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免疫は鍛えるより「育てる」時代。今注目される「腸管免疫」と体を守る最新知見とは?
生活環境や食習慣、気候が大きく変化した現代。私たちの免疫も、昔と同じままでいいのでしょうか? じつは免疫は単純に「強くなる」「進化する」ものではなく、環境の変化に応じて「適応」していくシステムだといわれています。近年注目されているのが、全身の免疫細胞の約7割が集まる「腸管免疫」。腸は免疫を育て、全身の健康と深く関わる重要な器官です。
今回は、医学博士で総合内科専門医、腎臓内科専門医の葉子クリニック院長の内山葉子先生に、「腸管免疫がなぜ重要なのか、そして現代人が気をつけたい免疫対策」について詳しく教えてもらいました。
Contents 目次
免疫は進化するの? 注目される「腸管免疫」

昔と今では季節や衣食住の環境も変わっていて、進化しています。素人な質問ですが、私たちの免疫も変化したり進化するのでしょうか。
「私たちは地球と宇宙と自然と生きていることは忘れてはいけないことだと思います。地球温暖化は、太陽活動や月(軌道)の自然な周期変動が関与し、気候に影響を与えています。もちろん近年の急速な温暖化は、太陽活動の変動だけでは説明ができず、人間活動の温室効果ガス(CO2)や海洋の変動、大気循環の異常など複合的に作用しています。
免疫の進化については、免疫は単に進化するのではなく、環境の変化に“適応”していくものです。
以前は、下痢をしたら下痢止めを。風邪を引いたら、マスクや手洗い、薬を飲むという感覚が多かったと思うのですが、最近は腸内環境を整えましょう、そのために、プロバイオティクスなどのサプリメント摂取をすすめたり、腸活にいい食事をとるようになってきています。グルテンフリーやプラントベースフード、機能性食品など高機能な健康食品も増えてきていますよね。
コロナ禍以降、清潔すぎることの弊害もあります。除菌や消毒を徹底しすぎると、本来免疫を育てるために必要な微生物との接触が減り、かえってアレルギーや自己免疫疾患を増やしてしまう可能性があります。
今、“腸管免疫”が注目されています。全身のリンパ球(免疫細胞)の約7割が腸に集中しており、腸は免疫の最大の教育機関です。近年では、腸の状態が脳や心臓、腎臓など全身の健康とつながっていることが科学的に明らかになっています。
いろいろな研究がされていますが、最新の知見としては、食欲、感情、免疫などを統合的に調整するネットワークの存在“エンド・カンナビノイド・システム(ECS)”が注目されています。人を含め多くの生き物が生きていくうえで必要なシステムです。外界からの異物やストレス、痛みなどが発生すると細胞膜のリン脂質から作られるカンナビノイドといわれる物質が、全身に分布している受容体を介して体を守ってくれます」
免疫対策はどうやったらいいの? 内山先生の対策は?

「もっとも大切なのは、体内の慢性炎症を抑え、細胞のエネルギー代謝をスムーズにすることです。
具体的には、炎症を起こすものを避けること。例えば、加工品、砂糖、小麦(グルテン)、乳製品(カゼイン)のとりすぎ、そして高温調理で発生するAGE(終末糖化物質)をできるだけ控えます。そして、旬の食材を食べること。旬の野菜にはその季節に体が必要とする栄養素(冬なら体を温めるもの、春なら解毒を助ける苦味など)が自然に含まれています。調理法も工夫します。酵素を壊さない生のものをとり入れつつ、加熱の際はAGEが発生しにくい蒸す・煮るを基本にします。
また、食事を楽しむことも大事にしています。食べる内容だけでなく、お気に入りのかわいい食器を使うことで視覚からも五感を刺激し、消化や食欲を促進させています。
あとは、睡眠環境。夜しっかり休めるよう寝室を夫と分け、いびきなどを気にせず自分のペースでリラックスできる空間を作っています。運動も大事なのですが私は苦手なので、3~5分程度、あるいは靴を履いて外に出るだけでもよいとして、自分に合う形で継続しています」
ありがとうございました!
腸管免疫の腸とそのほかの臓器の関連性についてや、最新の知見“エンド・カンナビノイド・システム(ECS)”について大変勉強になり、興味深いお話でした。
次回は、「最強のアンチエイジングごはん」について教えていただきます。

参考著書:『免疫力を整える薬膳酵素ごはん』~医師が教えるアンチエイジングレシピ~(ユサブル)
【監修者】内山 葉子(うちやま ようこ)先生
関西医科大学卒業。大学病院・総合病院で腎臓内科・循環器・内分泌を専門に臨床・研究を行った後、福岡県北九州市で『葉子クリニック』を開設、院長を務める。医学博士、総合内科専門医、腎臓内科専門医。全人的な医療に基づき、自然医療や漢方・機能性食品などの補完・代替医療と西洋医学、心のケアなどを統合的に行い、さまざまな分野の難治性の疾患の診療を行う。
葉子クリニック:http://www.yoko-clinic.net/
取材・文/FYTTE編集部



