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CATEGORY : ヘルスケア |風邪予防

熱は何日続く?仕事はどのくらい休むべき?飲むべき薬は?インフルエンザ「基本のキ」

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熱を体温計ではかる女性

 インフルエンザが流行する季節がやって来ました。インフルエンザの原因から予防法まで「基本のキ」を抑えて、流行に備えたいですね。医療法人社団鉄医会理事長、ナビタスクリニック立川の久住英二医師に伺いました。

監修 : 久住 英二

療法人社団鉄医会理事長。ナビタスクリニック立川院長。
新潟大学医学部卒業。虎の門病院血液科を経て、2008年ナビタスクリニックを開設。患者の医療ニーズに応え、アクセスのよいエキナカで21時までの通常診療を提供。専門分野は内科、血液内科、旅行医学。

Contents 目次

風邪との違いは高熱や関節痛などの全身症状が出ること

菌のイメージ

毎年、大流行するインフルエンザ。そもそも、インフルエンザはなぜ流行をくり返すのでしょう。
「インフルエンザウイルスは変異しやすく、少しずつ抗原性が変化するため。一度かかって免疫を獲得しても、その抵抗力では防げないことが多いからです。変異が大きいほど、獲得した免疫の効果は弱まります。そのため、ウイルスが大きく変異して、これまでとまったく違ったタイプのウイルスになると大流行し、感染した場合は重症化する傾向があります。ちなみに2009年に新型インフルエンザが大流行したときは、感染者は子どもや若年層が中心で、高齢者はさほど多くありませんでした。過去に流行したウイルスと似た抗原だったためと考えられています」(久住医師)

インフルエンザウイルスには大きく分けるとA型とB型があります。A型にはA/H1N1亜型、A/H3N2亜型の2種類があり、変異しやすく、季節性の流行が起こりやすいタイプです。B型は変異しにくく、A型ほどの流行はみられません。これらが同時に流行すれば、同じシーズンにA型に2回かかったり、A型とB型の両方にかかることもあります。

では、どのようにしてインフルエンザに感染するのでしょう。主な感染経路には3つあります。
●感染経路
1.飛沫感染
感染者の咳やくしゃみで飛んだ飛沫を鼻や口から吸い込むことで感染する。
2.接触感染
感染者のだ液や鼻水などがついたドアノブやつり革を触った手を介して口や鼻から感染する。
3.空気感染
近距離であれば、空気中に浮遊するウイルスを吸い込んで感染する。

●インフルエンザの症状
インフルエンザウイルスに感染すると、1~3日間の潜伏期間の後、発症します。
「インフルエンザに特徴的なのは全身症状で、風邪と異なる点です。38℃以上の高熱、倦怠感や関節痛が現れ、その後に、のど痛や咳が出てくることが多いです。インフルエンザが流行中に、こうした症状がみられたら、インフルエンザを疑って、学校や会社は休むようにしたいですね。一方で、インフルエンザウイルスに感染しても、熱が出ない人もいますし、ほとんど症状が出ない人もいます」(久住医師)

病院に行けないほどつらいときは自宅療養でOK

せきをしている女性

インフルエンザが疑われる場合、病院では迅速診断キットによる検査が行われるのが一般的です。鼻やのどの奥の粘膜を細い綿棒のようなものでこすって、そこについた組織や分泌物などから陽性、陰性を判定します。

●インフルエンザの治療
インフルエンザに感染していた場合、治療は、タミフルやリレンザといった抗インフルエンザ薬を使います。
「今年は、新薬のゾフルーザが登場しました。一日1回の服用でOKです。タミフルの後発医薬品も出ています。ただし、抗インフルエンザ薬は必ず服用しなければならないものではありません。症状がつらいときは、解熱剤やのどの痛み止め、頭痛薬などを処方してもらってもいいでしょう。解熱・頭痛薬はアセトアミノフェンを。アスピリンはライ脳症という重症の副作用につながることがあるので服用できません。

インフルエンザは放っておいても治ります。ほとんどの場合、発熱から5日目頃には解熱します。つらくて病院に行けないまま、症状がピークを超えたらもう受診の必要はありません。5日を超えても解熱しない場合は、肺炎などの合併症が考えられるので、そのときは病院へ行きましょう」(久住医師)

●会社はどれくらい休めばいい?
インフルエンザ陽性だと判定された場合、学校なら学校保健安全法によって、出席停止期間が定められています。基準は“発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで”です。
「会社の場合は、勤務先が出社停止期間を定めているならそれに従いますが、一般的には、解熱した翌日から2日間を経過したら出社してもOKです。抗インフルエンザ薬を服用しても、解熱までの期間は変わりません」(久住医師)

もちろん、インフルエンザにはかからないのがいちばん。しっかり予防対策をとりましょう。

●インフルエンザの予防対策
「インフルエンザ対策にはワクチン接種を。本格的な流行がスタートする前に、できれば接種しておきたいですね。また、日頃から栄養バランスのとれた食事を心がけ、睡眠は十分にとって、抵抗力を高めておくことも大切。抵抗力があれば、インフルエンザウイルスに感染しても、発症しないですむこともあります」(久住医師)

人が多く集まる場所から帰ったら、石けんで十分な手洗いを。アルコール消毒も効果があります。咳やくしゃみが出るようなときは、飛沫が飛ばないように積極的にマスクをする『咳エチケット』を心がけたいですね。マスクがないときは口や鼻をティッシュで覆い、使用後のティッシュは捨てます。接触感染を防ぐためにも、飛沫を手のひらで受け止めないようにしましょう。

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