できればご機嫌でいたいけれど、そうできない日もありますよね。そんなときは食事で栄養補給!イライラしたとき、落ち込んだとき、生理前後などにとりたい栄養について、管理栄養士の松村和夏さんについてお聞きします。
松村さんの著書『太らない疲れない老けない 大人女子の食事術』(主婦の友社)からお伝えします。
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Case1 イライラ、怒りがおさまらない
イライラしたときは、まず、カルシウムを。血中のカルシウムには神経の興奮を抑える働きがあります。
といっても、血中のカルシウムはいつも一定の量を保つようになっていて、不足すると骨から補う仕組みがあります。1日にとるべきカルシウムが不足している人は多く、不足した状態が続くと骨粗しょう症のリスクが高まります。カルシウムの吸収率の高い乳製品をメインに補うようにしましょう。
また精神のバランスを整えるセロトニンが不足するとイライラすることが多くなったりします。脳内神経伝達物質であるセロトニンは「幸せホルモン」ともいわれています。セロトニンのもとになるのはアミノ酸のトリプトファン。トリプトファンは乳製品や大豆製品、まぐろやかつおなどの赤身の魚などに多く含まれています。
Case2 泣きたいくらい落ち込んだ
泣きたいくらい気分が落ち込んだときは、イライラするときと同様、精神的な不安をおさめてくれるセロトニンのもとになる、トリプトファンを含む食品をとるようにし ましょう。
あわせて、セロトニンの生成に必要な、ビタミンB群を多く含む食品もとってください。
Case3 生理前後のイライラ、体調不良
生理前後の不調は女性ホルモンの変動が関係しているといわれます。女性ホルモンと同じような働きをする大豆イソフラボンが含まれている大豆製品をとるようにしましょう。といっても大豆製品ばかりを食べればいいのではなく、米などの炭水化物をはじめ、野菜、果物、肉、魚など、いろいろなものをバランスよく食べると吸収がよくなります。
貧血ぎみの人は鉄分を多く含むまぐろやかつお、鶏や豚のレバー、あさり、納豆や厚揚げなどの大豆製品、小松菜やほうれん草などを。鉄分の吸収をよくするビタミンCも一緒にとるようにしましょう。良質のたんぱく質も血をつくるのには必要です。
不調に対して、サプリメントに頼っている方もいるかと思いますが、ひとつの食品には解明されていないものも含め、何百という栄養素が含まれています。元気で若々しい、太らない体を作るにはさまざまな食べ物を組み合わせて食べるのが基本です。
文/庄司真紀
参考書籍
松村和夏著『太らない疲れない老けない 大人女子の食事術』(主婦の友社)