仕事や子育てで忙しいアラフォー世代。体の節目を迎え、「以前より不調がつらくなった」など、体調の変化を感じていませんか? ここでは、アラフォー世代に多いトラブルにスポットをあて、不調改善に効くおすすめのパワーフードを管理栄養士の大越郷子先生にアドバイスしていただきます。
Contents 目次
アラフォー世代の不調…「冷え」
冷えをほうっておくと、便秘やむくみ、肩こり、婦人科トラブル、免疫力がダウンして風邪を引きやすくなるなど、さまざまな不調を招くことに。冷えの予防や改善には、体を冷やさないことが基本中の基本。
「食べものや飲みものは、冷たいものは避けて温かいものを選び、体内から温めることが大事。スープや鍋などはおすすめのメニューです。
豆腐など冷たいものを食べるときは、加熱調理するか、冷や奴やサラダにするなら体を温めるしょうがやねぎをトッピングするなど、食べ方や食材の組み合わせを工夫して体を冷やさないようにしましょう」(大越先生)
→冷えに効く栄養素や食材はこちら!
【ビタミンE】
血行を促進する作用があり、野菜やフルーツなどに豊富なビタミンCやにんじんなどの緑黄色野菜に多いカロテンといっしょにとることで抗酸化力が高まり、血液サラサラに。
● パワー食材:かぼちゃ、アボカド、ナッツ類、サーモン、うなぎなど
【香味野菜】
にんにくなどに含まれるアリシン、しょうがのジンゲロールやショウガオールなど、香味野菜特有のにおい成分や辛味成分には血流をよくする働きがあり、体温め効果が期待できます。
●パワー食材:しょうが、にんにく、長ねぎなど
アラフォー世代の不調…「婦人科トラブル」
つらい生理痛やPMS、生理不順、イライラや落ち込み、冷えのぼせといった更年期に似た症状など、女性ホルモンが乱れるとさまざまなトラブルを引き起こします。
「女性ホルモンのバランスをよくするには、たんぱく質やビタミン・ミネラルを十分にとり、神経伝達機能や免疫機能を強化することが大切です。ダイエット中だからといって糖質や脂質をとらないのも女性ホルモンの低下につながり、よくありません。
加齢に伴って女性ホルモンが減少すると、カルシウムの吸収率が低下するので、骨の材料となるカルシウムやビタミンDをいっしょにとるようにしましょう。
女性にうれしい栄養成分がいっぱいの大豆・大豆製品は、積極的にとりたい食材です」(大越先生)
→女性ホルモンのバランスをアップしてくれる栄養素や食材はこちら!
【カルシウム】
丈夫な骨づくりの基礎となる大事なミネラルで、骨粗しょう症の予防にも不可欠。神経を鎮める作用もあるのでイライラの緩和にも役立ちます。
●パワー食材:魚、乳製品、海藻など
【ビタミンD】
カルシウムやリンの吸収をサポートして骨への沈着を促し、強い骨を作ります。
●パワー食材:魚、乳製品、きのこ類
【大豆・大豆製品】
大豆に含まれる大豆イソフラボンが女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをし、ホルモンバランスを調整してくれます。大豆製品はまんべんなく食べるようにし、さまざまな栄養成分をバランスよくとるようにしましょう。
●パワー食材:大豆、豆腐、豆乳、納豆、きなこ、厚揚げ、油揚げ、おから、高野豆腐など
女性ホルモンのバランスは、食べものだけでなく、生活スタイルも多いに関わってくるのだそう。
「たとえば、毎日同じ時間に寝て睡眠をしっかりとっているかどうか、偏った食事をしていないかどうかなど、日々の生活を見直してみましょう」(大越先生)
規則正しい食事、適度な運動、十分な睡眠、疲労やストレスをためないことなどが女性ホルモンをパワーアップし、不調を吹きとばすカギとなります。
アラフォー世代の不調…「体のだるさ、貧血」
疲れやすい、倦怠感がある、立ちくらみやめまいがするなど、貧血ぎみの症状が気になるときは、鉄分不足が考えられます。女性は毎月、生理の出血とともに鉄が失われてしまうので、ふだんから積極的に補給することが大切です。
「鉄には動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品や卵、乳製品に含まれる非ヘム鉄があり、両方からまんべんなくとるようにします。非ヘム鉄は体に吸収されにくいのですが、ビタミンCと合わせることで吸収率がアップするので、緑黄色野菜やフルーツなどといっしょに食べましょう。赤血球のヘモグロビンをつくるたんぱく質をとることも大切です」(大越先生)
→だるさ・貧血対策に効く栄養素や食材はこちら!
【鉄】
血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの主成分。たんぱく質やビタミンCといっしょにとるのが効率よく吸収するポイントです。
● パワー食材:
【ヘム鉄】赤身の肉、レバー、赤身の魚など
【非ヘム鉄】大豆・大豆製品、野菜(とくに葉ものなど)、海藻、ごまなど
不摂生のツケが40代、50代に回ってくるので、本来は若いときから養生して体のケアを習慣づけるのが理想的です。でも、アラフォー世代でもまだ間に合うので、悩みに効く食材をおいしく食べて元気な体をとり戻しましょう!
取材・文/鹿野育子