片頭痛はふだんの生活と深く関係していると考えられることがあります。特定の食べ物を食べたり、運動や睡眠などの特定の状況にあったりすると、痛みが突然現れることも。このほど、そうした痛みとうまくつき合っていくためのスマホアプリが開発され、米国の研究グループがその有効性について報告しています。
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アプリが片頭痛とのつき合いに有効?
日本において頭痛に悩まされている人の割合を男女別で見るとどうでしょう。2016年の厚生労働省の国民生活基礎調査によると、頭痛の症状があったのは男性が2.13%、女性では5.06%と、女性のほうが顕著。米国では片頭痛を抱える人は3600万人と一般的な症状となっています。
こうしたなか、米国の研究グループが片頭痛の痛みをスマートフォンのアプリを使って、軽減できるかを検証。症状を抑えるために意味があると報告しました。
研究は、頭痛日誌をつけてもらったうえで、アプリに従って「漸進的筋弛緩法(PMR)」と呼ばれる筋肉をほぐす予防法を実践し、痛みを軽くしようというもの。深呼吸しながら、筋肉を緊張させたり、ゆるめたりします。月平均13日、片頭痛の症状がある51人を対象に1日20分、アプリを使用してもらいました。
頭痛の症状などが軽くなる
その結果、わかったのは、頭痛の頻度が少なくなるということです。週に2回以上アプリを使った人は、片頭痛のある日が月当たり4日減少。使用が1回以下の場合には2日減少にとどまっていました。また、不安の症状やうつ症状も減ることもわかりました。
一方、課題はアプリをいかに使い続けてもらうかということ。6週間後、継続している人は51%に減り、3か月後には29%に落ちていました。研究グループはどのように継続使用を促すかが課題であると説明しています。
今回の研究で検証されたアプリはまだ公開されていないものですが、今後、日本でも片頭痛を軽くするためにアプリが広く使われることもあるかもしれません。
<参考文献>
厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html
Smartphone Relaxation App Helps Some Manage Migraine
https://nyulangone.org/news/smartphone-relaxation-app-helps-some-manage-migraine
NPJ Digit Med. 2019 Jun 4;2:46. doi: 10.1038/s41746-019-0116-y. eCollection 2019.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31304392