お汁粉やぜんざいなど、寒い冬には小豆を使った食べ物が恋しくなりますよね。小豆は栄養成分にもすぐれる健康食材。毎日の食生活に取り入れることで栄養バランスを整えることができます。ただ、砂糖がたっぷり入った小豆のレシピは、ダイエット中の人にとって避けたいところですよね。そこで、砂糖の入っていない「無糖のゆで小豆」のレシピを含め、小豆の健康パワーについて管理栄養士の大越郷子先生に教えていただきました。
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女性に欠かせない小豆の健康パワー3つ
マメ科の一年草である小豆は、古くから健康を支える食材として親しまれてきました。かつては小豆のゆで汁が解毒剤としても使われていたそうです。現代の栄養学によってわかっている小豆の健康パワーは以下の通り。いずれも女性にとってはかかせないものです。
摂取した栄養を効率よく体のエネルギーに変えるビタミンB群
「小豆にはビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は摂取した栄養を効率よく体のエネルギーに変える効果が期待できます」(大越先生)
ビタミンB1、B2、B6などの栄養素はまとめて「ビタミンB群」と呼ばれています。それぞれの役割は違いますが、糖質の代謝をうながしたり、脂質が燃焼するのを助けるなど、食べ物を効率的にエネルギーにするためにはかかせません。とくにダイエット中の方はビタミンB群が十分にとれていないと、体内に脂肪としてためこんでしまいやすくなります。
だるい体の解消やイライラをおさえるミネラル類
また、小豆にはカリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄分などのミネラルが豊富だそう。
「鉄分はだるさや疲れを解消する効果があり、カリウムやカルシウムはイライラを抑えたり、ストレスに強い体づくりに役立ちます。また、コレステロールや中性脂肪を予防する効果があるサポニンも含まれています。消化を助ける働きなどもあります。また抗酸化作用もありますので、もちろん期待は大きいです」(大越先生)
便秘を改善し、腸内環境を整える食物繊維
「小豆には食物繊維も豊富に含まれています」(大越先生)
小豆に含まれる食物繊維は、水に溶けない「不溶性食物繊維」がメイン。水分を吸収して数倍から十数倍にふくらみ、腸壁を刺激して腸のぜん動運動を活発にしてくれます
「頑固な便秘を改善し、腸内環境を整えることで肌トラブルなども防いでくれます」(大越先生)
バランスを意識して食生活に取り入れる
健康パワーにすぐれる小豆を食生活に取り入れるうえでの注意点はあるのでしょうか。
「無糖のゆで小豆は100gあたり143kcal。カロリーはそれなりにありますので、やはり多く食べすぎればエネルギー過多にはなります。体にいい栄養素が入っているからといってそればかり食べるのではなく、1食の中に1品取り入れるぐらいがいいでしょう。また水分に流出してしまう栄養素もありますので、煮汁も含まれるゆで小豆ならば、まるごと利用するのがおすすめです」(大越先生)
こんなにある! 無糖ゆで小豆の活用法
ゆで小豆を使ったメニューというと、かぼちゃと一緒に煮た「いとこ煮(冬至かぼちゃ)」を思い浮かべる方もいるかもしれません。昔から伝えられてきたこのレシピは、栄養学的にも理にかなっているそうです。
「小豆にはビタミンAやビタミンCなどがあまり含まれていませんので、かぼちゃやにんじん、果物などと合わせるとさまざまな栄養素を摂ることができます。
いとこ煮のほかにもレンジ蒸ししたカボチャを軽くマッシュしてあずきと合わせる『ゆであずきとかぼちゃのサラダ』や、市販のカレールウにゆであずきを加え、豆カレーにする『あずきカレー』もオススメです。『ゆであずきとかぼちゃのサラダ』にはヨーグルトを加えたりするとさらに整腸作用効果も高くなります」(大越先生)
市販品されている無糖のゆで小豆を開封した場合、保存期間は冷蔵庫で1週間ほどです。上手に無駄なく食べて、小豆の健康パワーを取り入れましょう。
文/本間美加子