暑さがやわらいで秋になると、体が重くてだるさを感じることはありませんか? それは、夏にたまった疲れや栄養不足が原因の“秋バテ”かも!? 婦人科医の松村圭子先生(成城松村クリニック院長)に、疲れをリセットする食材を教えていただきました!
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「ビタミンB1」たっぷりの豚ヒレ肉、豚もも肉で疲労を回復!
こんにちは。婦人科医の松村圭子です。
夏の猛暑のときは、麺類など糖質がメインの簡単な食事で済ませていた人もいるのではないでしょうか。秋に疲れやすくなるのは、栄養不足のサインかもしれません。疲労を回復させる栄養を組み合わせた食事をとり、体調を整えましょう。
まず、秋バテ解消のためにとりたいのは、ビタミンB群。特に、疲労回復に欠かせないのが、ビタミンB1です。
ビタミンB1は、糖質がエネルギーに変わるのを助ける働きがあります。ビタミンB1が不足すると、エネルギー代謝が滞り、疲労がたまりやすくなってしまうのです。
ビタミンB1が多く含まれる身近な食材は、豚肉。赤身が多い「豚ヒレ肉」「豚もも肉」に豊富です。豚バラ肉などよりも脂肪が少なく、良質なたんぱく質が多いので、私は豚ヒレ肉、豚もも肉をよく選んでいます。
ほかにも、うなぎのかば焼き、さけ、さばなどにもビタミンB1がたっぷり。ゆで大豆、豆腐、えのきたけ、しめじからもとれます。主食を玄米、大麦、雑穀を混ぜたごはん、ライ麦パンなどにすることで、ビタミンB1を補ってもいいですね。
玉ねぎ、にんにくのアリシンでビタミンB1の吸収アップ!
ビタミンB1は、玉ねぎ、ねぎ、にんにく、にらなどに含まれる香り成分「アリシン」といっしょにとると、吸収率がアップします。
たとえば、豚ヒレ肉のソテーに、フライパンで温めた玉ねぎにんにくソース(玉ねぎ、にんにく、しょうゆ、みりん)をかけることで、ビタミンB1+アリシンをとってもいいですね。
ビタミンB1は水溶性で水に溶けやすいので、豚肉と玉ねぎ、ねぎ、にらなどアリシンがとれる食材を組み合わせて、スープや煮ものをつくるのもおすすめです。
また、手軽に使える「さばの水煮缶」からもビタミンB群(B1、B2、B6、B12など)がとれます。
たとえば、さばの水煮とアスパラガスをあえて、ポン酢しょうゆをかけて食べてもいいですね。アスパラガスに含まれる「アスパラギン酸」は、疲労回復を促す働きがあります。
アリシン&クエン酸がとれる「酢玉ねぎ」をトッピング
疲労回復には、料理に酢酸、クエン酸が含まれる「酢」をプラスするのもおすすめです。クエン酸は、疲労回復を促す働きがあるといわれます。クエン酸は、レモン、梅干しなどにも含まれます。
わが家では、玉ねぎの薄切りを酢に漬けこんだ常備菜「酢玉ねぎ」をよくつくるので、酢の消費量がすごいです(笑)。玉ねぎと酢の組み合わせなので、アリシンとクエン酸を合わせてとることができます。
酢玉ねぎは、ビタミンB1がとれる冷奴にトッピングしたり、ハムのトースト、豚肉やさけのソテーにのせたり、活用法はさまざまです。
「玉ねぎの白ワインビネガー漬け」も香りがよくて、さわやかな味わい。トマトやレタスなどの野菜サラダによく合います。
「ビタミンB1+アリシン+クエン酸」というように、疲労を回復する成分を組み合わせてとることで、秋バテを吹き飛ばしましょう!
また、栄養補給とともに、睡眠をしっかりとって休養することも大切です。疲れをためこまないように自分の体をいたわってあげれば、季節の変わり目に体調を崩しにくくなるはずです。
取材・文/掛川ゆり