ストレスに反応して増えるといわれるストレスホルモン「コルチゾール」。記憶中枢にも悪影響を与えるというコルチゾールの正体について、日本ダイエットスペシャリスト協会理事長の永田孝行先生にうかがいました。
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イライラが増えるほどに分泌される「ストレスホルモン」
コルチゾールは糖質やたんぱく質、脂質などに関して、摂取したエネルギーを消費したり余計な分は蓄えたりと、人が生命を維持するのに必要不可欠な代謝機能を持っています。ところが、ムリを重ねて長くストレスを抱えていると、コルチゾールはそのイライラに敏感に反応して脳内に大量に分泌。大量に存在することで体に悪影響を及ぼす存在へと変わってしまうのです。
「通常、健康な状態なら私たちの体の空腹時血糖値は80~100mg/dlですが、これが60mg/dl以下になるとコルチゾールの分泌が活発になります。極端な食事制限や糖質制限のダイエットは、体重は減りやすくても血糖値が安定しません。そのために、イライラなど過度なストレスを引き起こす要因になるのです」(永田先生)
コルチゾールが増えることによって、実際にはどんな症状が現れてくるのでしょうか。
「リバウンドによるダイエットの失敗や、場合によっては過食や拒食といった摂食障害にいたることも。また、継続的なストレス状態で多量に分泌されると、脳内で記憶をつかさどる器官、海馬を委縮させる危険性があります。そうなるとPTSDやうつ病などの一因につながりかねません」(永田先生)
ムリなダイエットや、体に負荷のかかりすぎる長時間労働、睡眠不足など、現代社会はストレスがいっぱい。ストレスのもとをすべて取り除くのは難しいですが、自分なりのリフレッシュ方法を身につけておくことが大切ですね。
文/Masuda Yuka