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花粉症の人はじつは呼吸器系の病気に強い!? 死亡リスクが62%も減少…岐阜大学の報告
春の気配を感じると、寒さから解放される安心感はありますが、花粉症の人にとっては違った思いも生まれてくるでしょう。スギ花粉の飛散が徐々に始まり、鼻炎や涙目などに悩まされることも増えてくるからです。厄介な花粉症ですが、むしろ花粉症の人にとっては好ましい研究結果も。花粉症の人は病気になりにくい可能性があるというのです。
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花粉症と病気との間に関係が?
東京都の2016年の調査によると、都内でスギ花粉症となっている人は48.8%に上ると推定。花粉症は身近な問題といっていいでしょう。
日本気象協会の予想を参考にすると、2020年の花粉は少ない可能性があるものの、花粉症の人にとって花粉飛散時期は憂鬱なもの。花粉症シーズンは鼻炎や涙目などに悩まされることになりますが、長期的に見て体への影響はあるのでしょうか。岐阜大学の研究グループが1万2000人以上のデータから長期的な影響を分析し、その結果を報告しています。
肺の病気が少ない可能性
報告によると、花粉症の人は調査期間となるおよそ20年間の間に死亡するリスクが低いということがわかったそう。花粉症のある人はそうではない人と比べると、死亡率が21%低かったのです。特に低かったのは呼吸器系の病気による死亡率で、62%低くなっていました。がんや心血管病との関係はなかったので、呼吸器系の病気への影響が大きいようです。
花粉症に悩む人にとっては朗報かもしれません。研究グループは、なぜ花粉症がこうした効果をもたらしたのかは不明としながらも、「鼻水などが健康を害する物質から体を守る機能をもたらした可能性などがありそうだ」と推定しています。今後も研究は続くようで、さらなる研究結果が注目されそうです。
<参考文献>
花粉症一口メモ(東京都健康安全研究センター)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/allergy/pdf/pri06_2.pdf
スギ花粉 来月上旬から飛び始め 東京はピーク長い(日本気象協会)
https://tenki.jp/forecaster/tanaka_masashi/2020/01/22/7245.html#sub-title-d
J Epidemiol. 2019 Feb 5;29(2):61-64. doi: 10.2188/jea.JE20170278. Epub 2018 Jun 23.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29937471
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6336725/