本格的な風邪の流行シーズンがやってきました。予防法として、毎日のうがいや手洗いを心がけている人は多いでしょう。もちろんそれらも大切ですが、基本は睡眠と食事を通して免疫力をアップさせること。忙しいとつい食生活が適当になってしまいがちですが、野菜摂取量と風邪には大きな関係があるんです。
Contents 目次
野菜を食べると風邪をひきづらい
トレンド総研が3〜12歳の子どもを持つ母親500名に調査(※1)したところ、風邪の予防・対策法としては、「手洗い」が86%、「うがい」が70%と習慣化している人が多い一方で、「食事の内容に気をつける」と答えた割合は42%と低め。また、子どもの家庭における野菜摂取量(※2)は、平均すると1日あたり「114.9g」。厚生労働省が推奨する1日あたりの野菜摂取量は3〜5歳児が240g、6〜7歳が270g、8〜9歳が300g、10歳以上は成人と同じ350g(※3)とされており、遠く及びません。
※1:2018年11月13日〜16日、インタ〜ネットで実施
※2:昼食については、学校給食ではなく家庭における食事として回答
※3:厚生労働省が推奨する「4つの食品群の年齢別・性別・身体活動レベル別食品構成」/身体活動レベルⅡ(ふつう)より
調査では、1日あたりの野菜摂取量に応じて「100g未満」「100 ~199g」「200g以上」の3グループに分類。風邪の実態に関する質問をグループごとに比較しました。その結果、「昨年、子どもが風邪をひいた」と回答した母親の割合は、「100g未満」で89%、「100~199g」で90%、「200g以上」で77%。野菜摂取量が多いほど、風邪をひきづらい傾向にあることがわかりました。
また、「子どもが風邪により高熱(38度以上)を出した」と回答した母親の割合は、野菜摂取量が「100g未満」で65%、「100~199g」で55%、「200g以上」で43%。 野菜を食べる子どもは風邪をひきづらいだけでなく、悪化するリスクも少ないことがうかがえます。
最初は野菜ジュースや野菜スープがおすすめ
小児科医でなごみクリニック院長の武井智昭先生によると、免疫力アップのためには、一年を通して野菜を意識的に摂取することが重要。また、好きな野菜に偏るのではなく、いろいろな種類の野菜をバランスよくとることも大切です。例えばトマトやかぼちゃなどの緑黄色野菜には抗酸化作用が高いものが多く、免疫強化につながります。キャベツやレタスには植物繊維が多く含まれており、腸内環境をよくする働きが。また、にんじんなどに多く含まれるビタミンAは鼻やのどの粘膜を強化して細菌が体内に侵入するリスクを軽減してくれますし、パプリカやブロッコリーには風邪対策の定番であるビタミンCが豊富に含まれています。
とはいえ、野菜が苦手な子どもに無理やり食べさせるのは逆効果。子どもを野菜好きにするためのトレーニングは「ベジトレ」と呼ばれています。まず試したいのは、野菜ジュースや野菜スープ。野菜嫌いな子どもは見ただけで拒否反応を示すことが多いので、見た目を変えてあげるといいでしょう。食べられたら周囲の大人がしっかりとほめてあげると、どんどん自信がつき「もっと食べよう」と意欲が湧いてきます。
また、おやつに食べているスナック菓子やジュースを、甘みのあるスムージーや野菜ジュースに変えるのもおすすめです。その後は、野菜を刻んでカレーやハンバーグなどの好物に混ぜ込んだり、星やハートの形にしたりと、少しずつステップアップしていきましょう。
野菜をしっかりと食べることは、子どもだけでなく大人にとっても大切。風邪やインフルエンザはもちろん、いろいろな病気を予防する効果が期待できます。さっそく家族で、「ベジトレ」に取り組んでみませんか?
文/藤森もも子