CATEGORY : ヘルスケア |疲れ
疲労は予防できる? コンディショニングスペシャリストに聞く「疲れる前に」とっておきたいサプリメント
前回、コンディショニングスペシャリストの桑原弘樹先生に「疲労」のメカニズムと、「疲労回復」に効果的なサプリメントについて伺いました。今回のテーマは「疲労を予防すること」。疲れを感じたあとの対策も大切ですが、未然に防げたらうれしいですよね。疲れをため込まないために、日常的に摂取したいサプリメントについて教えてもらいました!
Contents 目次
体内に蓄積できない「ビタミン」は、意識的にとり入れたい栄養素
――前回の記事で、疲労を回復させるために、クエン酸やグルタミン、抗酸化剤などが効果的だと伺いました。では疲労を「予防」することは可能なのでしょうか?
「日常的にビタミンを摂取して、十分に足りている体内環境を作ることが疲労の予防につながります。
ビタミンは体の中で生成することができない栄養素なので、食べものやサプリメントなどから摂取することが必要です。ビタミン不足は疲れやだるさを感じさせ、さまざまな不調の原因になるとも言われています」(桑原先生)
――ビタミンにはさまざまな種類がありますが、「疲労」という観点で見るなら、どの種類をとっておくべきでしょうか?
「いちばんおすすめなのは『ビタミンC』です。しかし、ビタミンは相互に影響し合うものなので、『ビタミンB群』と組み合わせてとることをおすすめします。これらのビタミンは水溶性ビタミンと言って、水に溶けやすく体内に蓄積させることができないので、食品やサプリメントでコンスタントに補いたいですね。
また疲労回復のための栄養素として、前回お話した『グルタミン』。これも消耗しやすい栄養素で、なおかつ不足に気がつきにくい物質でもあります。グルタミンが体の中で不足してしまうと免疫細胞が弱ってしまいます。
『ビタミン』と『グルタミン』がしっかり足りているという体内環境が疲れにくい体と言えるでしょう」(桑原先生)
体内で生成しにくい「EPA」と年齢とともに減少する「コエンザイムQ10」
――ビタミンやグルタミン以外で日常的に摂取しておくとよい栄養素はありますか?
「イワシやサバなどの青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)も、前述したビタミン同様、体内でほとんど生成することができない成分です。EPAは血管や血液の健康維持に欠かせないもの。血液の循環をよくするということも疲労回復につながるので、意識的にとっておくといいでしょう。
また、体のほとんどの細胞に存在する『コエンザイムQ10』は、エネルギーを作り出すために必要な物質。強い抗酸化作用もあるため、日常的に元気に過ごすうえで効果的な成分です。しかし20代をピークに減少していくため、サプリメントなどで補ってあげるといいと思います」(桑原先生)
――なるほど。年齢によっても不足しがちな栄養素は変わってくるのですね。それでは、サプリメントの摂取を意識したほうがいい年齢はいつ頃なのでしょうか?
「年齢で見るなら、30代半ばです。成長ホルモンの分泌や関節の動きを助けるグルコサミンなど、体内で合成される物質が作られにくくなってくるのが30代半ばと言われています。そこをひとつのポイントとして、予防の意識を高めるといいのではないでしょうか」(桑原先生)
今回のお話で、疲れを予防するための栄養素の中には、体内での生成が難しかったり、年齢によって減少したりするものがあるということがわかりました。食事やサプリメントでじょうずに補って、疲れ知らずの体作りを心がけましょう!
取材・文/佐藤有香