ぬか漬けとは、米ぬかを乳酸発酵させたぬか床の中に野菜などを入れてつくる、日本を代表する漬け物のひとつ。ぬか漬けでつくった漬け物には、普通の野菜よりもビタミンや乳酸菌がたっぷりです。美容と健康にとってもいいぬか漬けを食べて、体の中からエイジングケアをしていきませんか? 管理栄養士の大越郷子先生に聞いた、簡単ぬか漬けのつくり方も要チェックです!
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ぬか漬けには生野菜では取りきれない栄養素がいっぱい!
ぬか漬けは野菜のビタミンを壊さず、さらにパワーアップさせて食べることができ、漬けるだけで野菜の栄養素が増える魔法のような調理法です。
「そもそも『ぬか』にはビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、なおかつ発酵してつくる『ぬか床』は、タンパク質、脂質、ビタミン類が多く含まれますので、野菜を漬けることで、生野菜だけでは取りきれない栄養素がプラスされます」(大越先生)
とくにぬか漬けには、ビタミンの中でも特に、ビタミンB1が多く含まれており、「体に摂取した糖質をエネルギーに変える効果などがあり、代謝アップ効果が期待できます」(大越先生)
また、ぬか漬けには乳酸菌も豊富!
「乳酸菌とは、乳酸を作る微生物のことで、腸内の環境を整え、便秘解消やコレステロールを低下してくれる効果があります。免疫力を高める効果などもありますので、毎日少しづつでも食べるのが、乳酸菌補給になります」(大越先生)
○ビタミンB1
炭水化物(糖質)をエネルギーに変換し、基礎代謝のアップにつながる。疲労回復、神経や筋肉を正常に保ちます。不足すると、イライラや集中力低下の原因に。
○乳酸菌
腸内環境が整われ、美肌、免疫力アップ、太りにくくなるなど、美容&健康に大きな効果が。ヨーグルトなどの乳酸菌よりも、植物性乳酸菌は生きたまま腸に届きやすいのがうれしい。
おいしく食べるためのポイント
ぬか漬けは漬け込む時間が長いと、どうしても塩分過多になり、ついついご飯の量が増えてしまうこともありそうですが、どうでしょうか。ポイントをうかがいました。
「浅漬けならば、さっぱりと食べられ、塩分もほどよいので、サラダ感覚で野菜をたくさんとることができますね。また、古漬けになった塩分の多い物は、炒め物に使ったりチャーハンの具材として使い、その塩分を調味料代わりに使っても、おいしくいただけます。漬ける野菜もきゅうりや大根だけではなく、にんじん、かぶ、うずらの卵、白菜など、さまざまの野菜を組み合わせると、よりいろいろな栄養素を摂取することができますよ」(大越先生)
自宅で簡単にぬか漬けをつくるには?
本格的なぬか床をつくるのもいいけれど、初心者にはでハードルが高いですよね。大越先生のオススメは、保存用のビニールなどで、ちょっとずつ増やしていく方法です。
「今は、『ぬか漬け』のキットなども売っていますので、最初はそういったものから、始めてもいいと思います。また、最初から大きな容器で始めるのは大変なので、保存用のビニール袋などできゅうり1本ぐらいから漬けていき、少しづつ『ぬか』を増やしていくのもいいでしょう。始めるには、発酵にちょうどいい時期の5月頃がオススメです」(大越先生)
慣れてきたら大きな容器のぬか床にランクアップしていけばOK。
「つくり始めたばかりの頃は、毎日1〜2回は混ぜてほしいです。何年も年月がたった、安定したぬか床であれば、冬場などは2〜3日混ぜなくても多少大丈夫ですよ」(大越先生)
大越先生のおっしゃるとおり、まずはきゅうり1本からはじめてみましょう!
文/辻めぐみ