冬は冷えや乾燥が気になる季節。けれど、それ以上に心配になるのは、風邪やインフルエンザなどの感染症。いつも以上に栄養のある食事を心がけている人もいるのでは。そんななか、私たちに馴染み深い食材、納豆にインフルエンザの予防効果があることが、研究により明らかになってきたようなのです! おかめ「納豆サイエンスラボ」の研究結果発表会にて、納豆の新たな健康価値について話を聞いてきました。
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2000種以上ある納豆菌から発見! 免疫力を高める納豆菌とは
『納豆は健康にいい』、漠然としていますが、多くの人が共通して持っている納豆へのイメージではないでしょうか。そのイメージに対しての裏付けともいえる研究を、長年に渡り行っているのが「おかめ納豆」で知られるタカノフーズ。そのタカノフーズから新たに発見されたのが、免疫力アップを期待される「S-903納豆菌」。この「S-903納豆菌」は、これまでに収集された2000種以上ある納豆菌の中から見つけ出され、従来の納豆菌よりも、免疫に対する機能性が約1.5倍高いのが特徴です。まさにスーパー納豆菌といえそうですね。
「S-903納豆菌」はインフルエンザウイルスの増殖を抑制する?
中部大学 生命健康科学研究所 客員研究員の林京子先生のお話によると、免疫力を高める効果が期待される「S-903納豆菌」ですが、実際にマウスをつかって行った実験では、このようなことがわかってきたそう。
「マウスをインフルエンザウイルスに感染させる前後2週間、毎日2回、口から納豆菌を与えたところ、肺、気道のインフルエンザウイルスの増殖を抑制したことが明らかになりました。また、感染後には、病原体を体の外へ追い出そうとする抗体の生産量を高めることがわかったのです。つまり、「S-903納豆菌」には、インフルエンザの予防効果が期待できるということになります」(林京子先生)
また、タカノフーズが人で行った検証結果からは、鼻炎症状に効果が見られたのだそう。通年制アレルギー性鼻炎症状のある19歳から57歳までの男女に、「S-903納豆菌」入りの納豆を8週間食べてもらったところ、鼻や喉などの粘膜で、微生物の侵入を防ぐ役割を持つ「slgA」の分泌速度が、検証前から8週目にかけておよそ2倍へ変化。このことから、「S-903納豆菌」は粘膜の免疫を向上させ、鼻炎症状を改善する可能性があることがわかってきたのです。そのほかの検証でも、花粉症における鼻炎症状の緩和が見られるなど、納豆の健康価値が研究によって明らかになってきています。
今後、「S-903納豆菌」がインフルエンザなどの感染症対策や、鼻炎症状などの緩和に活躍してくれる日も遠くはないかもしれませんね。日本が誇る発酵食品、納豆に今後も要注目です!