腰痛を感じたとき、自分でやみくもに痛い部分を押してみても気持ちよくなかったり、痛みやだるさはあまり改善しませんよね。そんなとき、ひとりでも行えて痛みの解消に効果的なマッサージの創始、「推拿(すいな)」のやり方を紹介します。
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マッサージ療法の起源でもある「推拿(すいな)」
推拿(すいな)と聞いてもいまいちピンとこないという人が多いのでは。2500~3000年前から行われているという推拿について、アスカ鍼灸治療院院長・福辻鋭記先生に教えていただきました。
「症状に合った手技を行えば、腰がすっと軽くなります。特に腰痛など日常的に起こるツライ症状に適しています。腰痛にはさまざまな種類があり、例えば、長期間鈍痛が続く慢性腰痛や脚に痛みやだるさを伴う坐骨神経痛、動けないほどツライぎっくり腰などの急性腰痛があります。慢性腰痛や坐骨神経痛は、まず上下にさすって筋肉をほぐし(推法)、親指や指の関節で痛む部分をこね(揉法)、症状に合ったツボを刺激します(按法)。痛みのある部分を中心に、気持ちよく感じるくらいの回数を行うといいでしょう。難しい手技ではないので、ぜひ試してください」
腰の痛みをやわらげる!推拿でセルフケア
もんだり、押したり、さすったりと推拿にはさまざまな手技があります。とはいっても、どれもとても簡単に行えるので安心して。6つのステップを紹介します!
1、腰から仙骨までを軽くさする
痛む部分に手のひらを当てて、上下に軽くさすります。インナーマッスルの緊張をやわらげ、血行をよくします。これから行う手技の効果を高めるための予備動作となります。
2、違和感のある箇所をもみほぐす
痛む部分を親指でこねるようにしてもみほぐします。また、手を軽く握り、指の根もとの関節の部分をグリグリと当てると、より広い範囲をもみほぐすことができます。
3、腰全体を強めにさすって血行も促進
手のひらを腰全体に当て、じんわり温まるくらいの速さで上下にさすります。血行がよくなり、筋肉がほぐれて痛みがやわらぎます。仙骨に行うと痛みがかなり軽くなることも。
4、ツボのある場所を順番に指圧する
腰部のツボから、脚のほうまで、順にツボを押します。息を吐きながらゆっくりと押し、息を吸いながら、ゆっくりと離します。
5、お尻や太ももをトントンたたく
横座りをして脚を伸ばし、片手を床につきます。もう片方の手でお尻の大臀筋をたたきます。その流れで、太ももまでをトントンとたたいて刺激します。腰を痛めている人は脚が冷えていたり、むくんでいることがよくあります。
6、足首からふくらはぎまでをさすり上げる
足首からふくらはぎにかけて、下から上にさすり上げます。指ではさんで、ある程度力を込めて押すようにさすって。また、ふくらはぎをもんだり、足首をまわしたりなども有効。足首がかたい人は腰を痛めやすいので、脚は念入りにケアを。
腰痛に効果的な推拿ですが、ぎっくり腰のときには行わないようにしてください。自分でマッサージしても気持ちよくないと思っていた人も、ぜひこの推拿(すいな)を試してセルフケアをしてみてはいかがでしょう!
撮影/山上忠 モデル/土屋ひかる ヘア&メイク/斎藤節子 文/FYTTE編集部 衣装協力/ニューバランス