厳しい猛暑や残暑を過ごし、夏の疲れがたまってくるこの時季。「日焼けで肌がボロボロ…」「冷たいものばかり食べてお腹の調子が悪い」など、不調を抱える人も多いのでは?
そこで、食欲がないときでも食べやすい身近なフルーツのちからを借りて、体のトラブルを解消しましょう!
Contents 目次
ビタミンA・C・Eを効率よくとって美肌力アップ!
強い日差しと冷房にさらされた夏の肌。このまま放っておくと、シミ、シワ、乾燥などのダメージが一気に加速してしまいます。体の中から上手にケアして、なんとか食い止めたいもの。夏から秋にとりやすい、効果的なフルーツは? 管理栄養士の大越郷子先生にうかがいました。
「美肌成分の代表であるビタミンCは、多くのフルーツに含まれていますが、とくに柑橘類やべリー類に豊富。メラニン色素の沈着を抑え、コラーゲンの生成に働くので、美白や肌にハリを与えるのに役立ちます。皮膚や粘膜をつくるビタミンAは、ドライな肌にうるおいを与えてくれます。
この時季は、冷房による冷えも悩みのひとつですが、体が冷えて血流が滞ると、肌のくすみや乾燥を招くことに。そんなときは、ビタミンEを補って血行促進を。新陳代謝を高めてシミ、シワを防ぎ、ツヤ肌をサポートします。
ビタミンA・C・Eには、それぞれ抗酸化作用があり、紫外線によって生じた活性酸素から肌をブロックしてくれます。いっしょにとると抗酸化パワーがさらにアップするので、夏のダメージ肌ケアに最適です」(大越先生)
大越先生おすすめ!ビタミンA・C・Eを含む最強フルーツBEST3
〇キウイ
ビタミンA・C・Eに加え、食物繊維や、不足するとだるさを感じやすいカリウムも豊富。たんぱく質の消化を助ける酵素が多いのも注目です。
〇アボカド
抗酸化ビタミンのほか、食物繊維は不溶性、水溶性ともに多く含み、オレイン酸も豊富なので便通の改善にも役立ち、美肌づくりにもってこい。
〇柿
意外にも、ビタミンCの含有量は100gあたり70mgとトップクラス。カリウム、ペクチンのほか、美白にいいタンニンも含みます。
フルーツのペクチンで腸活! クエン酸パワーで疲労撃退!
さらに、疲れた腸や体に効果的な栄養と、おすすめのフルーツについてもうかがいました。
「夏の間は胃腸の働きも滞りがち。腸を元気にするには、ペクチンなどの食物繊維や、オリゴ糖を含むフルーツがおすすめです」
ということで、旬のフルーツや身近なフルーツとして、りんご、バナナ、桃に注目!
〇りんご
水溶性食物繊維のアップルペクチンが多く、整腸作用にお役立ち。デトックス効果もあります。ポリフェノールも豊富でアンチエイジングにもおすすめ。ペクチンもポリフェノールも皮に多く含まれるので、よく洗って皮ごと食べるのが〇。
〇バナナ
豊富な食物繊維で便秘や下痢を改善。また、消化されずに腸まで届き、善玉菌の栄養となるフラクトオリゴ糖を含むので、腸内フローラを改善してくれます。酵素も豊富なので、腸活にうってつけ!
〇桃
食物繊維量はバナナを上まわり、水溶性の食物繊維・ペクチンがたっぷり。便通をスムーズにしてくれます。甘味がありますが、意外に低カロリーで、カテキンなどのポリフェノールが豊富なところも魅力です。
「疲労回復には、食事でとった栄養をエネルギーに換えるクエン酸やビタミンB群の豊富なフルーツが効果的です」と、大越先生。
そこで、グレープフルーツとパイナップルをクローズアップ。
〇グレープフルーツ
クエン酸やビタミンB群のほか、果糖、ブドウ糖などの糖類を含むので、疲労回復に効果的です。ビタミンCも多いので、夏のお疲れ肌対策にもおすすめ。
〇パイナップル
糖質や脂質の代謝を促すビタミンB群や、クエン酸が豊富です。食物繊維、ビタミンC、たんぱく質分解酵素・ブロメラインも多いので、美肌や美腸にもひと役買います。
フルーツは糖質も高めなので、食べすぎには気をつけながら、効果別にとって体の元気をとり戻しましょう!
取材・文/鹿野育子