日本の夏は暑くてジメジメ。ぐっすり眠れず、朝から疲れを感じることも。そんな時季でも気持ちよく眠るにはどうしたらよいでしょう。
予約3か月待ちの生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんにうかがう、【睡眠のお悩み解決】。今回は、寝苦しい夜の“エアコン問題”を解決していただきます。
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CASE8
夏は寝る時間、起きる時間に合わせてエアコンをセット。でも、寝苦しくてときどき目が覚めちゃう。つけっぱなしだと風邪をひくし、どうしたらいいですか?
小林先生のお答え
寝苦しい夜はエアコン26℃設定で朝までぐっすり
就寝中の“エアコンつけっぱなし”は体によくないと思い込んでいる人が多いのですが、夏の夜は26℃の設定でつけっぱなしがベストです。
日中、起きているときは肌寒いと感じたら服をはおるし、暑かったら脱ぎますよね。でも、睡眠中はそこまでの意識はないし、行動もできません。加えて、日中に最高のパフォーマンスで仕事や家事をするためには、夜に最高の眠りを得る必要がありますから、電気代には少々目をつぶっても。
冬は16~19℃と少し暖かいほうが眠りやすいのですが、10℃以下でもお布団があればふつうに眠れるという研究報告もあって、寒さはそれほど問題ではありません。でも、暑さは眠りの一番の大敵! 夜中などに目が覚めてしまう中途覚醒も増えてしまいます。
入浴前にエアコンをセット。寝るときは体に当たらない風向きに
まずは、お風呂に入る前に寝室のエアコンを24℃ぐらい、風量強めに設定してスイッチオン。上がったあとで「極楽!」と感じるような涼しさにしておきます。エアコンの設定温度は実際の室温と違うことも多いので、100円ショップのもので十分ですから、温度計と湿度計を用意して、チェックしながら設定しましょう。1℃違うだけでも、体感がかなり変わってきます。また、快適な湿度は60%以下と覚えておいてください。
寝室に入ってちょうどいい温度になっていることを確認したら、風量は自動にして室温は26℃でキープ。そして、風向きは必ず自分に直接当たらない向きで一定にします。フワッフワッと風がかかると寝始めは気持ちがいいのですが、そのまま寝てしまうと風が当たるたびに体表面の血流が悪くなってしまって、より寒く感じます。
私たちの体温は19時ごろが一番高くて、明け方4時ぐらいにかけて低くなっていくのですが、ぐっすり眠るためには体温が急降下することが大切です。それなのに、エアコンが当たって血管が収縮してしまうと、逃がさなければいけない熱が体内にこもってしまうので気をつけて。最近のエアコンなら人感センサー付きで、当たらない設定が簡単にできるはずです。
掛け布団と薄手のレッグウォーマーもご一緒に
私は夏も冬も夜はエアコンをつけっぱなしなので、掛け布団は1年中同じものを使っていますが、夏はタオルケットだけで過ごす人もいますよね。ただ、エアコンをつけていると体温がもっとも低い朝4時ごろには少し寒く感じることもあります。その時間であれば眠りも浅くなっているので、眠ったまま暑さ、寒さを感じて自分で布団をめくったり、掛けたりできるので、掛け布団はあったほうがいいのでは。体が冷えて、起きたら鼻がグズグズなんてこともなくなります。
エアコンをつけて寝るようになったら、夏でもレッグウォーマーをつけましょう。綿素材や薄くてやわらかい素材のものでかまいません。足首は筋肉も脂肪も少ないし、ズボンがめくれて冷えやすいので、それで寒く感じて目が覚めることも。それに放熱が進んでぐっすり眠れます。逆にくつ下は放熱を妨げるのでNGです。
さて、夏の睡眠中のエアコンは必須ですが、日中に職場は冷房がきつくて、屋外は猛暑と気温差の激しい環境にずっと身を置いていると、自律神経の機能も落ちてしまいます。週末にでもエアコンをオフにして窓を開け、汗をいっぱい流して体温を下げる機会を使ってみるのも、体のメンテナンスにおすすめです。