緑茶、紅茶、ウーロン茶など、お茶の健康効果については日本を含めて世界中から研究報告が挙がっていて、がんになりにくいという結果まで出ています。このたびさらに、脳の健康にまでよさそうという報告が。「お茶をたくさん飲む人は、認知機能を健全に保てるかもしれない」というのです。
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脳内ネットワークの変化を調べた
お茶の健康効果について次々と新しい研究結果が報告されるようになっています。気分の改善や心臓・血管の病気の予防などのほか、乳がんや口のなかのがんを減らすような効果などさまざまですが、最近は、脳の働きを高めてくれるような面にも及んでいるようです。
今回研究を行ったのは、シンガポール国立大学などの研究グループ。以前、研究グループでは、お茶を毎日飲む人は、飲まない人に比べて、認知機能の低下が少ないという研究結果を報告していました。今回、さらに、お茶をまったく飲まない人からたくさん飲む人まで36人に対して、認知機能などの検査と脳のMRI検査を受けてもらい、日ごろどれくらいお茶を飲むかで脳内ネットワークにどのような違いがあるかを調べたのです。
情報処理が効率的になる?
わかったのは、お茶(緑茶、ウーロン茶、紅茶のどれでも)を週に4回以上、およそ25年間飲んでいた人たちは、ほとんど飲んでいなかった人たちに比べて、脳内ネットワークがより効率的につながっていることでした。脳内の領域間の接続を“道路網”と考えると、道がよく整備されているので車や人がスムーズに移動できるとのこと。つまり、情報が効率的に処理されるそう。
この結果から、研究グループは「お茶を飲んでいると認知機能によい影響があるのは、脳内のネットワークの流れがよくなって脳のシステムが改善されるため」と指摘。認知機能と脳のシステムは複雑に関連していることから、さらなる研究を進めていく計画です。
お茶の効果は本当に幅広く、ますます期待が寄せられています。
<参考文献>
お茶を毎日飲むことで得られるメリット、口の中のがんを防ぐ?
https://fytte.jp/healthcare/77897/
Habitual tea drinking modulates brain efficiency: evidence from brain connectivity evaluation
https://www.aging-us.com/article/102023/text
Aging (Albany NY). 2019 Jun 14;11(11):3876-3890. doi: 10.18632/aging.102023.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31209186