「冷え症の自覚がなくても8割の人が内臓冷えを抱えている」と話すのは、これまで6万人以上の内臓温度を測ってきた理学博士の山口勝利さん。内臓冷えはダイエットにも悪影響を及ぼします。内臓冷えのチェックリストを見ていきましょう。合わせて内臓冷えに直結する冬ファッションを山口さんの著書『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさい』から、ご紹介していきます。
Contents 目次
あなたは大丈夫?内臓温度チェックリスト
内臓冷えが何より怖いのは、冷えているのが実感しにくいというところにあります。
実感しにくいからこそ、知らぬ間にどんどん深刻になっていく。
以下のチェックリストでチェックしてみましょう。
内臓温度チェックリスト (3つ以上、当てはまった人は要注意!)
□顔のシミやくすみが気になる
□皮膚にかさつきがある
□唇がひび割れやすい
□足のむくみに悩まされている
□よく胃が痛くなる
□最近イライラすることが多くなった
□ストレスを感じやすい
□体がだるく疲れやすい
□肩こりや腰痛がひどい
□眠れない日や寝つきが悪い日が多い
□便秘が続いている
□手足がほてっている
□姿勢が悪いといわれる。
□腹筋運動が1回もできない
□コーヒーやビールをよく飲む
内臓温度に直結するのは、体の中から冷やす食習慣と、血流を悪くする生活習慣です。
特に血管を圧迫する衣服を着続けたり、姿勢が悪かったり、さまざまなことで血流は悪くなります。
内臓冷えを招く生活習慣・衣類編
1 靴下の重ねばきやタイツをはいて足を冷えから守る
足が冷たくて眠れない。そんな夜、ぐっすり眠るために、靴下を重ねばきしたりタイツの上から靴下をはいたりする人がいます。
この習慣には、内臓を冷やす原因が2つもあります。
ひとつは、重ねばきやタイツの上から靴下をはいたりすることで足を締めつけてしまうことです。血管が圧迫され、その部分の血液の流れが悪くなってしまい、それが内臓温度の低下につながります。
そもそも靴下を重ねばきしたりタイツをはいたまま眠ると、ぐっすり眠るどころか、寝つきが悪くなる危険性があります。
内臓温度は、朝目覚めるころから上昇をはじめ、日中の覚醒時は高い温度を保って体の活動を維持しています。 そして、夕方にピークを迎えると、そのあとは、夜にかけて下がりはじめるという機能が備わっています。
2 冬の足元はブーツで温める
風を防ぎ暖かさ抜群、ということで、ブーツばかりはいていると、冷たくなる足を守っているつもりが、じつは内臓温度を下げることになります。
ブーツをはいたときに足がむくんで、夕方になるとファスナーが上がらなくなるという経験はないでしょうか。それは内臓温度が下がっているサインです。
ブーツは、足首と足の指を長時間固定してしまうことで、底背屈(ていはいくつ)運動といわれる足首の曲げ伸ばしがあまりできなくなります。そのため足首が硬くなり、足先までの血流が悪くなります。それが全身の血流の悪化につながり結果、内臓温度が下がってしまうのです。
足を伸ばして座った姿勢から足先が90度上を向くぐらい曲げられるかどうかを確認してください。 できないときは、血流が悪く、内臓温度が低い可能性があります。
3 体を冷やさないようにフリースを着込む
すっかり冬のファッションアイテムの定番になったのが、「フリース」です。温かくて軽くて、とても便利ですよね。しかし、パジャマでのフリース着用は、内臓温度を低下させる可能性があります。
フリース素材は熱がこもりやすいため、パジャマ代わりにすると、体から熱が放熱しにくく、内臓温度が下がりにくくなるため、眠りが浅くなる可能性があります。
ぐっすり眠ると、体内の修復・回復を促す成長ホルモンが多く分泌され、体内での代謝活動が促進されます。 そして何より、脳も休まり、自律神経のはたらきが整います。 つまりぐっすり眠ることは内臓温度を上げることにつながります。
パジャマは薄手、生地は汗を吸い、温湿度調節をしてくれる綿やウールのものを着て、寒くて眠れないという人は、湯たんぽなどを入れっぱなしにするのではなく、寝る直前まで入れて布団の中を温めてください。
内臓温度が低いままだと、生活習慣病のリスクをあげる、内臓脂肪がつきやすくなります。内臓温度を高めることは新陳代謝をよくし、たまりにくい体にしてくれます。
参考書籍
山口勝利著『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさい』(井上宏一監修、アスコム)
文/庄司真紀