「人を好きになると、キレイになれる」なんていわれることがあります。たしかに、恋をすると、体や脳のなかでホルモンや神経の働きが変化。たとえば、「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンが増え、つながりや愛着が強くなるなど、さまざまな研究結果が出ています。このたびポーランドの研究グループが、恋をすると女性の体に現れる変化について新たな報告をしています。
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血液中のホルモン量を比較
恋をしたときに体や脳に変化が起きることが知られており、過去の研究からは、人の愛情関係にはホルモンが影響することが明らかになっています。たとえばカップルのつながりや愛着といった心理面に関連する愛情ホルモン「オキシトシン」の変化が挙げられます。このオキシトシンは、女性の妊娠をコントロールしている内分泌系(ホルモンを分泌する器官の経路)にもかかわっていることが知られています。
しかし、そのとき実際に体内でどのようなことが起きているのかは、じつはさほどわかっていませんでした。ポーランドの研究グループは、恋をしたときに、心理面ばかりでなく、女性の体内のさまざまなホルモンがダイナミックに変化しているのではないかと、研究を進めました。
研究グループが研究の対象としたのは、男性と恋愛中、または恋愛が始まったばかりの女性(47人)と、恋愛中ではない独身女性(69人)。それぞれの女性の血液をとり、性ホルモンの量を比較しました。調べたのは、女性ホルモンである「エストラジオール」(エストロゲンのひとつで、増えると妊娠しやすくなる)、「ゴナドトロピン」(卵巣を刺激するホルモン)、男性ホルモンの「テストステロン」など。研究参加者は健康で順調に生理があり、経口避妊薬を使用していない24〜33歳の女性でした。
恋愛の最初から体も変化する
わかったのは、恋愛中か恋愛が始まったばかりの女性は、独特のホルモンの変化が見られるということ。分泌量が多くなっていたのは、ゴナドトロピン。少ないのは、テストステロンでした。恋愛の最初から卵巣は活性化されており、妊娠しやすい状態にしているよう。その後、卵巣の働きが活発になるとエストラジオールも増えていきますが、恋愛初期の段階では、エストラジオールやプロラクチン(母乳を作るようにうながすホルモン)の量には差がありませんでした。
恋をすると起きるホルモンの大きな変化は、つながりや愛着といった心理面に加え、女性を妊娠しやすくする働きもあるよう。恋愛といえば、心の変化に関心が行きがちですが、体の変化もダイナミックに起こっているというわけです。
<参考文献>
Int J Environ Res Public Health. 2019 Oct 31;16(21). pii: E4224. doi: 10.3390/ijerph16214224.
https://www.mdpi.com/1660-4601/16/21/4224/htm
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31683520
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