■「かかとのゆがみ」が 足腰を弱らせていた！

いつまでも自分の足で元気に歩きたいなら、疲れや痛みのない足腰を手に入れることが不可欠です。
「ウォーキング中に足やひざに違和感がある」
「坂道を歩いていると、足やひざに痛みを感じるようになった」
このような足腰の衰えを感じる瞬間が増えていないでしょうか。
外反母趾や扁平足といった足の悩みは、ある程度知られています。
しかし、かかとのゆがみに関心を持たれている人はほとんどいないでしょう。

一般的に「かかと」と呼ばれるのは、下のイラストにある骨の部分を指します。
そして、かかとのゆがみとは、踵骨（しょうこつ）と距骨（きょこつ）の関節がゆがむことで起こります。

じつは、ほとんどの人のかかとは、日頃の立ち方や歩き方などの生活習慣や筋力の低下などが原因でゆがんでしまいます。それは、自分の靴底のすり減り方を見れば明らかです。
かかとがゆがみ、それが悪化すると、体重をかけるたびに足首の奥が痛む(深部痛)ようになり、足首を完全に伸ばしたり曲げたりすることができなくなります。

また、かかとが内側や外側に傾いた状態のまま歩いていては、ゆがみに合わせて全身のバランスも崩れてしまい、不調や痛みが出てきて、歩くことが億劫で、つらい行為となってしまうのです。

■まずはチェック！ 靴底でわかるあなたのゆがみ

まず、自分のかかとがどのくらいゆがんでいるのか、チェックしてみましょう。
みなさんがいつもはいている靴を見れば、一目瞭然！
ふだんはいている靴の底を見てみると、かかとの外側だけが大きく減っていたり、逆に内側だけが大きく減っていたりしていませんか？
そのかかとの減りこそが何よりの証拠です。

【かかとの外側だけが減っている場合】
かかとの外側だけが大きく減っている人は、かかとが内側にゆがんでしまっている状態です。がに股で歩くクセや、ねこ背で背中を丸めて歩くクセがついてしまっている人、O脚の人のかかとなどは、このように内側にゆがんでいる傾向にあります。

【かかとの内側だけが減っている場合】
一方、かかとの内側だけが大きく減っている人は、かかとが外側にゆがんでしまっている状態といえます。内股に歩くクセがついている人や、X脚の人のかかとは、このように外側にゆがんでいる傾向にあります。外反母趾などで悩んでいる人も、このタイプが比較的多いです。

「かかとを整えるって？」と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、かかとこそ体の中心であり、全身の土台。
私の治療院では、慢性的な腰痛、ひざの痛みに悩まされるという人には「かかとストレッチ」をおすすめしています。
次回、この「かかとストレッチ」をご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』（アスコム）
著者/宮本晋次　監修/佐々木政幸

著者：宮本晋次
全身骨格矯正師。ボディケアサロン「日本橋人形町BodySign」院長。30年以上にわたる施術実績をほこり、特に「かかと」が引き起こす全身の不調、歪みに注目した独自の技術が評判を呼び、スキー・スノーボードなど数多くのオリンピック選手、各種日本代表のトップアスリートの施術に携わってきた

文／庄司真紀