぐきが赤く腫れ上がり、出血したり、膿が出たりすることで口臭がより一層きつくなるとも教わります。
以前は膿が歯槽(歯ぐき)から出ることから歯槽膿漏(しそうのうろう)と呼ばれていました。今は歯周病と呼ばれています。

この状態を放置すると、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶かされて、歯がグラグラして抜けることになります。歯が抜けると満足にかめなくなるので、食事がしづらくなり健康が害されることになります。
このようにいうと、毎日ていねいに歯磨きをして、定期的に歯医者さんで歯石とりや歯ブラシ指導をしてもらっているのに、歯周病が再発したり、再発した人を知っているという人が多いと思います」(石川先生、以下同略)

定期的な歯のメンテナンス(クリーニング)や毎日の歯磨きだけでは足りない!ということでしょうか。

「歯周病の根本原因は、歯周病菌の感染症だけではなく、そのほかの原因(要因)も関係しているからです。その原因は、ふだんの食生活にあります。
人や動物は、生きるために食事(ものを食べる)をします。ではバイ菌はどうでしょう。バイ菌もエサを食べて増殖します。そのエサが人や動物が食べた食べものです。バイ菌やカビがとくに好んで食べるのが甘いもの、糖質(炭水化物、糖類、小麦製品など)です。口の中の糖質をどんどん食べてバイ菌やカビが増殖して歯周病を悪化させるのです。

歯周病菌はカビの中に存在しているので、抗真菌薬を使ってカビを壊してから、抗生剤(抗菌剤)を飲むことで、歯周病菌を殺すことができます。しかし、抗生剤の服用によりよい菌も殺してしまうので、善玉菌を一緒に摂取して保護してあげます。また、ビタミンCとB、Dを摂取することと、亜鉛とセレンを飲むと免疫力が正常になります」

腸活の大切さ。歯周病を発症し、免疫力が低下する食べものとは?

胃腸のイメージイラスト

続いて、歯周病を起こしやすく、免疫力が低下する食べものにはどんなものがありますか。また、その理由も教えてください。

精製された小麦や白砂糖、牛乳、体を酸化させる油、添加物、栄養ドリンク、ジャンクフードのとりすぎは、体の中で酸化、糖化、カビの害を引き起こし歯周病を悪化させるだけでなく全身病やがん(炎症)を引き起こすリスクが高まります。

免疫の60~70%は腸内で作られているので腸内環境の悪化は、免疫力の低下を招きます。免疫力の低下は、歯周病菌の活動を活発にするので、歯周病が悪化するだけでなく、不調が慢性化し、全身病の原因にもなります。このため、免疫力を正常に保つためには、口の中のケアだけでなく、腸内環境を健全に保つことが必要不可欠になります。

小麦や牛乳、砂糖のイメージイラスト

精製された日本の小麦は、国産が10%で、あとの90%が輸入品です。
アメリカ、カナダなどは収穫量を多くするために、プレハーベストとしてグリホサートという枯葉剤を収穫前に大量に散布します。そして輸送時にポストハーベストという防腐・防虫剤も大量に散布して運んできます。

このような小麦製品をたくさん食べることで、腸内のディスバイオーシス(腸内環境悪化)を起こし免疫力の低下を招きます。また、輸入小麦は変性された小麦なので、リーキーガット症候群、リーキーブレーン症候群、アレルギー、自己免疫疾患、中毒を起こすリスクがあります。

小麦製品を食べると小麦のグルテンがグリアジンとグルテニンに分解されます。そのとき、ネバネバしたグリアジンが腸粘膜にくっつきとれないので腸からタンパク溶解物であるゾヌリンを出してグリアジンを溶かします。ところが、出しすぎて腸内粘膜のタイトジャンクションを溶かしてリーキーガット症候群を起こします。リーキーガット症候群が起きると未消化の物質や細菌が腸の中に入り込むので炎症が起き異物や細菌、炎症性物質を身体中にばらまくことで病気になって行きます。

精製された白砂糖(砂糖)は、カンジダ菌(カビ)のエサになり、カンジダ菌が増殖することで口の中の環境が乱れます(口腔内ディスバイオーシス)。
また、砂糖の過剰摂取は血液をわずかに酸性にかたむけ、血糖値の乱高下を引き起こします。この血糖値の乱高下が糖尿病を導きだします。

とくに重度の歯周病患者の場合は酸性にかたむいた血液から作られた唾液もわずかに酸性にかたむきネバネバした唾液になります。この唾液と歯周病菌が出す毒素と血中のカルシウム、リンなどが結合して歯石を作ります。この歯石はバイ菌の塊で歯ぐきを刺激して出血させたり、歯周病菌が歯ぐきの中に侵入しやすくします。

唾液が酸性にかたむくと、歯を支えている歯槽骨にも影響を及ぼして歯周病菌が出す毒素や歯周病菌と免疫が闘って出る炎症性サイトカイン(炎症性タンパク質)などによって歯を支えている骨が溶かされて、膿が出て歯が抜ける原因になります。

