体に冷えを感じているうえに、「最近太りやすくなった」「肌あれしやすい」・・・。そんな不調は、冷えが原因の可能性あり。冷えに対する情報があふれる中、「私の冷え対策はばっちり!」という人も多いかもしれませんが、実は体にいいと思っていたことが逆効果になることも。 そこで、冷えの常識について○か×か、ずばり判定!
Contents 目次
手足が温かいから冷え性ではない
× ウソ
表面が温かくても深部が冷えている可能性が!
「交感神経の働きが鈍く、熱を逃がしやすい体質の人は、手足など体表面は温かいにもかかわらず、直腸温度が低く、内臓が冷えている場合も。手足が温かくても下腹部が冷えている人は要注意。内臓の不調(便秘、生理痛など)につながるケースもあるため、見逃さないようにして」(伊藤 剛先生)
フルーツなど“体を冷やす食材”をとらないようにする
× ウソ
それは大きな誤解。体温にはさほど影響しない
「漢方の薬膳では、食材を『体を温めるもの』『冷やすもの』などに分類しています。ところが実際には、体を冷やすとされている食材を食べたとしても、冷え性にはなりません。それよりも、日常的に冷たいものを好んで食べたり、食事量が少なかったりするほうが熱をつくる力が低下して、冷えを悪化させます」
ストレッチやウォーキングをすると血行がよくなる
○ ホント
ハードな筋トレよりも軽い運動が効果的
「運動は、自律神経のバランスを調整して血行を促進するので、冷え改善にとても有効。運動といっても、筋トレや激しいスポーツを無理に行う必要はありません。こった筋肉をほぐし、血液循環をよくするには、ストレッチ、ウォーキング、軽いジョギングなどでOK。継続して行うことでバランスのいい筋肉がつき、熱をつくる力も高まります」
ぬるま湯で30分以上、半身浴すると体が温まる
× ウソ
長時間の入浴は湯の温度が下がって冷えてしまう
「ぬるめの湯に下半身だけ浸かり続けていると、だんだん湯の温度が下がって上半身が冷え、湯から出るとすぐに体が冷えてしまうことも。冷え改善には、少し熱いと感じる41~42℃程度の湯に、短期間首まで浸かるのがおすすめ。肩や背中の筋肉の緊張もほぐれて心臓も活発に動くようになり、血行がよくなります」
冷たい水を飲みすぎると体を冷やす
○ ホント
水分の過剰摂取のほか水分不足も冷えも招く
「日常的に冷たい水分をとり過ぎている人は、内臓が冷え、寒さを感じたときに体温が戻りにくくなります。一方で、水分の摂取量が極端に少ないことも冷えにつながります。脱水によって、血流量が減ってしまい、体のすみずみまで熱を運べなくなります。適度な水分補給を心がけて」
温感ジェルを肌にぬると冷えが改善する
× ウソ
温かく感じているだけで根本的な改善にはならない
「温感ジェルに含まれている成分の刺激に反応し、“温かい”という感覚が得られるので、効果があるように感じられるかもしれません。しかし、多くの場合は温感だけで、体温を上げて冷えを改善するわけではありません。また、とうがらしに含まれるカプサイシンは、塗るよりも食事から適量とったほうが、体温を上げるのに有効といわれています」
ストレスを感じている人は体が冷えやすい
○ ホント
交感神経が鈍くなって熱が逃げやすくなる
「ストレスを感じると交感神経が緊張し、血管が収縮して手足が冷えます。この状態が長く続くと交感神経の働きがだんだん鈍くなり、寒さを感じたときに血管を狭めて熱を保つ機能が働かなくなるのです。血管が拡張したままになると、必要な熱がどんどん逃げ、やがて体の深部の内臓(腸、子宮、卵巣、膀胱など)にまで冷えが及んで不調を引き起こします」
就寝中は電気毛布をつけて体を温めたほうがいい
× ウソ
発汗過多になって体の熱が必要以上に逃げる
「体にゾクゾクとした冷えを感じて、なかなか寝付けない人もいるでしょう。どうしても冷えがつらい人は、就寝前にあらかじめ電気毛布のスイッチを入れ、温めておきましょう。布団に入って体がポカポカとして心地よくなったらスイッチをオフにし、就寝するようにして。熱がこもると発汗過多になり、必要な熱が奪われて体を冷やしてしまう可能性があるので、一晩中つけっぱなしにするのは避けて」
監修/伊藤 剛、取材・文/掛川ゆり