毎日続く、うだるような暑さで食欲がダウンしていませんか? 食事は人間が健康を維持するうえでの土台。おろそかにすると、思わぬ不調が体を襲います。管理栄養士の安中千絵先生に食事の大切さと、夏バテ時の栄養補給、体力維持におすすめの食材についてお伺いしました。
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食材で解消! 栄養不足が招く怖すぎるトラブルの数々
夏バテ気味で食欲が落ち、体重が減ってラッキー、なんて思っている人はいませんか?
じつはその体重減少は、不調のはじまりにすぎないかもしれません。
「十分な食事をとらずに栄養が不足してくると、体重減少にはじまり、やる気がでない、だるい、肌荒れ、口角炎といった症状が出てきます。さらには貧血、生理不順、血圧の低下やむくみなど、さまざまな不調があらわれます。放っておくと感染症にかかりやすくなったり、脳卒中や骨粗しょう症など多くの病気を招くことにも」(安中先生)
やはり三度の食事はきちんととる必要があるということですね。では、どうしても食欲が出ない、というときにはどういった食材を食べればいいのでしょうか。
脱、夏バテ! 食欲がなくてもキチンと栄養がとれる食材とは?
<オススメ食材1> エネルギー代謝をよくしてくれる豚肉
「豚肉には代謝にかかわるビタミンB群が豊富に含まれているだけでなく、たんぱく質も豊富です。“夏バテには豚肉”といわれているのはそのため。豚肉のなかでもしゃぶしゃぶ肉ならあっさりして食べやすいと思いますので、夏野菜や薬味と合わせてサラダにするのがおすすめです。その際には、栄養成分アリシンを含んだネギ類やにんにくと一緒に調理しましょう。アリシンがビタミンB1の吸収率をアップさせ、体内にとどまる時間も増やしてくれるのです」(安中先生)
豚肉に含まれるビタミンB群のなかでも、ビタミンB1は糖質をエネルギーにする際に必要不可欠な栄養素です。ビタミンB2は脂肪を燃焼させ、美しい肌や髪を維持する働きをもっています。たんぱく質は筋肉や内臓などを構成するもっとも重要な成分で、女性ホルモンなどの材料にもなります。
健康や美を保つのにかかせない成分が、豚肉にはぎゅっと詰まっているのです。
<オススメ食材2> この時期に必要な栄養素が詰まった旬野菜&フルーツ
「旬の野菜やフルーツにはビタミンやミネラルなど、その時期に必要な栄養素が含まれているものです。食欲がなくてもグリーンスムージーにすれば喉を通りやすく、消化もしやすいですよ」(安中先生)
スムージーにしやすい夏の旬野菜やフルーツとしては、リコピンやビタミンCが豊富なスイカ、βカロテンや葉酸たっぷりのつるむらさき、ビタミンCをはじめとするビタミン類が詰まったトマト、鉄分やカルシウムの宝庫であるモロヘイヤなどがあげられます。
<オススメ食材3> 美肌や美髪をサポートする大豆製品
「豆腐や納豆などの大豆製品は、良質なたんぱく源。また、大豆には体内で女性ホルモンと似た働きをすることで知られるイソフラボンが含まれていますので、美肌や美髪、生理サイクルを調える効果が期待できます」(安中先生)
こってりしたものは食べられそうにもないな…、というときには冷奴や納豆ごはんなどを有効活用しましょう。
まだまだ厳しい暑さは続きます。食欲がなくても、ビタミンやミネラル、たんぱく質を意識して体の調子を整えていきましょう。
文/本間美加子