「女性のほとんどが便秘」というほど、便秘に悩む女性は多いですね。実は私も昔は便秘でした。小学生のころからすでに便秘で、便秘薬を使ったり、トイレに1時間近くこもったり、振り返ると苦しい日々を過ごしていたなぁと思います。今は便秘で悩むことはほぼなくなったわけですが、当時と何が変わったのか、生活も振り返りながら医学的に考えてみたいと思います。
Contents 目次
女性が便秘になりやすい理由
便秘の主な原因として、食物繊維不足、水分不足などが有名ですね。女性は生理前にプロゲステロンの影響でより便秘になりやすくなります。また、女性はお腹の筋肉量が少ないため便を排出する力が弱いとも言われています。
診療で便秘の女性の話を聞くと、ダイエットで食事の量が少ない人がけっこういるなと感じます。特に若い人に多く、太りたくないために食事の量を制限しているのですが、これは便秘の原因になります。腸に入る量が少なければ出る量も少ないのは当然のこと。こういった人は何日も便秘でもお腹が痛くなったり苦しくなったりせず、特に不調がありません。しかし、とった食べものをずっと腸内にためておくことは、悪玉菌が増え、腸内環境が悪くなるのでよくありません。便秘は体臭の原因にもなりますし、免疫力や美容にもマイナスです。
便秘解消のコツ [運動編]
便秘解消のコツは、まず便をためないこと。腸内にとどまった便は徐々に水分が吸収され、硬くなり、より排泄されにくくなります。頑固な便秘になる前に早めに手をうちましょう。
定期的な運動は便秘対策にとても有効です。私も昔と今の生活を比べてみて、一番の違いはこれでした。手足だけを使う運動よりも、お腹を動かすような運動がよく、ストレッチをしっかり行うだけでも効果はあります。
便秘解消のコツ [食事編]
便秘には食物繊維がいいと言いますよね。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、腸内環境をよくするためにどちらも大切ですが、慢性の便秘の場合は特に不溶性食物繊維を多くとるようにします。不溶性食物繊維は、腸内にとどまって水分量を増やし、腸を刺激して腸の動きを促します。不溶性食物繊維を多く含む食材は、豆類、キノコ類、イモ類など。生で食べられるものでも、火を通して調理したほうがたくさん摂取できます。
また、便秘対策に水分を多くとることは有名ですが、油を適量とることも大切です。油分を控えると便が硬くなり腸内で動きにくくなります。肉の脂ではなく、オリーブオイルなどの不飽和脂肪酸を多く含む油をとるようにしましょう。
朝食を抜くのは便秘になりやすくなります。腸は食べものが入ってきた刺激で動き出すので、朝起きて何もとらないままでは腸のスイッチが入りません。飲みものだけでもよいのでとるようにしましょう。
しかし、実は、生活をいくら改善しても便秘が治らないこともよくあることなのです。
タイプ別の「便秘薬」を上手に活用しよう
なかなか便秘が改善しないときは便秘薬を使うのがよいです。「クセになる」という人がいますが、うまく使えばクセになることはなく、便秘の悪化を防ぎ改善することができます。
便秘薬はいくつかの種類に分かれています。腸内で便の量を増すタイプ、腸の運動を活発にするタイプ、便の水分を増やして便をやわらかくするタイプなどがあります。便秘薬でお腹が痛くなりやすい人は腸を動かすタイプ以外のものがおすすめです。また、生理前の便秘になりやすい時期のみ使うなど、自分の排便スタイルに合わせて上手に使いましょう。
いろいろな方法を組み合わせながら生活を工夫し、自分に合った腸活を見つけることが便秘を改善するコツです。