美容にも健康にも、お茶はよい効果をもたらすことが研究から示されてきました。期待されるメリットはさまざまですが、好ましい影響は脳にも現れるようです。このたび、中国の研究グループが、お茶を飲む習慣が脳にポジティブな変化をもたらしてくれると報告。お茶の一杯が、頭をよくしてくれるならうれしいところです。
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お茶は脳にどんな影響を与える?
お茶は世界中で古くからよく飲まれている飲み物。中国では、紀元前2700年ごろにはすでにお茶が飲まれていたと示す記録が残されているそう。お茶は煎じて飲むだけでなく、その成分は食品などにも使用され、アジア、特に中国や日本で広く普及しています。
お茶にはカテキン、テアニン、カフェインといった健康によい効果をもたらしてくれる成分も豊富。ストレス緩和、心疾患やがんの予防、死亡率の低下などに効果があると複数の研究により報告されています。
このたび中国の研究グループは、シンガポールに住む健康な高齢者のなかから、お茶を飲む頻度に基づいて研究対象者を選定。お茶を飲む習慣があるグループ(15人)とお茶を飲む習慣がないグループ(21人)の2つのグループに分け、お茶を飲む習慣と脳の関係性について分析しました。
お茶を飲むと脳の神経回路が活発に
その結果、わかったのは、お茶を飲む習慣が、脳の構造にポジティブな影響をもたらしている可能性があるということです。というのも、脳を写したMRI画像を分析したところ、お茶をよく飲む人は、脳の左右が鏡に映したように、きれいに対称になっている傾向が見られたのです。さらに、お茶を飲む習慣のあるグループでは、安静時に神経活動が高まる脳領域での神経活動が増えることが確認されました。研究グループによると、お茶の特定成分が効果を発揮しているというよりも、お茶のさまざまな成分が組み合わさって効果を現している可能性があるそうです。
研究グループは、今回の研究結果について、「小規模でデータに限界のある調査」と認めつつも、「お茶を飲む習慣には、脳の構造にポジティブな影響があることを初めて示したもの。老化に伴う認知能力の低下防止にもつながる可能性がある」と説明しています。
お茶は日本でも昔から親しまれてきた飲み物。最近では、スーパーやコンビニでも大量にペットボトルで売られています。老化防止のためにも、積極的に飲むようにするとよさそうです。
<参考文献>
Habitual tea drinking modulates brain efficiency: evidence from brain connectivity evaluation
https://www.aging-us.com/news_room/habitual-tea-drinking-modulates-brain-efficiency-evidence-from-brain-connectivity-evaluation
Aging (Albany NY). 2019 Jun 14;11(11):3876-3890. doi: 10.18632/aging.102023.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31209186