そして、破れた血管から歯周病菌、歯周病菌が出す毒素、炎症性サイトカインなどが全身の血管に放出されて、血管内で悪さをくり広げます(菌血症)。

また、高い血糖値は、糖化により傷の治りを遅らせたり、組織を変性させて、終末糖化産物(AGEs)を作り出し、体内で活性酸素を放出します。歯周病を悪化させるだけでなく、全身病やがんを引き起こします。砂糖は、常習性(習慣性)、増量性、潜在性があるのでやめられなくなります。

牛乳のカゼインは腸内環境を悪化させる場合があります。
アジア人、とくに日本人は、牛乳の中に多く含まれているα型カゼイン(乳糖タンパク質)を分解する酵素を持っていない人が多いので、牛乳の乳糖を分解できず下痢を起こしてカルシウムを吸収できません。
そうした分解酵素を持たない人が牛乳をたくさん飲むと腸内環境を著しく乱すため免疫力の低下を招き、歯周病や全身病を悪化させ、がんの原因にもなります。

また、吸収できない過剰なカルシウム量を処理するために骨のマグネシウムを大量に消費するためにかえって骨がスカスカになり歯周病や骨粗しょう症の原因になります。

添加物、ジャンクフード、栄養ドリンクのイメージイラスト

添加物。口の中に歯周病菌のいる人が、添加物や遺伝子組み換え食品を食べると、これらは消化されにくいので、腸はリーキーガット症候群を起こしやすくなります。リーキーガット症候群を起こすことで免疫力が低下すると同時に、体の中にとり込まれた歯周病菌などが活発化します。その結果、口臭や歯周病が悪化すると同時に、添加物や遺伝子組み換え食品によるアレルギーや歯周病菌による炎症性タンパク質の相乗効果で、全身病やがんのリスクが増加します。

栄養ドリンクの成分は、ほぼ糖類(白砂糖、ぶどう糖果糖液糖など)と水です。栄養ドリンクを飲むとカフェインなどの影響で一時的に元気になったように脳が錯覚します。しかし、血中の高い糖分は血液を酸性にするので体内のカルシウムを使って正常に戻そうとします。そのとき使われるカルシウムは歯や骨から奪われるので、歯や骨に蓄えられたカルシウムが消費されるとともにマグネシウムも消費され歯周病や骨粗しょう症になりやすくなります。

ジャンクフードは、小麦、砂糖、植物性油脂(トランス脂肪酸、パーム油など)、動物性脂肪、化学調味料、食品添加物などが中心原料の加工食品です。
ジャンクフードは、かむ回数が少なくて済むように加工された食べものです。かむ回数が少ないということは、唾液と混ぜ合わせることが少ないうちに飲み込んでしまうために胃酸分泌が少なくなります。そのため未消化の食べものが腸に送り込まれるために腸内ディスバイオーシスを起こして、腸内環境を悪化させます。腸内環境の悪化は、免疫力に影響を及ぼし免疫低下を誘導します。

また、ジャンクフードに使われる牛肉は、抗生剤やホルモン剤を大量に使用して飼育されたものが多いので、腸内環境の悪化やホルモンバランスの乱れによる病気(前立腺がん、乳がんなど)などの健康被害がもたらされます。

ジャンクフードには、ビタミン、ミネラル系がほとんど含まれないので、栄養が精製炭水化物や体に悪い脂質に偏っています。ジャンクフードを食べ続けると歯周病を誘発し、腸内環境を壊すことにつながります。油はトランス脂肪酸や酸化した油を使用しているので、腸内環境を悪化させます」

非常に興味深い話をありがとうございました。現代人は自炊ができない環境にある人や、便利だからと加工食品に頼りきってしまっている人も多いと思います。日常生活で何気なく食べている食品を選ぶときも、気をつけないといけませんね。

次回は、「自宅でできる改善法9つ」について数回に分けてお届けします。

著書:『歯周病ががんの原因だった 』歯ぐきの腫れに注意! 歯周病菌が全身に病気をつくる仕組みと自宅でできる回復法 /ユサブル

著書:『歯周病ががんの原因だった 』歯ぐきの腫れに注意! 歯周病菌が全身に病気をつくる仕組みと自宅でできる回復法 /ユサブル

■取材協力/監修者:石川佳和(いしかわ よしかず)先生
歯科医師、歯学博士、日本補綴歯科学会専門医・指導医 鶴見大学歯学部卒業、同大学大学院修了 鶴見大学歯学部助手(現:助教)医療法人愛和会桜川歯科医院理事長
Manaka Dental Clinic副医院長
鶴見大学歯学部口腔リハビリテーション補綴学講座非常勤講師 すべての人があたり前に口から食事ができ健康で楽しく長生きできる『健康寿命130歳プロジェクト』主催
1)インプラントと同程度にかめて美しい入れ歯「ミリングアタッチメント金属床義歯」、
2)分子栄養学と血液検査を応用した再発の少ない歯周病治療、歯周統合医療を開発 国際学会でアワード受賞、鶴見大学同窓会論文奨励賞受賞など多くの賞受賞
TOKYO MXTV ドクターズアイほかメディア出演 医科と歯科が協力して治療を行う本来の医科歯科連携を模索して活動中 

取材・文/FYTTE編集部

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