目が覚めたとき、背中や腰が痛かったり体が重く感じると、朝から気分が沈みます。睡眠時間は十分にとっているはずなのに、どうしてなのでしょう。
予約1年待ちの生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんにうかがう、【睡眠のお悩み解決】。今回は、よく眠るための環境づくりについてうかがいました。
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CASE6
朝起きたとき、体にダルい痛みを感じます。寝具が体に合っていない? 寝返りを打ったほうがいいと聞きますが、自分が打てているのかどうかもわかりません。
小林先生のお答え
マットレスの向きを変えて、横向き寝派には抱き枕を。
定期的にマットレスの上下をチェンジ!
体の機能は眠っている間に修復されるので、基本的に足などのむくみも寝ると解消されます。起きたときに体が痛いのは、眠りの質がよくないか、あるいは寝具が体に合っていないのかもしれません。質のいい眠りのために心がけることは、これまでご紹介した快眠のコツを参考にしていただくとして、今回は寝具についてお伝えします。
まず、マットレスや敷き布団は体の一部に負荷がかからないよう、体圧分散するものがおすすめです。ただ、体圧分散するものでも使っているうちにお尻の部分が深く沈んできて、寝ている姿勢がくの字型になってしまいます。そうすると寝返りが打ちにくくなって、体重が1か所に集中して掛かってしまい血流が悪くなるので、マットレスや布団の向きを上下逆に置き換えましょう。裏表使えるマットレスの場合は裏表を置き換えてみましょう。季節によって面を替えられる素材なら表示に従って替えることでへたりも防げます。マットレスであれば、3か月に1度を目安に変えて下さい。長く使ってへたってしまっているなら、買い替えたほうがいいですね。
体を安定させて、初めのうちは寝返りナシで
ふつう寝返りは、ひと晩に20回ぐらい打つと言われています。ただ、回数が少ないからといって眠りが浅いわけではありません。マットレスや布団が合わずに寝返りを打てないとか、逆に眠りの質が悪くて何度も寝返りを打ってしまう場合は、寝起きの体調がよくないので改善が必要です。
それから、寝始めてからしばらくは、体の動きがないほうが深く眠れることがわかっています。あお向け寝と横向き寝はどちらでも好みでいいのですが、横向き寝は接地面が少なく体が安定しないので、抱き枕を用意しましょう。使わない布団を細長く丸めたものを抱えて寝てもOKです。
自分に合った枕と、肌ざわりのいいカバーで快眠
枕は5つぐらいのブロックに分かれた構造で、頭のくぼみのすき間を埋めて自然と形に沿うものを選びましょう。加えてあごが下がりすぎない高さと、肩口まで支える大きさが必要です。肩が浮いた状態で寝ている人がけっこう多いです。できれば枕はオーダーか、セミオーダーをおすすめします。枕は使わないほうがいいという説がありますが、例えばですが100万円ぐらいする高級なマットレスであれば枕ナシでも快適に眠れるのですが、それはなかなか非現実的…。ですので、枕はマットレスに比べればずっとお手ごろ価格で手に入るので、自分に合ったものを選んで使ってください。
ほかに、やわらかくて肌ざわりがいいものは、副交感神経をアップするというデータがあるので、カバーやシーツ、タオルケットなどをそうした基準で選んでみては? 季節によっての対策は室温・湿度を快適に保つことが第一で、私は1年中、同じ掛け布団で寝ています。カバーなどは感触がよくて季節に合った素材に変えたり、毛布をプラスするだけで心地よく眠れますよ。
環境を整えることで、よく眠るためにお風呂に入ろう、ストレッチをしようと気持ちも睡眠に向かいやすくなって、相乗効果も期待できます。
取材・文/宮下二葉