昼休みに昼寝タイムをとっている人はどのくらいいるでしょうか? 昼寝すると疲れや眠気がとれ、頭がすっきり。午後の勉強や仕事をはかどらせてくれると感じます。スイスの研究グループが昼寝の効果を調査。意外な健康効果につながる可能性があると報告しました。昼寝の効用とは?
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スイス人約3500人を対象に調査
昼寝は健康につながるとこれまでもいわれてきました。このたびスイスの研究グループは、スイスのローザンヌに住む年齢35~75歳の男女3462人を対象に、昼寝の頻度や長さと心臓の病気との関連性を調査したのです。ランダムに選ばれた対象者は、過去1週間の睡眠状況と昼寝パターンのアンケートに回答。研究グループが、この対象者を平均5年間にわたり追跡調査しています。
わかったのは、1週間に1、2回の昼寝をしている人は、昼寝をまったくしない人に比べ、心臓発作や心臓まひの発症リスクを半分以下(48%)に下げるということ。また昼寝の頻度が多い人(週に3~7回)は、心疾患の発症リスクが調査開始時から67%も下がっていました。昼寝の長さ(5分と1時間以上)と心疾患の発症には、関係はみられませんでした。
心臓発作のリスクを下げる
しかも、さらに詳しく調べると、その人の年齢などにかかわらず昼寝をすることが心臓の病気を減らす効果がありました。年齢に関係しないほか、睡眠時間が長くても短くても昼寝は効果的だと判明。また、高血圧や高コレステロールといった心臓病につながるような健康の問題がある場合もない場合も昼寝をしたほうがよいという結果になったのです。
同じように、昼間の眠気がある人でもない人でも昼寝は有効だったほか、うつ病の有無でも結果は変わりませんでした。
研究グループは、「昼寝は心臓の健康に効果がある」と結論。今後は、どのような昼寝の仕方がよいのかなど、健康効果についてさらなる研究も進むことになりそうです。
ふだんの生活に昼寝をもっとじょうずにとり入れるとよいのかもしれません。
<参考文献>
Once or twice weekly daytime nap linked to lower heart attack/stroke risk
https://www.bmj.com/company/newsroom/once-or-twice-weekly-daytime-nap-linked-to-lower-heart-attack-stroke-risk/
Heart. 2019 Sep 9. pii: heartjnl-2019-314999. doi: 10.1136/heartjnl-2019-314999. [Epub ahead of print] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31501230