気圧が安定せず、じめじめと湿度の高い梅雨の時期は、体の不調が起きやすいと言われています。この時期に「なんとなく不調が続いている」という人は、もしかすると「気象病」が原因かもしれません。ではなぜ「気象病」は起こるのでしょうか? その原因と対処法を、鈴木きよみ先生主宰のセミナーに参加して伺ってきました。
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気象病になるとどんな症状が出る?
まず、気象病には下記の3つのパターンがあることを覚えておきましょう!
・一時的に症状が出る一過性のパターン
・持病が悪化してしまうパターン
・気象の変化がきっかけで、病気が発症するパターン
代表的な症状は、頭痛や首痛、めまい、耳の不調、気管支ぜんそく、リウマチ、神経痛、認知症の悪化、更年期障害などです。
「今の時期、疲れやすくなったり、眠気が強くなる人も多いと思います。実はそれも気象病の影響。この時期は低気圧と高気圧の変動が激しいため、その影響で脳が混乱し症状が現れるのです。そして外部からの気圧変動を受け止めているのは耳。内耳の状態がおかしくなると、耳鳴りなど耳の不調が現れます。飛行機に乗って着陸するときに、気圧の変動により耳がキーンとなった経験はありませんか? 気象病による耳の不調はこのときと同じ状態。つまり対処法も同じなのです。気象病になりかけているときに、積極的にあくびをしたり、睡眠時間を確保することで、耳の不調を和らげることができます。
また、頭痛や首痛は、気温の変動により自律神経のバランスが崩れることで引き起こされます。人間の体が対応できる1日の温度差は9.4℃まで。それ以上気温差がある日は注意が必要です」(鈴木先生)
症状の現れ方は人によってさまざま。1か月~2か月程度で構いませんので、不調を感じたらそのときの状況を記録に残す習慣をつけましょう。そうすることで、自分の不調のパターンが見えてきて、対策もしやすくなります。
「そもそも気象病という言葉が使われ始めたのは、日本ではほんの数年前のこと。世界全体を見渡しても1930年ぐらいから研究が始まったと言われています。クーラーが苦手だという女性は多いですが、実はクーラーが平気な人は気象病が出にくく、自宅や会社が7階以上にある人は気象病になりやすいというデータが出ています。このような気象病のメカニズムを知ることももちろん大切ですが、重要なのは向き合い方。
人間は16トンもの空気を体で支えています。湿度が上がれば、そのぶん重くなる。そして人間の体のおよそ60~70%は水分です。気象病は体内の水分と、空気中に含まれる水分のバランスが重要で、気圧が変動すると、私たちの体はその圧力に負けないように体内の水分を使って反発しようとします。そうして引き起こされるのがむくみ。むくみを放っておくと気象病が悪化することがありますので、カリウムをとったりマッサージをするなど、しっかりと対策するように心がけましょう」(鈴木先生)
続いては、気象病の対策法についてご紹介します。