秋になると真っ先に気になるのがお肌の乾燥。「カサカサしてきたな」は季節の変わり目を実感します。そんなときはれんこんを食べて、うるおして! 薬膳の考え方とおすすめレシピを紹介します。
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湿気の季節から乾燥の季節に大きく変化
9月になると、日差しが一気に秋めいてきます。晴れた日はまだ汗ばみますが、夏のようなうっとうしさは軽減。空気がからりとして気持ちいいですね。梅雨、夏と続いていた湿気がなくなる秋は、乾燥の季節。中国医学では、秋になると自然界が乾燥し、体にも乾燥による影響がもたらされると考えられています。
乾燥に弱いのは、何といっても肌。夏の紫外線ダメージをため込んだ肌は、その影響で非常にデリケートになっています。肌はうるおいを好む性質があるので、外気の乾燥で肌がうるおい不足になると、バリア機能が低下して肌トラブルを起こしやすくなります。
さらに、肌の生まれ変わりがスムーズにいかなくなれば、ため込んだメラニンの排出も停滞。シミの原因を肌に残すことになるから要注意です。
また、秋の乾燥は、鼻、喉、肺といった呼吸器をも傷つけます。肌と同様、呼吸器粘膜は外的刺激から体を防御してくれるもの。乾燥するとその働きが十分に発揮できなくなり、風邪をひきやすくなったりします。
さらに、乾燥が大腸にも及べば、便が乾燥して排泄しにくくなる乾燥性の便秘に陥ることに。乾燥は、肌だけでなく内臓にも及ぶから侮れません。
れんこんには熱を冷ましてうるおいを補う力が
この時季に大切なのは、体の乾燥対策。おすすめしたい薬膳食材はれんこんです。薬膳においてれんこんは、体の熱を冷ましてうるおいを補う性質があるとされています。夏の暑さや紫外線の影響で、体はよぶんな熱を抱えがち。熱は、体に悪さをする炎症の原因となりますが、れんこんの熱を冷ますパワーを利用すると、こうした熱を上手に取り除くことができるのです。
また、れんこんにはうるおいを与えるパワーがありますから、乾燥が苦手な肌や呼吸器粘膜をうるおし、体の防御機能を健やかな状態に導くことができます。さらに、中医学では、熱を冷ますことで血の巡りを整えるとも考えられていて、のぼせ、鼻血、熱がこもるタイプの不正出血などにもすすめられています。
特に肌の乾燥が気になる場合は、れんこんをじっくり加熱して食べることをおすすめします。じっくり加熱したれんこんには、血を補って肌を健やかに保つ働きがあるとされ、消化吸収を助ける働きも期待できます。熱を冷まし、うるおいを補う力と、消化吸収を高めて肌に栄養を送る力によって、夏に弱った肌の機能をサポートすることができるというわけです。
ちなみに、れんこんはハスの地下茎。ハスの葉は荷葉(かよう)といって、熱を鎮めのどの渇きをいやすお茶、ハスの実は蓮子(れんし)といって、下痢止めや精神安定作用のある薬膳食材です。
乾燥し始めるけれど、まだまだ暑さも残る9月。部位によってさまざまな薬膳作用をもつハスのパワーで、夏にたまった体の熱を冷まし、しっかりうるおいを補ってください。
続いては、れんこんを使ったレシピをご紹介します!