足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足裏研究家の鈴木きよみさん。体や心の不調を解消する、足ウェルネステクニックをお伝えしていきます! 今回のテーマは、「1年間のたまった疲れをすっきり流す足刺激方法」です。何かと忙しい年末年始に風邪をひかない体作りにも役立ちます。
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1年の疲れの蓄積が年末の風邪を招く
いよいよ年末年始ですね! お正月を迎えるにあたって、ますます忙しい毎日ではないでしょうか。疲労がピークを迎えているという人も多いかもしれません。
今年の疲れの特長は、「目」から入るストレスによるものが多いと感じています。日本だけでなく世界でも火災や水害など、災害の映像をくり返し目にした1年だったと思いませんか? 美しい光景をみるよりも、辛い災害の映像をみることのほうが増えると、視覚を通して脳がストレスを受けてしまい、疲れが体に蓄積していきます。年末気分になり疲れを解放しようとふっと気がゆるんだときに、風邪のウイルスが入ってきてしまうのです。
新年を元気に明るい気持ちで迎えるためにも、1年頑張った自分の足相をしっかりチェックして、いたわるようにケアしてあげましょう!
今年の自分の体調を表す3つの足相チェックポイント
今年はどんな年でしたか? 足裏にある足相には、自分の体や心の状態が正直に映し出されています。自分の不調の原因や、体の弱点には必ずサインが現れているのです。基本の足相チェックポイントに沿って自分の足をじっくりチェックしてみましょう!
1.足裏の色
足裏の色は足相のもっとも基本となるチェックポイントです。血色のよいピンク色が理想的ですが、それ以外の場合はどんな体調を示しているのでしょうか?
【黄色】
風邪をひきやすくなっているサインです。
【紫がかっている】
体のだるさや疲れの取れにくさなど、病気まではいかなくとも体の不調の原因となる不定愁訴を表すサインです。
【赤みがある】
自律神経が乱れているサインです。
2.足の形
次に足の形全体を観察しましょう。力が入りにくく華奢で弱々しい印象をしていたら、エネルギーを使い切って疲れをためこんでいる状態です。
反対に全体的に大きくたくましい足の印象なら、今年を元気に過ごした実感があるのではないでしょうか?ただし足裏を指で押し、その跡が戻りにくい場合はむくんでいる状態なので足刺激でケアが必要です。
〈力が入りにくく弱々しい印象の足〉
3.足の反射区
足全体に触れて痛みを感じる部分があったら、その場所を反射区一覧で確認しましょう。その部位が今年もっとも疲れがたまっている場所を示しています。
疲れを解消し体調を整える足刺激テクニック
これは基本の足刺激テクニックで、日常的に行えば免疫力を高めて風邪をひきにくい体を作ります。3つの足刺激の流れで行ってみてくださいね。
1.腎臓・輸尿管・膀胱の反射区を刺激
足裏の腎臓から輸尿管を通り、膀胱までの反射区への刺激は、私が提唱しているクリニカルゾーンセラピーの施術で、もっとも基本的なテクニックです。次の3ステップで刺激していきましょう。
(1)腎臓の反射区への刺激は、指角でプッシュします。
(2)腎臓から輸尿管の反射区は、膀胱に向かって流すように指角を動かします。ゴリゴリとした手応えを感じたら、それをつぶすようなイメージで流していきましょう。
(3)膀胱の反射区への刺激は、指角でプッシュします。
2.肝臓・腎臓の反射区を刺激
足裏の肝臓と腎臓の反射区は、体にたまった毒素を排出するために欠かせない部位です。疲れを感じるときにはこの反射区を刺激するとびっくりするほど固く、強い痛みを感じると思います。
右の足裏には肝臓の反射区があります。手の人さし指の角を当てて、強めにプッシュします。痛みを感じる場合は力加減を調節しながら、痛みが和らぐまでしっかりと刺激しましょう。
両足裏の腎臓の反射区は、上のイラストの部位を参考に同じようにプッシュして刺激します。
<肝臓の反射区(右足)〉
3.親指をプッシュ
親指には脳と対応した反射区があつまっています。親指全体をもみほぐすようにして刺激すると、脳の働きがスムーズになり全身の体調を整えることにつながります。
疲れをすっきり流す年末年始の養生法
冬休みの間はいつもよりゆっくりお風呂に入って温まりましょう。体をゆるめて温めることが疲れを手放すおすすめの方法です。
【湯船にしっかり浸かる】
忙しいときは無意識に体に力が入っているものです。体の緊張を解くために、湯船にしっかりと浸かって体を温めましょう。体の元気を養うなら温泉がいちばんです。お休みの間に少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
【垢を洗い落とす】
1年の垢をキレイに落とすために全身をしっかり洗いましょう。普段から体を洗いすぎてしまうと肌トラブルのもとになりますが、年末年始だけは疲れを洗い流すようなイメージで全身を清めたいですね。お風呂上がりの保湿は忘れずに。
【足を塩で洗う】
お風呂の仕上げに足を塩で洗いましょう。イライラをしずめ、すっきりとした気分が感じられると思います。肌を傷つけないようになるべく粒子の細かい塩でやさしく洗ってくださいね。塩スクラブなどのボディ洗浄料を使ってもいいです。
ご自分の足はどんな表情をしていましたか? 足相をみることは、自分の体調を足と相談することだと考えます。足には健康な体を手に入れるためのヒントがたくさんつまっています。 この年末年始はしっかりと足を刺激して、すがすがしい気分で新年をお迎えください。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子、中村奈々子