今年は例年以上に暑い日々が続いているため、夏バテには注意しなくてはなりません。夏バテを避けるためには、冷房のきいた部屋に長く居ることや猛暑日のムリな外出を避け、しっかりと食事をとることが大切です。今回、循環器専門医の池谷敏郎先生に“糖質バテ“について教えていただきました。
Contents 目次
夏の生活習慣が引き起こす「糖質バテ」からの「秋太り」
夏バテは室内と屋外との温度差を体感することによって、自律神経の調節機能が低下することが原因とされています。調整機能が低下することで内臓の動きも低下して食欲がなくなってしまい、体に十分な栄養が補給されなくなります。その結果、体のだるさや疲労を感じたり、体調不良を起こすことも。
体温調節に気をつけてしっかり食事をとっていても、血糖値をコントロールできていないと夏バテのような疲労感を感じることになります。
血糖値を急激に上昇させると、急に上がった血糖値を下げるためにインスリンが働き、血糖値を急激に下げることに。
この血糖値の乱降下が、疲労感を引き起こします。
これを「糖質バテ」と呼びます。
また、インスリンは体内のよぶんな糖を脂肪に変える働きがあるので、血糖値を急上昇させると、その分、体内に脂肪を蓄積することになってしまいます。
生活習慣で糖質バテの可能性をチェック!
◆夏の生活習慣チェックリスト◆
- 暑くて食後は体を動かさないことが多い
- 1日のうち8時間以上、冷房の部屋で座っている日が多い
- 缶ビールを毎日2本以上飲む
- 冷たい麺類だけで食事を終わらせてしまうことが多い
- 食後にアイスクリームなど甘いものを頻繁に食べる
- 1日にとるカロリーのうち、6割以上を「1回の食事」でとっている
- 食後、眠くなることがたびたびある
- 寝苦しくて睡眠不足、寝不足になっている
みなさん、結果はいかがでしたか?
1つでも当てはまる人は、糖質バテを引き起こす可能性があります。
先生によると、夏は3つの要因によって血糖値の乱降下が起こりやすくなります。
① 食生活の乱れ
猛暑が続くと糖質の多い清涼飲料水や冷やし中華やそうめんなどの冷たい麺類に食生活が偏りがちに。
このような糖質に偏った食生活をしていると、血糖値が急上昇しやすくなります。
② 運動不足
外が暑いと、部屋でじっとしてしまいがちになります。特に食後の運動不足は、血糖値の急上昇の一因に。
また運動不足の状態が続くとインスリンの効きが悪くなり、血糖値を上手く下げることができなくなってしまいます。
③ 睡眠不足
寝苦しい日が続き睡眠時間が短くなると、満腹ホルモンのレプチンが減り、空腹ホルモンのグレリンが増えてしまいます。その結果、過食に走りやすくなり、血糖値の急上昇を引き起こしてしまうのです。
また、異常に上昇した血糖値を下げようと多量のインスリンが分泌されれば、今度は逆に食後の血糖値低下へとつながってしまいます。
このような食後の血糖値の過度な上昇や反動で生じる低血糖が、眠気や倦怠感を引き起こすのです。
つまり、夏の生活習慣は血糖値の乱降下を引き起こし、“糖質バテ”のようにだるさや疲労感を感じ、夏の間によぶんな脂肪を蓄積してしまい“秋太り”を引き起こしてしまう原因になる可能性があります。
続いては、夏の麺料理にプラスしたいおすすめ食材を使ったレシピをご紹介します。