太りにくい体づくりには、基礎代謝アップが一番の近道!
水を飲んでデトックスしようと、がぶがぶ飲んで逆にお腹がふくれていませんか?
内臓の知識をしっかり学び、その機能を活用すれば、今よりラク~にダイエットができるかも。
今回のテーマは、知っているようで勘違いしがちな、内臓のお話です。
Contents 目次
胃の大きさは3か月単位で決められる!?
胃が小さくなったなぁと感じたことや、食べても食べてもまだ入る! と感じたことはありませんか? 満腹感は、胃の大きさにも関係しているのです。
「胃は入ってきた食物を伸びてため込み、胃液と混ぜ合わせて細かくし、次の消化器官である十二指腸へ少しずつ送り込むのが仕事。つまり、消化のほかに一時的な貯蔵という役目もあるのです。その容積は大人で約1.5Lですが、食べ過ぎを3か月以上続けていると、それに適応して胃が大きくなり、満腹感も得にくくなります。逆に、腹八分目を心がければ、胃が小さくなり、少量でも満足できるようになるのです」(生活習慣病総合研究所・工藤一彦先生)。
ちなみに、食べ過ぎると、消化機能を強化するために胃や腸に血液が集中し、脳への血液循環が減るので脳の活動が低下して眠くなります。食べたあとに眠くなるのは自然現象ですが、食べ過ぎは胃腸のオーバーワークにつながって負担増!「お腹いっぱいになって眠くなるのが気持ちいい~」なんて人は、食生活を見直しましょう。
「食べ過ぎ防止には、満腹中枢を刺激することが大事。もっとも強く満腹中枢を刺激するのが血糖値です。食事をすると血液中のブドウ糖の割合が上がり、それによって満腹中枢が刺激されるのです。血糖値は食事開始後15分くらいから上昇するので、食事は30分以上かけてゆっくり食べたほうが満腹感を得やすいですよ」(工藤先生)
水をいっぱい飲むのは負担増!?
水は飲めば飲むほど代謝が上がる! と思っている人はいませんか? 「0kcalだし毎日飲めるだけ飲んでいる」なんて人は要注意。水をたくさんとったからといって、体の代謝機能がアップすることはないのです。
「むしろ、水分代謝が悪い人やむくみやすい体質の人が飲み過ぎれば、体内に余分な水分が蓄積して体重が増えたり、ますますむくみが悪化してボディラインに悪影響を及ぼすこともあるのです。さらに、水の飲み過ぎは体内の水分量を調節している腎臓にとっても負担が大きいほか、胃液などの消化液が薄まって消化・吸収の妨げにもなります。1日に飲む水の量は800~1300ml(食事に含まれる水分量1000mlは除く)を目安とし、数回にわけて飲むよう心がけましょう」(工藤先生)
肝臓が3日の猶予を作ってくれる
ダイエット中とはいえ、たまにつき合いで食べ過ぎてしまうこともありますよね。そんなときは、3日以内に対策をとりましょう。
「食事をしたり、運動をしたりした影響が体に現れるまでには約3日かかると一般的には考えられています。つまり、食べ過ぎたからといってすぐに体脂肪になるわけではないのです。糖質や脂質は一時的に肝臓に蓄えられ、そこで中性脂肪に合成されてはじめて脂肪細胞に送られるので、食べたものが体脂肪になるには多少の猶予があります。ただし、肝臓にストックできる量には限りがあるので、できるだけ早く対処したほうがいいのは確か。ごちそうを食べたら、次の2日間は質素な食事を心がけ、プラスマイナスをゼロにすれば大丈夫です」(工藤先生)
意外に知らない内臓のこと、少しだけ理解が深まりましたか? これからもずっとつき合っていく自分の体ですから、それぞれの特性や機能を押さえつつ、大事にしていきたいですね。
監修/工藤一彦、取材・文/熊谷理子、渡辺律子<オフィス・エール>