「きのこ」といえば秋の味覚と思いがち。でも、安定生産ができる現在、きのこは年中いつでも楽しめる食材だそう。味や使い勝手のよさに加えて健康寿命を延ばしてくれる食材としても注目され、生産量も年々アップ。なかでも生しいたけ、まいたけ、エリンギは人気上昇中だそうです。

そんなお話を雪国まいたけの社長・足利巌さん、マーケティング部の湯澤尚史さんから聞いたあと、昭和大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科学部門教授の山岸昌一先生による講演「アンチAGEでアンチエイジング」が行われました。

老化の正体はたんぱく質と糖が結びついてできた「AGE」！

「老化とは何か？」という、いきなり核心を突く話題で始まったこの講演。「老化とは何か」、それは「つけとしてAGEがたまるから起こる」現象だそう。AGEとは体内のたんぱく質（コラーゲンなど）が、外から入ってくる糖と、熱によって結びついてできる物質のこと。このAGEが体内に蓄積すると細胞のハリや柔軟性が失われ、シミやシワの原因になるとか。

「歳をとるのは仕方ないこと。だから老化も仕方のないこと」この考え方に、山岸先生は「そんなことはない」と言います。同じ年齢でもAGE化が進んで老化が早く起こってくる人と、そうでない人がいる。ということは、何か対応の仕方があるのでは？　AGEを体内にためないためにできることはないのでしょうか。

「睡眠不足、運動不足、喫煙。これがとても悪いです」（山岸先生）。とくに喫煙はほかにどんなに体にいいことをしていても、それを台無しにしてしまうくらい老化を促進してしまうそう。

食生活も、もちろん体に大きな影響を及ぼします。AGEを多く含む食品は「焦げ」のあるもの。だから、高温で揚げ焼きした料理ばかり食べるのはNG。「でも、何もかもダメといっているのではないんですよ。『健康』っていうのは体だけでなくて心も健康、社会的にも健康ということ。だから、同僚とのつき合いを断ってまで『焼肉を食べに行くな』というわけじゃない。ただ、たとえば、焼き肉、焼き肉、しゃぶしゃぶ、のように、焼き肉が続いたら次はしゃぶしゃぶにするというような、食べ方の工夫が必要だということです」（山岸先生）

そして食後の血糖値の上昇を抑えることも、体内で作られるAGE量を抑えるうえで効果的なんだそうです。そこで注目されるのが、お待たせしました、「まいたけ」です！

老化を防ぐ！ まいたけの３つの効能

AGEを吸着する効果のある食べもの、気になるところですよね。この日、山岸先生があげていた食材は、キトサンが含まれるさくらえび、食物繊維が豊富なまいたけでした。とくに雪国まいたけは食物繊維が多く含まれるそう。

「AGEを吸着するだけでなく、まいたけ抽出物にはAGEの形成を阻害する働きがあることがわかっています。糖とたんぱく質の結合を３分の２くらいまで押さえることができるんです」と山岸先生。さらにまいたけには食後の血糖値上昇を抑える作用もあるとのこと。
つまり、まいたけは次の３つの作用があるという点から、アンチエイジングにおいて優秀！といえるそうなんです。

■まいたけのアンチエイジング（抗糖化）作用
・AGEが吸収されるのを抑制する
・AGEが体内に形成されるのを抑制する
・食後の血糖値が急上昇するのを防ぐ

講演会のあとは、まいたけを使ったレシピの試食がありました。どれもこれもおいしかったのですが、「きのこが苦手な子どもも巻き込んで一緒に食べられる！」と思ったのが、「お野菜たっぷりラタトゥイユ」でした。レシピを見たら家でもカンタンにできそうだったので、作ってみました。

「お野菜たっぷりラタトゥイユ」レシピ大公開！

【材料】
雪国まいたけ極　１パック
なす　１本
ズッキーニ　1/2本
パプリカ　1個（赤・黄各1/2個使用）
たまねぎ　1/2個

(A)

・オリーブオイル　大さじ２
・あら塩　小さじ１
・こしょう　適量

トマト缶　200ｇ（1/2缶）

１、雪国まいたけを食べやすい大きさに手でほぐし、なす、ズッキーニは１cmの厚さの半月切りに、パプリカとたまねぎはひと口大に切る。

２、耐熱容器に１の材料とAを加えてよく混ぜ合わせ、ふんわりラップをかけ、電子レンジ（600ｗ）で５分加熱する。
３、トマト缶を加えて全体を混ぜ合わせ、さらに５分加熱する。

これででき上がりなのですが、ひと晩～１日置くと、さらに味がなじんでおいしくなるとのこと。もちろんしっかり１日寝かせていただきました。
カンタンでおいしいので、ぜひ試してみてくださいね。

（編集　まりりん）

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