野菜や果物中心の食事にすると、健康にはよいと思われがち。ですが、いくらよいといっても、偏食するのは好ましくないようです。英国の研究グループが18年にわたって、食べる物と病気の関係を調べたところ、食べる物によって増える病気が異なることが明らかに。ベジタリアンで減る病気もありますが、増えやすい病気も見えてきました。
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よく食べる物でなりやすい病気は変わる?
世界中で野菜中心のベジタリアンが人気です。不二製油グループ本社の調査によると、米国では低年齢層の約4割がベジタリアンというデータも出ているほど。日本でも、ベジタリアンへの関心が高まっているようです。野菜中心の食事にする背景には、健康志向のほか、文化的、宗教的な理由もあるといいます。
従来の研究からは、野菜中心の食事は、さまざまな病気を防ぐメリットがあると示されてきました。このたび英国の研究グループは、およそ4万8000人を対象に18年間にわたる追跡調査を行い、ベジタリアンの食生活を送ることで病気にどのような影響があるかを分析しました。
肉を食べる人より脳卒中が増えた
わかったことは、心臓病を減らす可能性がある一方で、脳卒中が増える可能性があるということです。心臓の病気である虚血性心疾患は減っていましたが、脳卒中は肉を食べる人と比べて1.2倍。脳卒中のなかでも脳出血に絞ると1.43倍となっていました。
また、脳卒中は野菜中心のベジタリアンのほか、乳製品や卵なども食べないヴィーガンの人でも増えたのですが、肉は食べないものの魚は食べるペスカタリアンでは増えていませんでした。つまり、肉や魚をいっさい食べない場合に脳卒中が増える恐れがあることが示されたのです。
野菜中心の人が増えるなかで、一般的に健康へのメリットはあると考えられていますが、あまり偏った食べ方だと思わぬ問題にもつながる可能性も。今回の結果からは少なくとも魚を食事にとり入れるのは大切だといえそうです。
<参考文献>
不二製油グループ本社「<食への意識に関する調査結果> 大豆製品、たん白源として肉類・乳製品を上回る 「Plant-Based Food(植物性由来食)」国内で定着の兆し」
https://www.atpress.ne.jp/news/150244
Risks of ischaemic heart disease and stroke in meat eaters, fish eaters, and vegetarians over 18 years of follow-up: results from the prospective EPIC-Oxford study
https://www.bmj.com/content/366/bmj.l4897
Vegetarian Diet Linked to Lower Heart Disease, But Higher Stroke Risks
https://www.jwatch.org/fw115788/2019/09/05/vegetarian-diet-linked-lower-heart-disease-higher-stroke
Vegetarian diets and health
https://www.bmj.com/content/366/bmj.l5272