毎日、朝から夜まで仕事をしていると、午後過ぎに頭がぼーっと、集中力が切れてしまうことありませんか。また仕事中にウトウトと眠気が…なんてこと、ありますよね。
そこで今回は、「仕事も生活も向上する昼寝習慣について」睡眠コンサルタントの友野なお先生に教えていただきました。
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「昼寝習慣」で日中のパフォーマンスが向上!
人は体温が下がると眠くなるメカニズムなので、1日の中で最も体温が低い明け方2~4時は眠気が最も強い時間帯です。次に眠気が強い時間帯が午後の2時~4時。巷ではよく「お昼ごはんを食べたから、消化のために胃に血液が集まり脳の血液が少なくなるために眠くなる」なんて言われていますが、実は体温が一時的に下がることによって発生する「ポストランチディップ」と、ランチを食べてお腹が満たされたことで覚醒作用のあるオレキシンの放出が減ることがランチ後の眠気の直接的な原因。
このような眠気の強い時間帯は「ナップゾーン(昼寝帯)」と呼ばれており、地中海沿岸や南米などでは「シエスタ」と呼ぶ昼寝の習慣があり、昼寝の習慣以外だと、この眠気のピークをやり過ごす手法としてアメリカではコーヒーブレイク、イギリスではアフタヌーンティー、日本ではおやつの時間があったのではないかと考えられています。
日本ではまだまだ「昼寝=サボリ」という考えがマジョリティかと思いますが、実は昼寝には心や体の健康を維持し、日中のパフォーマンスを向上させる働きがあるので、むしろ積極的に取り入れるべき習慣なのです。
昼寝をとるだけで、その後の眠気をすっきり除去したり、日頃の睡眠不足の蓄積を解消したり、気分が改善されたり、午前中の脳の疲労回復が促されたりして、その後の作業能力が改善されることが報告されています。実際、アメリカでは昼寝のことを「パワーナップ」と呼び、脳と体にパワーを取り戻すビジネススキルとしてエグゼクティブたちに広く浸透しているのです。
また、認知症の発症の危険性を5分の1以下に軽減することや、心臓病死のリスクは37%も低くなるという研究結果まで報告されています。
メリットだらけの昼寝習慣ですが、さまざまな恩恵を受けるためには正しい昼寝のルールを守る必要があることが条件です。
パフォーマンスが向上する「昼寝習慣」3つルール
まず、1つ目のルール。
昼寝は15時までにとるということが大切。
15時以降にとってしまうと、その日の夜間の主睡眠に悪影響が出てしまうためNG。
そして、2つ目のルール。
昼寝の時間は15分~20分程度が理想。
短い昼寝は認知症のリスクを減少させることは先に述べたとおりですが、1時間以上昼寝をとっている高齢者の認知症罹患リスクは、昼寝をとっていない人の2倍でした。1時間以上の昼寝はかえって体や心に負担をかけ、疾病リスクを高めてしまいますし、昼寝が長時間になってしまうと睡眠が深くなって目覚めにくくなってしまうので、30分以上は眠らないようにしましょう。
3つ目のルール。
昼寝はあくまで仮眠ですので、横にはならずにイスやソファに座った状態で眠る姿勢がおすすめです。
毎日の生活に正しい昼寝習慣を取り入れることで心身の健康を守り、高いパフォーマンスを発揮しましょう。